団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

全国一律一斉休校

2020-03-04 07:41:32 | 政治

全国一律一斉休校

2020年3月4日(水)

 安倍首相が2月27日に要請した、「全国一律一斉休校」ですが、既に各般にわたり指摘されていますが、大失政であります。

 「休校」にすれば、何時か「休校の解除」をしなければなりません。この判断は、いわば「表裏一体」の関係と言ってよいと思います。

 2週間で休校解除としていますが、仮に、なお感染している地域があれば、全国一律に解除しないのか?そりゃできないでしょう。「全国一律一斉」には、科学的根拠も合理的理由もないのであります。

 

 

 2月28日の朝日新聞です。

 

 この朝日新聞でも指摘していることですが、「なぜ一律」なのか首相は説明できていません。専門家会議の「ここ1、2週間が瀬戸際」ということを言い訳として持ちだしていますが、その専門家会議では、「一律休校」について議論されていません。委員の1人は、「一律」は不適切と言っています。

 安倍氏は、専門家会議に諮る暇がなかったと宣うておられますが、その後意見を聞いたかというと聞いていないのであります。「暇がなかった」ことは百歩譲るとしましょう。じゃ、その後速やかに意見を聞いて軌道修正すれが良いでしょう、となるのであります。

 

 この「一律一斉」を受けて、多くの自治体は、内心「必要ない」と思いながらも政府の要請に応じるのであります。このことそのものは問題でありますが、上意下達の政治風土が残っているのが、現状であります。そのため、「実情に応じた休校」を実施した場合と較べると、不必要な経費を支出せざるを得なくなります。政府は、休校に伴って保護者が仕事を休んだ場合助成をすると言っていますので、本来休校にしなくても良かった場合でも助成するようになるのでありますなぁ。阿保らしくてモノも言いたくありませんですわ。

 

 1日の朝日新聞です。

 安倍氏は、「説明」のための記者会見を行いました。これ、茶番劇等と指摘している方がおられます。

 私のブログにコメントを寄せた方からの情報です。長いのでキモの部分を要約しますと、記者が首相に質問した内容はあらかじめ両者で打合せをしていたということです。したがって、それ以外の質問は受付ず、時間がきたといって打ち切ったのであります。

 この情報では、「権力者と取材者との癒着」、「茶番劇」と言っています。

 

 

