水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

胸をはる

2021年03月02日 | 学年だよりなど
3学年だより「胸をはる」


 進路が決まって晴れ晴れして明日を迎える人、発表待ちで不安な人、思うような結果が出なかった人……。「卒業おめでとう」という言葉を素直に聞けない状態の人もいるかもしれない。
 「悔しい」とは、どういう感情だろうか。
 それほど悔しいのは、十分な努力をしてきた実感があるからではないか。
 だとしたら、結果に関係なく、今までやってきた自分に自信をもとう。
 E判定で受かる人もいれば、A判定で不合格になる人もいる。
 それが受験だ。それはわかっていて、チャレンジした。安全校だけを受ける選択はしなかった。
 最後まで逃げなかった自分を誇っていいはずだ。
 もしかしたら、努力が足りなかった、やるべきことをやりきれなかったと感じている人もいるかもしれない。その場合は、悔しがる必要などないではないか。
 いさぎよく負けを認め、次に向かうだけのことだ。
 スポーツの大会でも、負ければふつうは悔しい。
 最初から負けるつもりで臨んでいるわけではないから、負けて悔しいのはまちがいない。
 ただし、たまに見かけるように、銀メダルを首にかけないのは間違っている。
 それほどに相手を見下していたということであり、負けてなお相手に敬意を表すことができないのだから。
 「ほんとに勝つべきだったのは自分たちだ」というアピールにしか見えないから、勝てない本当の原因は、その人間性にあったのだろうと事後にわかってしまう。
 うまくいかなかったときに、「ふがいない自分」「だめな自分」アピールして落ち込んでみせるのは、言い方は厳しいが傲慢な態度とも言える。
 その人が何かにチャレンジしている時、純粋にその人だけが努力しているのではないからだ。
 その人がチャレンジできる環境を整えている人がいる。
 支えてくれる人がいる。一緒に戦った仲間がいる。指導してくれた人もいる。
 すべての責任は自分だと、自分だけをせめて落ち込んでみせるのは、周囲をないがしろにしているといえないだろうか。
 結果が残念なのは君だけではない。君が頑張っている姿を近くで見てきた人ほど、心はつらい。
 自分だけ悲劇の主人公になっている場合ではない。
 15秒落ち込んでいいけど、すぐに立ち上がろう。ロッキーのテーマが聞こえてくるはずだ。
 この3年間に胸をはって、明日を迎えよう。
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