水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

トレジャーDNA

2019年09月20日 | 学年だよりなど
2学年だより「トレジャーDNA」


 体を動かし、勉強すると、なぜ若さを保つことができるのか。
 ドーパミンが放出され前頭葉が刺激されるという即効性とともに、遺伝子レベルで身体に変化がもたらされるからだ。
 「遺伝子が変化する? そんなことがありうるのか?」と思った人もいるだろうか?
 いや、生物基礎を学んだみなさんなら、「いまどき、それは常識だ」と言うかもしれない。
 昔ながらの知識しかないわれわれ世代にとって、遺伝子そのものが変化するという近年の知見は、驚きでしかない。
 遺伝か環境か、人間の成長を規定する要素は何かと、古くから議論され研究されてきた。
 環境の大事さは言うまでもないものの、遺伝によって決定するものについては、努力や教育でいかんともしがたい部分が大きいと考えられてきた。
 背が高いとか、顔立ちとか、足が速いとかについては、「あの親の子供だからね」と結論づけられることが多かった。
 勉強ができるできない、歌がうまい、サッカーが上手、性格が明るい、風邪をひかないといった面も、遺伝的な要素で決まっているように、漠然と理解されてきたのではないか。
 しかし、近年の研究によって明らかになってきたのは、人間はもっている遺伝子自体はそんなに変わらないが、遺伝子の各部分をどう発現させるかで個性が決まるというものだ。
 この世に生を受けてからの生活習慣によって、その発現度合いは変化する。
 さらに父親の精子に含まれる遺伝子をトレーニングで変化させ、結果としてうまれてくる子供の遺伝子に影響を与えることも可能だという。


 ~ 「運命」という言葉には、自分で変えられない、逆らいようにない、「神様の決めた定め」という意味合いが含まれています。
 この「運命」という言葉が持つ決定論的な意味合いは、遺伝子やDNAの持つイメージと、分かちがたく結びつきました。遺伝子の研究が進んで、その重要性が次々と明らかになるにつれ、生まれ持った遺伝子こそがさまざまな能力や性格、体質や病気のなりやすさなどを決めるものであり、「まさに運命を決めるものの正体のひとつ」と考えられるようになったのです。
 しかし今、最先端の研究は、その常識、遺伝子に対する固定観念を覆しつつあります。これまでは「生まれ持った遺伝子は死ぬまで不変」であり、だからこそ「運命を決めるもの」と考えられてきましたが、実は遺伝子には「その働きを根本的に変える仕組み」、いわば“運命を変える仕組み”があることがわかってきたのです。 (NHKスペシャル「人体」取材班『シリーズ人体 遺伝子』講談社) ~


 DNAの中に遺伝子の占める割合はわずか2%。
 遺伝子のもつ情報のうち、どれをどう発現させるかは、残りの98%部分が担当する。
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