学年だより「天才の証明(4)」
壁を崩すには、自分で勉強し、体験をつむしかない。
一歩踏み出してみるか、ただ様子をうかがっているかの二種類にすべては分類される。
「そんなことをしていいのか」「分を越えているのではないか」「失敗して恥をかかないか」というリミッターをはずして生きていいのが学生時代だ。
学生時代に、おもいきっていろんなところへ行く、異文化に接し、自分の価値観でははかりしれない世界に身を置いてみることほど、貴重な経験はない。
~ 津田:それで、今年の9月に「日中ジャーナリスト交流会議」に出席するために中国の上海に行ってきたんですけど、日本に比べて上海はあまりにも先進的で驚きましたね。上海ではウィチャットペイやアリペイを使ったキャッシュレス化が完成していました。キャッシュレスが当たり前になっていることは事前に知っていたんですけど、実際に行ってみるまでは、「本当に現金がなくて大丈夫なのか」と内心不安だったんですよ。でも、結局、上海に滞在中、財布を開けることは一度もなく、本当に全てウィチャットペイのQRコード決済で済んだんですよ。
街中の移動には、モバイクのシェア自転車を使いました。日本ではまだまだ普及していませんが、上海では当然のように誰もが利用しています。使い勝手に関しても、日本でドコモが実施しているシェアサイクルとは比べものにならないくらい良いですね。
高城:聞いた話や数字じゃなくて、行ってみるとわかることが、本当に多いよね。中国の電動バイクのほとんどは深セン周辺で作っているんだけど、深センでは電動バイクどころか海でも乗 れる個人用電動モーターボートまである。少し離れて東莞まで行けば、湿地帯の名残で、水を使って高速移動できるんだ。深センへのアクセスも、香港国際空港から船が最短だしね。個人の移動が電動化すると、都市機能が格段にあがる、いわゆるスマートシティ化がどんどん進むんだよね。
… 行って見ると、そうやって実感できることが多いよね。しかも中国では自動車のパーツをアリババで売っているから、完成車を買えない所得の低い人たちでも、自分でパーツを買って組み立てた電気自動車に乗っているし、まるで、少し前のPCだね。乗り物も、いよいよ自作の時代なんだけど、それは既得権がない国だけの話。日本は、自動車産業を守ったり、車検利権を守ったりするから、結果的にライフスタイルのイノベーションが起きない。都市機能もあがらずに、半端な商業施設ができるだけ。(高城剛メルマガ「高城未来研究所Future Report」) ~
一歩踏み出せる人は未来を見ている。
未来を見すえた目で過去を見るので、今の自分をつくってくれた大切な時間ととらえることができる。たとえそれがどんなに辛い過去であっても。
自分にとって貴重な過去の余韻と未来への予感が重なってる「今」を生きることができる。