2学年だより「戦略(2)」
「コストパフォーマンス」とは、何かをするためにかかった費用(コスト)と、それによってどれくらいの成果(パフォーマンス)が上がったかを表す言葉だ。
より少ないコストで望ましいパフォーマンスを得られるとき、「コスパがいい」と我々は言う。
そして、コスパがいいことは、たぶんみんな大好きだ。
受験で言えば、少ない勉強で難関大に合格できたら、コスパがいいということになる。
「一週間でマスター!らくらく英会話」みたいな本が売れるのは、みんな少しでも楽に英語をおぼえたいからだ。原価率が低いのにものすごく儲かる商品や、安くておいしいご飯やさんや、いろんな局面で私たちはコスパという考えを持ち込む。
藤沢数希氏『コスパで考える学歴攻略法』では、中学受験をして私立の中高一貫校に入ったコースのコスパを検討している。少し古めのデータだが、中高一貫の高3と、公立の高3とでは、駿台模試で偏差値3の開きがあるという。駿台模試だから、公立は相当の進学校のはずだ。
~ 前述のように、中学受験をすると塾の費用と私立中高一貫校の学費などで、公立中学→公立高校のコースよりも合計で約1000万円ぐらいは余分に教育費用がかかる。つまり、ここから得られる結論は、約1000万円ぐらい余分にかければ偏差値が3程度は上がるかもしれない、ということだ。もちろん、これはあくまで平均値なので、私立の中高一貫校の環境がよく合って、3よりももっと偏差値が上がる子供もいるし、逆に本当は勉強ができるのに、私立難関校の優秀な子供の中で霞んでしまい、勉強をやる気がなくなり、かえって公立中学に行ったほうが良かった、という子供もたくさんいるだろう。こうした個人間のばらつきは大変に大きく、私立中高一貫校に通わせれば子供の偏差値が3上がる、と単純に考えるべきではない。 ~
1000万円かけて3の違いか……と一瞬思ったかもしれないが、偏差値65の大学と68の大学という感覚で見てみると、3の違いは大きい。大分生々しくなってきたけれど。
~ 仮に大学受験の偏差値3を1000万円出せば買えるとしたら、たとえば私大だとMARCHが上智ぐらいにはなる。上智が早慶ぐらいにはなるかもしれない。阪大が京大ぐらいにはなるだろう。東工大、一橋大、早慶上位学部に順当に受かる子供なら、偏差値3程度そこから上げることができたら、東大には十分にチャレンジできる。あるいは、同じ大学に行くにしても、浪人が現役になるかもしれない。つまり、この数字だけ見たら、約1000万円出せば、期待値では子供の大学がワンランク上がるかもしれない、というぐらいの相場観だ。~
中学受験をした子ども達、つまり1000万円かけてきた子たちが勉強に費やした時間を、みなさんはどう過ごしていたのか。
そこで得られたものの価値も合わせて考えるとなると、お金と偏差値だけでコスパを語れるのかという問題も生まれる。
「コストパフォーマンス」とは、何かをするためにかかった費用(コスト)と、それによってどれくらいの成果(パフォーマンス)が上がったかを表す言葉だ。
より少ないコストで望ましいパフォーマンスを得られるとき、「コスパがいい」と我々は言う。
そして、コスパがいいことは、たぶんみんな大好きだ。
受験で言えば、少ない勉強で難関大に合格できたら、コスパがいいということになる。
「一週間でマスター!らくらく英会話」みたいな本が売れるのは、みんな少しでも楽に英語をおぼえたいからだ。原価率が低いのにものすごく儲かる商品や、安くておいしいご飯やさんや、いろんな局面で私たちはコスパという考えを持ち込む。
藤沢数希氏『コスパで考える学歴攻略法』では、中学受験をして私立の中高一貫校に入ったコースのコスパを検討している。少し古めのデータだが、中高一貫の高3と、公立の高3とでは、駿台模試で偏差値3の開きがあるという。駿台模試だから、公立は相当の進学校のはずだ。
~ 前述のように、中学受験をすると塾の費用と私立中高一貫校の学費などで、公立中学→公立高校のコースよりも合計で約1000万円ぐらいは余分に教育費用がかかる。つまり、ここから得られる結論は、約1000万円ぐらい余分にかければ偏差値が3程度は上がるかもしれない、ということだ。もちろん、これはあくまで平均値なので、私立の中高一貫校の環境がよく合って、3よりももっと偏差値が上がる子供もいるし、逆に本当は勉強ができるのに、私立難関校の優秀な子供の中で霞んでしまい、勉強をやる気がなくなり、かえって公立中学に行ったほうが良かった、という子供もたくさんいるだろう。こうした個人間のばらつきは大変に大きく、私立中高一貫校に通わせれば子供の偏差値が3上がる、と単純に考えるべきではない。 ~
1000万円かけて3の違いか……と一瞬思ったかもしれないが、偏差値65の大学と68の大学という感覚で見てみると、3の違いは大きい。大分生々しくなってきたけれど。
~ 仮に大学受験の偏差値3を1000万円出せば買えるとしたら、たとえば私大だとMARCHが上智ぐらいにはなる。上智が早慶ぐらいにはなるかもしれない。阪大が京大ぐらいにはなるだろう。東工大、一橋大、早慶上位学部に順当に受かる子供なら、偏差値3程度そこから上げることができたら、東大には十分にチャレンジできる。あるいは、同じ大学に行くにしても、浪人が現役になるかもしれない。つまり、この数字だけ見たら、約1000万円出せば、期待値では子供の大学がワンランク上がるかもしれない、というぐらいの相場観だ。~
中学受験をした子ども達、つまり1000万円かけてきた子たちが勉強に費やした時間を、みなさんはどう過ごしていたのか。
そこで得られたものの価値も合わせて考えるとなると、お金と偏差値だけでコスパを語れるのかという問題も生まれる。