団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

たばこ増税

2008-06-29 09:16:07 | 社会
                  たばこ増税

                         2008年6月29日(日)作成

 「経済アナリスト」の森永卓郎氏が、6月26日の朝日新聞のコラム「たばこ増税 本当に税収は増えるのか」で、言いたい放題のことを言っている。

 森永氏は、たばこの増税で、「本当に税収は増えるのだろうか。」と疑問を呈し、次のような主張をしている。
①03年と06年の2度行われたたばこの増税は、結局のところ、値上げで消費が減って、税収は増えていない。
②たばこの増税により、禁煙する者が79%と仮定すると、税収は現状とほとんど変わらない。
③たばこ産業の経済的損失により、結果的に税収が減ってしまうことさえあり得る。

 私は、ここまでの主張は、一つの試算として成り立つものと思う。
 しかし、看過することができないのが、次の主張だ。
①喫煙者の寿命が短くなった期間の医療費は減少する。
②その寿命が短くなった期間の年金給付も減少する。
 この主張は、喫煙し早く死ぬことが「財政負担」軽減になるので、喫煙を奨励した方が良いということになりはしないか。

 たばこの問題は、喫煙者自身の健康被害及び他者への健康加害があるということがある。
 たばこのような健康を害するものを廃し、健康で長生きし人生を全うすることができるような社会にすることの価値は、「財政負担云々」との対比によって軽軽に論ずるようなことではない。高齢者の財政負担が大変なので早く死んでもらった方が良い、とは今の政府でもさすがに「公式」には言わないだろう。

 森永氏は、「たばこの増税が経済・財政に与える影響を総合的に分析し、その効果を見極めて」行う必要があると結んでいるが、経済「原理主義」アナリストの発想の限界だろう。

 たばこの健康被害・加害の問題は、「経済・財政に与える影響」をはるかに超える、「人間の有り様」の問題なのである。

 余談であるが、私は嫌煙者で、喫煙者とは「犬猿」の仲だ。しかし、たばこを止めさせるという発想での増税は筋違いだと考えている。

(参考)「喫煙」タクシー(2007.10.30)


(写真)「ペロッ」、2008年6月21日撮影。本文とは関係ありません。
 この日、広島県尾道市へ行きました。人なつっこそうな犬が塀から覗いて、ペロッと挨拶しました。

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