今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

本尊開帳の飯山観音と白山

2024年11月03日 | 東京周辺

昨日の強い雨もどこへやら、晴天が約束された文化の日※。
※:11月3日は「晴れ」の特異日
本日に本尊(十一面観音)が開帳される飯山観音(神奈川県厚木市)に行く。
そう、最近の私のお寺めぐりは秘仏開帳を狙うようにしている。

この飯山観音は、関東の観音霊場の1つ(六番目)で、丹沢東麓に点在する温泉郷の1つ飯山温泉近くにある寺で、正式には飯上山長谷寺(ちょうこくじ)という。

白山(284m)という低山の麓にあるので、背後の白山にも登ってみたい。
低山ながら山なので山の装備で行く。


せっかくの秘仏拝観行きながら、人身事故で遅れてしまった小田急の急行に乗って、「本厚木」で降り、道路を渡った5番乗り場の神奈中バスに乗る。

「飯山観音前」でバスを降りて、道路を渡って帰りのバスの時刻を確認し(1時間に2本)、
赤く塗られた橋を渡ると、ここから飯山観音の参詣道が始まる。
その入り口には「ざる菊」という地面に丸く固まって咲く色とりどりの菊の畑があって(写真)、それを鑑賞する客が集まっている(時期的にやや早め)。
このあたりを「飯山花の里」というらしい。
「ざる菊」って初めて見るが、飯山の他にも相模原や小田原など神奈川県内で盛んらしい。

そのざる菊の奥にある金剛寺の大師堂も見学。
堂の後ろに弘法大師を模った石仏(墓)が無造作に並んでいた。

直線に伸びる参道を進み、石段を登り終えると門前の広い駐車場に出る。
バス停で降りたのも参道を歩くのも私だけで、本尊開帳日なのに、参詣者が少ないと訝しんだが、
この駐車場に車が幾つも停まっている(500円)。
バス用の大型駐車場もあるので、季節によっては観光ルートになっているのだろうか。


修復中なのか仁王が不在の仁王門を抜け、最後の石段を登ると、観音堂前の広場に出る(写真)
そこにボランティアの案内の人たち(老人)がいて、寺の案内を渡しながら、どこから来たのかと尋ねてきたので、東京からと答え、そしたら今日は本尊開帳の日だと言ったので、それを目指して来たと答えたら、どうやってそれを知ったのか不思議がっていた。
私にとって本尊開帳の情報ソースは山と渓谷社の『歴史散歩』シリーズ。
本で紹介される寺の本尊はきちんと開帳日が記されているのだ(歴史散歩の実用向き!)。
ただしこの本は古いので、それを元に最新情報はネットで確認する。

参道から逸れたところに畜類と雞類の大きな供養塔があったので珍しく思いカメラを向けていると、無料案内の爺さんがやってきて、厚木は豚肉の産地で、「とん漬」という豚肉の味噌漬けが名産だという。
※:帰宅後写真を確認したら、この写真だけ不自然にピントがずれて、半透明の何かが飛び回っているような画像だった(写真)。
ついで、その反対側にある県指定重要文化財の銅鐘の説明を受ける。
それによると、ここ飯山は中世から鋳物の地で、川から鉄が取れたらしい。

ここはすでにかなりの高台なので、横浜から東京にかけての展望が広がる。
すなわち横浜のランドマークタワーや副都心の高層ビルが見えるのだ(スカイツリーは確認できず)。


いよいよ観音堂内に靴を脱いで入る。
内陣(立ち入れない)の中央に厨子があり、その扉が開いて、本尊の十一面観音(行基作)が見えるのだが、厨子の扉より背が高いので、顔の上半分が見えない。
全体的に結構素朴な造りであることはわかる(以前は山上の白山神社に祀られていたとも)。
自分のいる外陣には大黒様や役行者の木造がある。
役行者の像があるということは、背後の白山は修験の山を意味する。

