今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

はにわ展観てきた

2024年11月04日 | 作品・作家評

「文化の日」代休の今日、前から行こうと思っていた東博(東京国立博物館)の「はにわ展」。
混むのはわかっているので、開館の9時半めがけて出発するつもりだったが、入り口に着いたのはそれを過ぎてしまった。
案の定、当日券売り場は行列になっていたが、スムースに流れ、会場となっている平成館に向かうところで入館の長い行列の最後尾に加わる。
それでも同じく開催されているハロー・キティ展に比べれはマシな方か。
この行列も順次捌けていき、20分ほどで入館できた。


まずは2体の踊る埴輪(6世紀)がお出迎え。
展示は、ほとんどが撮影OKなので、私もiPadで撮影する。
展示の順を追っていくと、埴輪の原型である円筒埴輪が、弥生時代(2-3世紀)の儀式的器が下に伸びた結果であることが示される。
中でも愛知の円筒埴輪(6世紀、以下同)は、須恵器の材料で精巧に作られており、ここでも焼き物いや物作り先進地の面目躍如。

畿内の埴輪は権力者(大王)の権威を示すためのものだったが、それが関東に広まると、造形そのものを楽しむかのように、埴輪の表現力が開花する。

ここでまず見たかったのは、千葉出土の山高帽を被り顎髭を蓄えた男性像(写真)。
これを見ると古代のユダヤ人渡来説を信じたくなる。

今回の目玉は、群馬太田の1つの工房で作られた国宝級の武人埴輪5体の集結(見出し写真はその1体)。
これに群馬の観音塚古墳出土のもう1つの国宝武人埴輪も加わる(合わせて国宝2体、重文2体)。
後者は、群馬県立博物館でお目にかかり(→記事)、その際、映画『大魔神』のモデルと記したが、むしろ前者の全身武装の国宝武人埴輪(東博所蔵)の方が近い(同じではない)。
といえるのも、この埴輪を見ることがわかっていたので、三日前から映画『大魔神』シリーズ3作※を観ておいたのだ。
※:「大魔神」「大魔神怒る」「大魔神の逆襲」

さらに、本来の埴輪の目的から外れる、日常の母子を示した埴輪(写真)や、ただ笑っているだけの埴輪まで現れた(踊る埴輪も末期の作品)。

埴輪は古墳の主(死者)を祀る儀礼的なものから、当時を生きる人間の表現になったことで、現代人にも親しまれる存在となったわけだ。

さてミュージアムショップだが、埴輪が描かれたTシャツやトートバッグ、武人埴輪を模した室内着(兜のキャップ付き)などがあるが、私が欲しいのは埴輪のミニチュア・レプリカ(もちろん素焼)。
それが1つもなかったのが残念(山高帽埴輪とか巫女埴輪とか幾つかは持っている)