冴えないおっさんの休日63
【武田邦彦】7/18、辛い話ですが‥今まで黙っていた大切なお話をします。
今日は土曜日である。朝から雨が降っている。それで朝散歩に行けなかった。だから、寝ていた。ベッドで。NHKのラジオ講座も土日はないし。でも早く目が覚めた。覚めたからKindleで落語を聞いていた。古今亭志ん朝である。約40分。「宋珉の滝」という話である。
>腰元彫りの名人横谷宋珉の弟子で、勘当の身の宋三郎。流れ着いた紀州の湯浅屋という旅籠で、酒を飲んではごろごろしている。 主の松兵衛が話をしていくうち、宋三郎が無一文であることが発覚する。宿代の工面を考える松兵衛。腰元彫り師だというので作品を見せてもらう。小柄に彫られた虎を見て、なぜ死んだ虎を彫ったのかと尋ねる。それを聞いた宋三郎は改まって、これまでのいきさつを話し始める。
古今亭志ん朝師匠の枕がすばらしい。名人のことである。思わず、寝るのを忘れて聞き惚れてしまった。宋珉という名人の弟子である宋三郎という御仁の出世を描いていた。酒を飲んでは、作品を作っていた。それがモノにならない。お殿様に気に入られない。したがって収入も無い。旅籠の主人が宋三郎に旅籠代を払わせるためにも、作品を作らせるのだが、なかなか殿は気に入ってくれない。
死ぬ気で彫れとなっていくのだが、これがなかなかであった。21日間の滝行をしてから、ようやく殿の気に入られるような作品を作り出すのだが、これを聞いていて藤井新棋聖を思い出した。
彼も名人になるだろう。17歳だ。これからの人間だと思っていたら、もうあるレベルに達してしまった。新棋聖になっちまったのだ。すごいことだ。
しかし、怖いだろうなぁと思っているからである。勝たなくちゃ話にならない世界で生きているからだ。負けたらオシマイ。
朝から晩まで将棋のことを考えているのだろうなぁ。
これくらいでないと、その道では通用するわけがない。
対してボキはどうだ?
得意なものはなにもない。
ただのバカジジイである。
落語を聞いていて、藤井棋聖を思い出したのだった。
BYE-BYE!