昨日放送されたNHKの番組で巡礼の話を知った。さっき、午前中の昼寝を終えてから見た。
外で雷が鳴っていたので目が覚めたからである。
ボキは、こういうのに弱い。なぜかというと、ボキは「自分がいかに悪人で、罪行を積み重ねてきたかを知っている」からである。
巡礼をされている破綻したレストランのオーナーシェフの語ったことで印象的なものがあった。人生下り坂もあれば、上り坂もある。これまで上り坂だけだったが、いろんなトラブルも抱えて生きてきたと語っていた。まさにそうだ。順調な人生なんてないからだ。
上り坂だけを生きてきたという思いは、ボキにもある。頂上だけを目指して、努力してきた。同年配は腐るほどいた。小学校でも中学校でも、教室に入れ切れないほど子供たちがいた。切磋琢磨だけが価値あるものとして、センセにも親にも教育された。
ボキもそう思っていた。中途半端な努力しかしなかったけど、それなりに生きていた。
大学受験のころから人生下り坂になった。苦学したからである。しかも、アホ大学である。行ってもしょうがないだろうと亡父にも言われた。でも、ボキは下り坂の底辺に落ちてから努力した。這い上がろうとしたのである。新聞店の給料は全部書籍代に消えた。アホ学生と一緒にされたくなかったからである。
就職してからも底辺生活は続いた。でもあきらめなかった。上り坂を少しづつ歩き始めた。試験でしか上がっていけない世界に身を投じたからである。
坂は長かった。でもすぐ坂は終わった。定年で終わった。
後は断崖絶壁しかない。九十九里浜の中にもぐりこんでしまうしかない。「死」だけが待っている。
そんなもんだよ、世の中は。
巡礼というと、四国巡礼もあるなぁ。コロナで海外には行けないから、こっちにするかと思った。
それだけである。