寺務所で、御影(みえい:100円)を買う。
他の参拝客は御朱印目当てだが、私は御影が目当て。
観音霊場の寺なら必ず御影があると確信(しかも安い)したので、御影コレクターとしては観音霊場をメインに訪れればいいとわかった。


寺の裏から、白山の山道(男坂)を登る。
低山ながら男坂というだけあって結構急斜面で、しかも木の階段が、木2本を上下に並べて段差を作っているで、山の登りには不釣り合いな高い段差を毎回越えなくてはならない。

やっと頂稜に出たので、まずは右折して白山神社を目指す。
頂稜北の頂にある白山神社の手前に小さな池(白山池)があって、傍に立つ竜の像が池に顔を向けている(写真)。
かように頂上部に湧水があるのは珍しい(ないことはない)。
またここにも役行者の石像があった。

長谷寺を開基した行基が山頂で湧水池を発見して、そこに白山神社を勧進したのだという。
白山神社に参拝して、引き返して、頂稜南端で三角点のある白山展望台に達する。
そこには階段で上がる展望台が設えてあり、そこに登ると、展望の案内図があり、それによると、先ほどの京浜都市の展望に加えて、伊豆大島とその先の利島まで見渡せるらしい(今日は見えない)。
背後には丹沢大山が聳え立っている。

ここからは女坂を経由して長谷寺に戻れる。
さすが女坂は、傾斜が緩く、さらに山腹を巻くので平坦なほど。
長谷寺に着き、バスの便に時間があるので、まずは堂の周囲に作られてある坂東33ヶ所観音霊場の巡礼道を歩く。
ついで、今一度観音堂内に入って本尊を拝み、
寺務所で茄子の中に金銀のカエルが入っているストラップ型のお守り(600円)を買う。
普通、お守りの類は買わないのだが、私の好きなアイテム、1位カエル🐸、2位キノコ🍄‍🟫、3位ヒョウタン、4位ナス🍆のうち、1位と4位が合わさったので帰りに時間があったら買おうと思っていたのだ。
カエルはたいてい「無事カエル」から始まる語呂合わせに使われるだけで(カエル好きにとっては)鼻白むが、ナスはそういう使われ方をしないので、逆に珍しい。

最後は、小鮎川沿いの瀧蔵神社に参拝し(宮司が一人で神事中)、バスが来る5分前にバス停に着いた。

というわけで、秘仏拝観、修験の山歩き(峰入り)、御影に加えて思わぬグッズもゲットできた。


国民民主党に期待

2024年11月01日 | 時事

今回の衆院選で、私は地方区は白票を投じたが、比例区は「国民民主党」と書いた(「民主党」とだけ書くと立憲民主党と票が折半される)。
※:候補者は、自民・立民・維新・参政だったのでどれにも入れたくなかった。

私のような人が多かったので、国民民主党は比例区の候補者数を超える結果となってしまったほど。

きちんと国益を守り、(19世紀の)古臭いイデオロギーに支配されない、現実的に国民生活を守る視点(口先だけのポピュリズム政党との違いが重要)のある政党として唯一評価していたから。
そして立場が近い「維新」との質(品性)的違いも有権者にはわかってきたようだ。

今までは立民と維新の間に挟まれて存在感が薄かったが、単なる「反対野党」(旧社会党の立ち位置)ではなく、政権担当可能な責任感ある野党としての信頼を得られる機会が訪れた。

キャスティングボートを握る今の立ち位置によって、立民や公明・維新よりも政策を反映させることが可能となっている(むしろ自民党から頼られそう)。

その政策が実現すれば、単なる万年野党第一党ではなく(立民はこの位置に居座ってしまった)、自民党に代わる政権政党として、不承不承に自民に投票してきた(自民党の金権体質にはうんざりだが、経済と外交・防衛政策能力が無い左翼政党には国政を任せられないと思っている)人たちをごっそり取り込むがことができる。