2月29日、新型コロナウイルスの感染防止策について安倍総理が記者会見を行った。それは、日本のメディアと権力との癒着を如実に物語るものだった。
官邸HP 総理記者会見(2月29日)
私の手元に、1枚の書面がある。それはこの会見を前に、官邸記者クラブの幹事社が各社に回したものだ。そこには「内閣総理大臣記者会見の幹事社質問」(案)と書かれている。 
それが冒頭の写真だ。「朝日新聞」と書かれているのは、これは官邸の新聞社幹事である朝日新聞の質問ということだ。因みに、幹事社とは記者クラブのとりまとめ役で、各社持ち回りで担当することになっている。通常、新聞・通信社の幹事社と後述するようにテレビ局の幹事社がある。その質問には以下の様に書かれている。 
臨時休校について伺います。総理は27日に突然発表しましたが、その日のうちに政府から詳しい説明はなく、学校、家庭など広く社会に不安と混乱を招きました。説明が遅れたことをどう考えますか。 
この後、ひとり親、共働き家族への対応、授業時間の確保について質している。また、国民生活や経済への影響、感染の抑え込みについて見通しを問うている。更に、クルーズ船への対応に海外から批判が出ていることを挙げて、これまでの政府の対応について「万全だとお考えでしょうか」となっている。加えて、中国の習近平主席の訪日、東京オリンピックを予定通り行うかどうかも「あわせてお聞かせください」となっている。 
次にテレビ幹事社のテレビ朝日の質問が書かれている。 
総理は先日の対策本部で新しい法律を整備する意向を表明された。与野党から補正予算を求める声もあるが、具体的にどのようなものを想定しているのか。法案は早期に成立させなければならない。そのために野党側に与野党党首会談も含めて協力を呼び掛ける考えはあるか? 
この書面には、「ご意見の有る方は」と書かれ、幹事社まで連絡するよう求めている。これは質問案に欠けている質問が有れば加えるという趣旨だろう。その時間は記者会見前日の28日午後9時までとなっている。つまり、この時間をもって、質問を事前に官邸側に送ることになる。因みにこの行為を、「投げる」と言う。 
これは今回に特別なことではない。これまでもそうだった。日本のリーダーの記者会見とは、このように事前に質問事項がまとめられて記者から官邸側に渡され、それに基づいて総理大臣の答弁が決められて答弁書が作られる。総理大臣は答弁書を読むだけとなる。それを記者と総理大臣が演じる一種の茶番劇となる。 
今回の安倍総理の会見は36分ほどだった。その最初の19分は安倍総理がプロンプターに出てくる原稿を読むものだった。そして、残りの17分で記者との質疑が行われ、先ず幹事社の朝日新聞とテレビ朝日が質問しているが、それは私の持つ書面の文面の通りに行われている。少し違うのはテレビ朝日の質問に、「さらに生活面でマスクやトイレットペーパーといった日用品がお店に行っても買えないという現象が起こっている」と付け加えられたくらいだ。これは答弁を変えるほどのものではなく、答える安倍総理も、用意された答弁書と見られる紙を読んで終えている。 
続いてNHK、読売新聞、AP通信の記者が質問しているが、これらの答弁も安倍総理は紙を読む形で答えている。 
この会見に出ていたフリー・ジャーナリストの江川紹子氏は自身のYahoo!個人ニュースの記事で次の様に書いている。 
スピーチの間は、首相の前に立てられた2つのプロンプターは、質疑の時間になると下ろされる。首相は、会見台の上に広げられた書面を見ながら質問に答える。複数の証言によると、首相会見では事前に質問者が指名されており、質問内容も事前に提出している、とのこと。会見開始直前に駆け込んできた男性は、佐伯耕三首相秘書官で、彼が提出された質問への回答を用意し、安倍首相はそれを読んでいる、というわけだ 
出典:Yahoo!個人ニュース「新型コロナ対策・首相記者会見で私が聞きたかったこと~政府は国民への説明責任を果たせ」
質疑について「彼(秘書官)が提出された質問への回答を用意し、安倍総理はそれを読んでいる」は指摘の通りだろう。つまり総理大臣自身が「本当に大変なご苦労を国民の皆さんにはおかけしますが、改めてお一人おひとりのご協力を深く深く、お願いする次第であります」と語り、国民の協力を求めている記者会見の場は、事前にやり取りが決められた茶番劇だったということだ。 
当然、そこには権力者と取材者との緊迫したやり取りなど存在しない。あらかじめ用意された紙を読んで質問をしたことにする記者。それに応えて予め用意された答弁を行うことで誠実に対応しているように見せる首相。それが20分弱繰り返されたというわけだ。各社、原稿もある程度は事前に書いている筈だ。 
会見が終わる際に、予定の時刻を過ぎたとの説明がなされているが、これも想定通りと見て良い。事前に質問者と質問内容に加えて答弁の分量もわかっており、想定を超えて時間が過ぎたわけではない。そして、予定された質疑が終わったところで会見は打ち切りとなることが既に決まっていた筈だ。 
では、こうした「茶番劇」の何が問題なのか?それは、記者会見が事実関係を問いただす場にならないということだ。普通、質問は一発で回答を得ることはできない。その為、記者は関連質問を行う。これを「二の矢、三の矢を放つ」と言う。それによって、初めて回答を得られる。実際、江川氏は、最初の朝日新聞の質問に安倍総理が明確に答えていなかったと指摘している。ところが朝日新聞の記者は二の矢を放っていない。放てないのだ。なぜなら、総理大臣会見では二の矢を放つことは想定されていないからだ。否、別の言い方を敢えてする。二の矢を放つことは許されていないのだ。 
