学年だより「天才の証明(3)」
自分の天才をみつけだすためには、天才の発現を遮っているものを取り除く必要がある。
自分にはそんなことはできない、そんなのはありえない、意味わかんない … 。
自分のその瞬間の想定内に入っていない情報を、人は受け容れようとしない。
他人からみればなんでもないことでも、当人にとってはものすごくハードルが高い場合がある。
思い切ってやってみると、なんでもなかったことに気づくことも多々あるのだ。
「バカの壁」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
「これが正しい」「あたりまえだ」という思い込みが人の認識を阻害する。
その時々における自分の判断は、当然自分の脳で行われているわけだが、人の脳はAIとちがって限られた情報しかもっていない。
遺伝子的にもっているものを土台にし、生まれてからの学習や経験でインプットされた情報との総体がすべてだ。
だから経験の少ない人、世間の狭い人は、その判断基準も偏っている可能性が高い。
さらに問題は、自分の判断が客観的には偏ったものである可能性に思いが及ばないことだ。
自分の考えを正しいと思い込み、さらにその理由まで構築して、自分の考えを補強しようとする。
ますます外部からの意見を拒絶するような「壁」が築かれることとなる。
気づかないうちに築いてきた壁を崩すことが、学生生活の大きな役割だ。
~ 津田:僕は高城さんの言葉の中で、「人間の想像力は移動距離に比例する」という言葉が好きなんです。それで僕も、今年は以前に比べれば移動距離を増やしました。取材の関係で国内のいろいろな場所に行きましたし、海外にも5カ国くらいは行きました。そうやって旅してみると、高城さんの言葉の意味が少しわかってきた気がするんです。というのも、様々な世界を知ることによって、物事を考えるときの比較対象が増えるじゃないですか。そうすることによって初めて見えてくるものがある。先ほどのIMAXシアターの話でも、僕は IMAXというものを「東京にあるIMAX」でしか考えられないけど、高城さんは「世界最大級のスクリーンで観るIMAX」との比較のなかで考えることができますよね。この差は大きいなと。
高城:実際の経験は、想像力を驚くほどに増幅させるからね。続いて大切なのは、その想像力を現実化させる力。ウォルト・ディズニーがいうところの、イマジニアリング。そして、いままでにはない手法のマネタイズ。このみっつの波が、ほぼ遅延なく押し寄せ、やがて大波になる。これが、あらゆるビジネスの基本だと思う。まずは、寄り道でもなんでもいいから、いつもと違う道を進んでみることからはじまるんだよね。(高城剛メルマガ「高城未来研究所Future Report」) ~
見たものの量が増えると、見えるものが増えていく。見ようとしない人は、見えるものも見えなくなる。「バカの壁」を築いたまま生きるのは、むしろ楽かもしれないが、もったいない人生だ。