政権担当可能な政党が2つになることで、そうなって初めて、日本に民主主義政治が実現する。

個人的には、名古屋市で減税と財政健全化を両立してきた河村たかし氏(現保守党)との連携も期待したい。


理解できない事態:追記あり

2024年10月31日 | 時事

衆院選での自民の大敗、立民・国民の躍進は予想通り。
ワールドシリーズのドジャース優勝もあの勢いで理解できる。

唯一理解できないのは日本シリーズで、セリーグ3位のベイスがパリーグの覇者ホークスを連続25イニング0点に押えて3連勝し、日本一に王手をかけたこと。
しかも敵地福岡ドームで。
逆なら理解できるが、この現実は理解できない。
応援するのはどちらかというとベイスなのだが、実力的にはホークスが上のはずなので、私の理性が困惑しているのだ。

ベイスのピッチャーってそんなにすごかった?
むしろホークスの打線がスランプなのだろう。

ヤンキースのジャッジが今まで打てなかったように、短期決戦だと個人の不調の波と被ることはある。
でもチーム全体の不調というのは確率論的にありえない(好調な選手に替えればいいだけだから)。

一日あけて場所が横浜に戻ると(本来的にはベイスに有利なはずだが)、調子が変わるかも知れない。

私は CS必要論者だが、やはり「日本一」の座は実力のあるチームが勝ち取ってほしい。


11月3日追記:なんとベイスターズが4連勝して日本一となった。
しかも大差をつけての勝利。
相手打線を抑え、相手のピッチャーを打ち崩したのだから、素直に”強い”と認めざるを得ない。
おそらく、 CS以降で選手たちが急成長したのだろう。
高校球児が甲子園で成長するように。

そもそもベイスターズは12球団で最後まで優勝経験がなかったチーム(前身のホエールズ時代を含む)なので、その優勝は”私が生きているうちにこの目で見たいこと”の1つになっていた
※:他には、”自民党以外の政権”というのがあり、これも実現した。あまりいい思い出でなかったが。

なのでそれが実現した時は、その分だけ「もう思い残すことはない」という気持ちが上昇した。
そういう思いのあったチームなので、今回の日本一もそれなりに感慨深い。


2024年の10月は6月並みだった

2024年10月30日 | お天気

愛知日進市と東京文京区で常時観測している気象データを毎月末に月間極値(最高・最低値)を記録している。

それによると、気温の極値(最高気温、最低気温)は例年より少々高い程度だが、露点温度(気温より日射の影響を受けにくい大気の温度状態)の最低値が例年に比べて異常に高かった。
例年なら0℃付近になるのだが(愛知は0℃以下)、今年は両地とも6.7℃だった。
この値は6月頃に相当する。
すなわち、今年10月の大気は6月並みだったということ。
今年の10月は秋ではなく、初夏(5月)と盛夏(7・8月)の間、すなわち広義の夏だった。

温暖化は最高気温ではなく、最低気温の上昇として現れ、しかも環境(生態系や氷河の縮小など)への影響はこちら(暖冬)の方が大きい。

11月はどうなることやら。

 

 


政権交代を実現する奇策

2024年10月28日 | 時事

今回の衆院選は期待通りの結果になったが、立憲民主党の躍進は、自民党への”お灸”効果であり、政権交代への期待とはいえまい。

なぜなら、政権交代できる政党は「反自民」ではなく、自民支持者をも”奪う”超自民である必要があるから。

なので今後期待したいのは、自民党を左右から挟撃できる国民民主党と日本保守党の連携だ。

前名古屋市長で「減税日本」の代表だった河村たかし氏の国政復帰に期待したい(氏は減税して税収を上げた)。

ポイントとなるのは、イデオロギーに基づく政策以上に、自民党が嫌がられたあの”体質”である。

クリーンな体質で、(イデオロギーに先走らない)地に足のついた政策能力のある政党を期待したい。


茶臼山高原に泊まる

2024年10月27日 | 

ワールドシリーズと日本シリーズと衆院選投票日が重なる今日、これらの日程が決まる前々から予約していた愛知の屋根・茶臼山高原の宿(休暇村)に泊まった(もちろん期日前投票済)。