仮に、ここで朝日新聞の記者が二の矢を放ったらどうなるか?官邸側と朝日新聞の信頼関係に傷がつくことになる。その結果、朝日新聞は官邸での取材で不利益を被ることが予想される。例えば、官邸幹部へ取材などで朝日新聞だけが外されるという事態は容易に想像できる。 
そう書くと、「この新型コロナウイルスという緊急時に際して、そんな些末なことで事実の確認という重要な仕事を放棄することなどあり得ない」と思う人もいるかもしれない。しかし、残念ながらそれが実態だ。なぜか?予め決められた内容をやり取りすることで総理大臣を答えに窮するといった困った立場に置かずにすむからだ。それは官邸側の意向ではあるが、それを認めているのは記者の側だ。 
「それでも厳しい質問をするのが記者ではないのか?」と思う人はいるかもしれない。ところが、日本の記者、特に政治権力を取材する官邸記者クラブの記者はそうではない。一般的に日本の記者は権力の側から情報をとることが仕事となっており、そのためには権力の側を怒らせることに極めて消極的だが、その最も典型的な例が官邸記者クラブだと言って間違いない。 
勿論、「記者会見は国民の知る権利に応えるための場」とは、日本の主要メディアで掲げられる言葉だ。それが嘘だとは言わない。しかし、完全にこの言葉に忠実かというと、そうではない。国民の知る権利に応えようと記者会見で頑張って二の矢、三の矢を放って、総理大臣を立ち往生させるか?官邸を困らせるか?その結果は見えている。取材で不利になる選択肢は当然の様に取らないし、取れない。 
では、世界中どこでもそうなのか?残念ながらこんなことをしている国は民主主義の国では日本くらいだろう。日本のリーダーの記者会見に特有の現象と言っても良いかもしれない。 
記者会見での言動が常に批判を受けるアメリカのトランプ大統領にしても、この様な茶番劇は演じていない。記者会見は日本の首相会見とは大きく異なり、そこは権力者と取材者との真剣勝負の場となっている。だからこそ、トランプ大統領が、「お前は失礼な奴だ」とか、「お前らの会社はフェイクニュースだ」などと記者を罵倒する状況が生まれる。怒りのあまり会見の場で、「この人殺しのテレビ記者ども」と口走った姿を確認したこともある。それは、それが本当の記者会見の場だからだ。核廃棄という専門性の高いテーマだった一回目の米朝首脳会談の後の記者会見でも、「北朝鮮がどこまで核廃棄を進めれば、廃棄したとなるのか?」といった質問に、「専門家に言わせれば、ある段階まで廃棄を進めれば、再開が難しい段階が有る・・・」と自分の言葉で語っている。 
日本の総理大臣の記者会見では、トランプ大統領の言うところの「失礼」な質問は出ない。そもそも官邸側と調整した質問しか出ず、「失礼」な質問が投げかけられる余地が無いのだ。 
一度、ニューヨークの国連で安倍総理が会見を開いた際、アメリカの記者がこの慣例を破って二の矢を放ったことが有った。その時、安倍総理がそのまま用意された答弁を読んでしまった。当然、二の矢のための答弁は準備されていない。安倍総理が読んだのは、次の記者の為の答弁だったと見られる。当然、質疑は意味不明なものになってしまった。異変に気付いた官邸スタッフが割って入り、記者会見は途中で終わっている。私はその会見に出ていたアメリカ人記者からその話を聞き、返す言葉が無かった。 
私はYahoo!個人で、総理と主要メディア記者との会食の問題を取り上げてきた。総理会見の在り方も権力者と取材者との癒着という意味で全く同じ話だ。 
Yahoo!個人ニュース「総理大臣と記者との会食が引き起こしている問題の深刻さに気付かないメディア」
またこうも言える。こうした会見と総理大臣と記者との会食は表裏だ。会見で本音が聞けないから、会食で本音を探るということになる。しかしこれはおかしい。極めて不透明且つ不健全な会食などをせず、透明性の高い記者会見を堂々とやれば良いだけのことだ。 
NHKは安倍総理の会見を伝える29日のニュースで、「安倍総理が自ら説明」と報じている。これは一種のフェイクニュースだ。用意された文章を読み、質問には準備された回答を読み上げる。それは、「自ら説明」したことにはならない。 
更に言えば、これはもう記者会見ではない。これは単なる演説会だ。質問に答えない記者会見を記者会見と呼んではいけない。官邸記者クラブの記者に言いたい。次からは「記者クラブ主催総理演説会」と名称を変えた方が良い。そうでなければ、記者会見を本物の記者会見、つまり権力者と取材者との真剣勝負の場に変えなければいけない。この未曾有の事態に際して人々を茶番劇には付き合わせてはいけない。

 

 

 wifeが、この安倍氏の記者会見のTV放映を見て、「自分の力で何でも出来る思っとるんじゃね」と呟きました。

 

 次は、香山リカさんの記事です。

 香山さんは、「独裁者の万能感」と言っておられます。我がwifeながら慧眼であります。(ハハハッ)

 

 

 

 

 


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