水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「仕組み」化(3)

2019年11月25日 | 学年だよりなど
  2学年だより「仕組み」化(3)


 目標を立てていながら、その実現に向けての行動をとらない人。
 目標を特に立てていないものの、日々やるべきことに地道に取り組んでいる人。
 どちらがいい結果を得られるかは、明らかだ。
 世の中にあふれる「自分のやりたいことをやろう」というメッセージは、それ自体は素晴らしい。
 誰も否定できないので、逆に「やりたいこと」が見つからないときに不安になってしまう。
 「やりたいこと」を見つけなけれ「ばならない」という義務感さえ生まれてしまう。
 しかし、そうやって無理矢理見つけたものが、はたして本当のやりたいことだろうか。
 「おまえ、何かやりたいことがないのか、しっかり自分の人生を考えてみろ」という大人はいるが、果たしてその人がしっかり人生を歩み夢を叶えている人かどうか。
 人がうらやむような人生を歩んでいる人は、たぶんそんなお説教はしない。
 言うとしたら、「考えるより、何でもいいからやれ」ではないだろうか。
 そもそも、みんながみんな「やりたいこと」を叶えられるはずがない。
 一般的な「やりたいこと」に該当しないようなことこそ、やったときに周りからは喜ばれる。
 「やりたいこと幻想」にとらわれず、目の前のことを地道に取り組めばいい。
 いつか突然何か見つかったときに、一気にチャレンジできる身体と精神を作っていく営みが、日々の暮らしであればいい。
 秋葉原にクリニックを構える石井洋介医師は、日本うんこ学会会長でもある。
 高校1年のときに潰瘍性大腸炎という難病に罹り、ほとんど学校に行けない毎日を過ごした。
 学校に居場所を失い、自堕落な生活を続けるうちに、症状が急激に悪化する。
 生死をさまよう手術のすえ大腸を全摘出し、人工肛門をつけ、その後人工肛門を閉鎖するという経験を経て、「残りの人生は人のために生きよう」と医者になることを志した。


 ~ 「医学部に合格するなんてもともと頭がいいんですね」と言われることがあります。でも、僕はそんなことはないと思っています。
 たしかに、世の中にはものすごく頭の回転が速い人がいます。これまでに会ってきた厚生労働省内の人や起業家の中には、信じられないほど頭の回転が速く、どうやっても太刀打ちできないと思う人もいたのは事実です。ただ、医学部合格を目指すという話に限定するのであれば、「卓越した頭脳を持って生まれること」は必要ないと思っています。正しい情報を持って、正しくアクションをすれば合格に至るのだと思います。前述のような超人的な人は世の中に一握りで、後は医学部であっても、頭の回転が異常に速い人なんていませんでした。
 必要なのは、「やればできる」と思える自信。それを持ち続けながら勉強できる耐久力だと思います。つまり、時間をかけて勉強を持続できる力です。 (石井洋介『19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと』PHP) ~
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