主な要件は、私(自称、パワースポット鑑定士)が真正パワースポットと認定するカエル館(長野県根羽村)での科学的計測だが、茶臼山高原自体が愛知で一番好きな地なので、理由をつけて行きたい場所でもある。
※:認定の基準として、①客観(物理)的パワーが計測されること、そして②それが生体に影響を与えていることの2点。これらを満たさない所は「パワースポット」と認定しない。いわゆる”ご利益”はその地のパワーとは無縁。

なのであえて2泊する。
以前は2泊とも休暇村だったが、強気の価格設定に負けて、最近は1泊だけにして、もう1泊は麓の安宿(温泉)にしている。
物価は上がっているが、自分の給料は上がっていないから

今日はカエル館での計測は軽く済ませ、休暇村でのんびり過ごす。

夕食は、ビュッフェバイキングと具材を好きに選べる鍋。
ビュッフェには、マグロの刺身と浜松餃子(もやし付き)とエビ天があるので満足。
ちなみに珍しくイナゴの佃煮の皿もあった。

中部地方に居を構えて30年以上なので、食卓にイナゴ・蜂の子・ザザ虫(ヘボ)を見ても動揺せず、むしろ出たら抵抗なく口に入れる(土産に買って帰るほどではない)。
なにしろ、昆虫はエビと同じ節足動物なのだ。
なので「昆虫食」ではなく「節足動物食」というカテゴリーにすればいい。
そんな私でも未だ鳥肉には手を出さないが。

鍋にも、野菜・きのこ、牛肉・豆腐などを入れ、結局これらだけで満腹となる。
すなわち、ご飯・スイーツ類には手をつけない(糖質は餃子の皮、脂質はエビ天の衣程度)。
なので、満腹になっても体重は増えない。
ここの夕食では、地酒を飲むのも楽しみ。

食後は、日本シリーズと衆院選の開票結果を眺める。
どちらも、予想(期待)通りの結果になったようだ。


CS不要論に物申す

2024年10月26日 | 時事

奇しくも、メジャーリーグのワールドシリーズと国内プロ野球の日本シリーズが同日スケジュールで進行する。
土曜に用事がなくなったので、昼はドジャースのサヨナラ満塁逆転ホームランを観て、夜は日本シリーズの中継を観ている。

その日本シリーズだが、セリーグ3位のベイスターズがCS(クライマックスシリーズ)で首位ジャイアンツを破ってセリーグ代表として、ホークスと戦っている。

そのセリーグのCSだが、ペナントを制したジャイアンツと8ゲーム以上の差があった3位が勝ち抜いたことに、今回も批判がが出ている(ベイスがこうなる度に批判が出る)。
これではペナントレースの意味がないと。

その批判は、ペナントレースを日本シリーズよりも優先する論理だ。

ここであえて、日本シリーズを最優先する論理を示してみる。

プロ野球の年度総決算を日本シリーズに据えるなら、日本シリーズは、両リーグの最高度の激突(勝負)であるべきだ。
すなわち、過去の順位でなく、実際の試合において相手リーグの代表を倒せる”勢い”、客観的には選手たちのコンディションの良さが優先される。
それを確認するのがCSとなる。
たいていはペナントを制したチームがCSを制しておかしくないが、勢い(コンディション)が下降気味だと、リーグ代表として日本一を争うには心もとない。
あくまで”日本一”こそ、その年度のチームが目指す頂点なら、ペナントの優勝の価値は次善のレベルとなる。

高校野球に当てはめれば、県大会(県代表)と甲子園のどちらを上位に置くかに相当する。
スポーツなら、より上位に目標を設定すべきであることは論を俟たない(大谷自身がそうだった)。
すなわち、日本一を争うにふさわしい(勢い・実力のある)チームが日本シリーズを戦うべきで、そうなるとペナントレースはその一次予選(参考)という位置づけになる(そしてCSは二次予選)。

私にとって、あまり興味のない日本のプロ野球はずっと前からこの解釈で、なので観るのはCS以降だ。

今回の日本シリーズでは、個人的にはベイスを応援したいが(セリーグでは2番目に応援)、ホークスが負けると、パリーグ1位がセリーグ3位より下(セリーグ4位と同等)となってパリーグのメンツ丸潰れになるので、実力通りホークスが日本一でいい。


不在者投票してきたが

2024年10月21日 | 時事

第50回衆議院選挙の不在者投票してきた。

民主主義国家の主権者の一人として意地でも棄権しない(=独裁政治を認めない)ためだが、地方区は”入れたくない政党”ばかり、すなわち相対的基準でも選択できなかったので、やむをえず白票を投じた。

私は、”お灸を据える”ためとか、”死に票にしない”ために、投票先を選ぶことはしない。
自己の信念に背いた投票は有権者として不誠実である。
実際、過去に”お灸を据える”ために投票して後悔した人はたくさんいるはず。

比例区は入れたい政党名を書き、最高裁判事の審査はいつも通り全員×。

減税を端から選択肢に入れない政党(3つある)は選択外、ただし聞こえがいいだけの”消費税廃止”には与しない。
”国民”のための地に足がついた政策を出せる政党に期待したい。

判事の国民審査は全く形骸化しているので、せめて真剣な審査結果のボーダーラインの底上げに貢献したつもり。
実際に否認される判事が出たら、慌てて制度を変えるかも。


露点温度が10℃を割った

2024年10月21日 | お天気

東京で日中に30℃を記録した19日の夜から20日の朝にかけて、(東京も愛知も)露点温度が20℃から急降下して10℃を下回った。
露点温度がこんな値に下がったのは夏以来初めて。
そして21日もそれを維持している。

露点温度は、(日内変動する)太陽放射の影響を受けない温度指標として、暖気・寒気の移流の指標に使えるのだ。
すなわち、冷たい空気が大陸から入って来たことを意味する。

統計的に、日の最高気温の3/4は露点温度+10℃に収まるので、最高気温が20℃を下回る気候になったとみなせる。
ということで、20日からやっと秋(平年並み)の気温になった。

今後は露点温度は10℃台を維持し、さらに1桁に下がっていくだろう。
そうなったら”冬”の始まり。

点温度が0℃に


念願の”まんだら堂やぐら”訪問

2024年10月20日 | 東京周辺

高校時代に"鎌倉"を好きになって以来、鎌倉の名所(寺社)は、北は今泉不動、東は十二所神社、西は龍口寺、南は光明寺に囲まれた内側の、道脇の祠から、民家風の小さな寺までほとんど行き尽くしているのだが、唯一行きそびれていた所がある。
南の逗子との境にある「まんだら堂やぐら」(写真)。

鎌倉地方でここかしこにある”やぐら”(鎌倉石を掘削した墓地)が密集した、いわば中世の共同墓地(霊園)で、鎌倉で最大のやぐら群を形成している(国史跡)。

高校時代からその存在は知っていて、まず名前に惹かれた。
そしていつしか、その地に、人々が気楽に立ち寄って自己を見つめ直せる「まんだら堂」を建てたいという夢さえ持つようになった。

かように私の心の中に確固と存在感がありながら、なぜ最後まで行きそびれていたかというと、
鎌倉市と逗子市の境の丘陵地帯というポツンと離れたロケーション的な要因が行くのを阻んだ第一要因だった(駅から遠く、一緒に巡る所もない)。

その間、おそらく夢で見たのだろう、「まんだら堂」がその地に建てられ、人々が集まっている、という認識が出来上がってしまった。

それでグズグズしている間に史跡維持のために非公開になってしまったのだが、つい最近、初夏と秋に限定公開されることを知った。
秋は10月19日から12月16日までの土日月。
幸い私の帰京の日程と合う。


ということで天気が回復した10月20日(日)、念願の地を訪れることにした。
11時前に鎌倉駅に降り立ち、昨日ネットで現地のアプローチと詳細地図は入手していたものの、
念の為駅前の観光案内所で、まんだら堂やぐらへの道を尋ねた。
係の女性は、鎌倉市の広域観光地図を渡してくれて、スラスラとバス停からの道を説明してくれたが、
別の人が、まんだら堂やぐらの詳細地図を出してくれた。

それによると、まんだら堂やぐらへは今から行く南のバス停からの道の他に、東の逗子から上がる道、西の安国論寺から上がる道(大町口)、さらに北の滑川から衣張(きぬばり)山を経由する巡礼道と四方からつながっていることがわかる。
ちっとも行きづらくはなかったのだ。

鎌倉駅からの最短ルートは3番乗り場から「緑ヶ丘入口」行に乗って終点で降りる。
便は1時間に2本の頻度。
山の中の谷間の終点で降りて、案内所で言われた通りに車道を少し戻る。
そこに「風麺」という山小屋風のラーメン店があり、ここで予定通り昼食をとる。
ネットでチェックした時は、かた焼きそばを予定したが、値段(予想の1.5倍)と時間がかかる理由で、一番シンプルな醤油ラーメンにした(830円)。
ラーメンは本来なら選択肢外なのだが、焼きそばとかチャーハン(せめてタンメン)がないので仕方ない。
だが久々に食べたラーメンは、それなりに美味しく、2枚のチャーシューが厚かった(ラーメンで困惑するのは一番味わいたいスープを飲み干せないこと)

さて、いよいよ目的地に向かう。
道路左側に広い石の階段があり、それが上り口。
階段を上がるとその先からは細い踏み跡で、急に心細くなる。
周囲には誰もいない。
観光客がオーバー気味の鎌倉だが、こんな所もあるのだ。
平坦で広い場所に出たので、「まんだら堂」を建てるならここがいいかなと思う。

水平の道と合流すると、右側に人一人がやっと通れる深い切通しがある(写真)。
名越の切通し」の第一切通しだ。
この水平の道が、幕府のある鎌倉から三浦半島に南下する古くからの道だったわけだ。
目的地は鎌倉側の左の道でそちらを進み、第二切通しを抜ける。
そして分岐を右に上がると鉄門が開いていて、目的地・まんだら堂やぐらに達する。

そこには受付のテントがあって、まんだら堂やぐらの最も詳しい地図と逗子市の観光地図を渡してくれた。
まんだら堂やぐら自体は逗子市に入るから。
入場無料だが、史跡管理のための寄付の箱があるので100円入れた。

目の前に広がるやぐら群(掘られた洞窟の中に五輪塔が並ぶ)を眺める(写真)。

説明によると、やぐらの穴だけで150以上あるという(埼玉の吉見百穴より多い?)。
A群からE群まであり、公開しているのはA・Bのみ。
江戸時代にすでに「まんだら堂」という地名になっており、建物の痕跡はなかったという。
また埋葬者には首を切られた人の骨もあったという。

背後の展望台に上がると、やぐらが上下に層構造になっているのがよくわかり、わが菩提寺の五百羅漢寺の霊廟の構造を思い出した(写真)。


やぐらを後にし、北に伸びる鎌倉市と逗子市の市境の山道を進む。
大町口の道から子どもたちを連れたママグループが登ってくる。
石製の廟が2基ある広場を越え、逗子の海が見える長い切岸(石切場跡)を越える道はハイキングコースなので、上の母子グループ以外はちゃんとしたハイク用の靴で歩いている(私はそうでない)。
周囲一の高点である「パノラマ台」に上がると、西に七里ヶ浜と稲村ヶ崎と江ノ島が直線上に並んでその上に箱根山が聳えている。

ここから往路を戻って、石廟の先で道標に従って左折し、逗子側の法性寺に降りる。
鎌倉側で法難に遭った日蓮が逃げ延びた(ママグループの来た道がその逃避ルート)という法性寺の奥の院を参拝し、そのまま道を下って逗子駅に達する。
帰りは気分を変えて京急で帰った。

これでやっと鎌倉は行き尽くしたといえる。