今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

乳頭温泉1

2008年09月11日 | 温泉

夏季休業もいよいよ終わりに近づき、そろそろ後期授業の足音が聞えてくる。
そこで夏期休業のしめくくりとして真の”休暇”を取ることにした。
慰労の意味もあるので、ちょっと遠目の温泉がいい。
夏だから東北、しかも北の方。

秋田県の東部仙北市は、蒸ノ湯・後生掛温泉・玉川温泉に、乳頭温泉郷という、温泉好きの間ではブランド的な名湯が集まっており、しかも両方とも秋田新幹線の「田沢湖」駅から路線バスで行ける。
田沢湖駅へはJR東日本の「秋田・大館フリーきっぷ」(7日間有効)を使えば、エリアの一番手前ながら片道1000円ほどお得。

玉川温泉には一昨年行った。
2年続けて同じ駅に降りる気はしなかったので、昨年は裏磐梯に。
そして今年は満を持して乳頭温泉に。

乳頭温泉といえば、よくある入浴剤の「名湯シリーズ」の中で乳白色のやつ。
私は入浴剤の色では乳白色が一番好きで、これぞ温泉って気分になる。
その湯が乳頭温泉なのだ(同じこの色で有名なのは信州白骨温泉、でもここは本当に入浴剤入れたからなぁ)。
もちろん臭いもこれぞ温泉を感じさせる硫黄。

ただ乳頭温泉という名は、この乳色の湯からではない(それなら乳温泉でいい)。
奥羽山脈上の”乳頭山(1478m)”の麓の温泉だから。
この山がまさにその形なのだ。
せっかく二泊するから、真中の日に登りたい。

さて、乳頭温泉はそれぞれ泉質が異なる複数の温泉が出ているので、”温泉郷”と名乗っている。
個別には、鶴の湯、大釜温泉、妙乃湯、蟹湯、孫六温泉、黒湯などからなる。
それらはいずれも古い湯治宿だったので宿泊できるが、実は私は、鄙びた湯場は好きだが、鄙びた宿は好きでない。
やっぱり泊るなら、ベッド、カーペット、冷蔵庫がほしく、トイレは洗浄器つきでないと。
それに適合するのは、このエリアの中にある「休暇村乳頭温泉郷(ついこの間までは”休暇村田沢湖温泉”という名)」。
しかも、この宿内に、鄙びてないちゃんとした温泉が二種類もある。
ロケーション的にも鶴の湯と大釜温泉などの中心部との間にあり、他の湯に立寄れる位置にある(巡回タクシーもある)。
食事も地元料理を生かしたバイキングというので、迷わずここに決定。
そして他の湯は日中に立寄ればいい。

まず、チェックイン前に、一ヶ所だけ離れている、しかも乳頭温泉の代名詞(乳白色の湯)である”鶴の湯”に立寄ることにする。
バス停から山道を歩いて行こうと思っていたのだが、
途中の「アルパこまくさ」前で、鶴の湯行きのマイクロバスが客を乗せて待っているのを発見し、急いでそれに乗り換えた。
このマイクロバスは鶴の湯と路線バスに乗り換えるこの場所との間を往復しており、立寄り客でも無料で利用できる(帰りの便は宿で予約)。
これで大幅に時間短縮できたので、ゆっくり湯につかろう。

殿様の湯治場だった名残の冠木門をくぐり(写真:時代劇に使えそう)
500円払って、まず内湯の黒湯・白湯に入る。
黒湯といっても湯は白い。
そして、いったん服を着て、外の通路に出て、すぐ近くの中の湯と露天に入る(乳頭温泉の写真は常にこの露天)。
通路脇に石で囲われた露天は本来は混浴らしいが、あまりにあけっぴろげなので、昼(立寄りタイム)は男ばかり(別にがっかりしてないからね…)。
ここは源泉掛け流しどころではなく、底から温泉がわき出て、あちこちに泡が立っている。
しかも硫黄の臭いなので、中でおならをしても平然とできる唯一の温泉といえる。

ただ、掛け湯をしないで入る者がいて、山奥のここにも客のモラルハザードを感じる(実は混浴においてもモラルハザードが起きているという)。
昔の日本人は、固定した社会だったが、その分モラルはしっかりしていた。

鶴の湯から宿の休暇村までは、遊歩道で50分ほど。
鶴の湯峡という谷をつり橋で渡り、キャンプ場を抜けて(キャンプ場内のルートが分かりづらかった)、途中道の中央に温泉がわき出ている所を通過して、乳頭山が正面に見えた野原を通ると休暇村。

チェックインして、まだ立寄り可の時間である、黒湯に行く。
遊歩道途中の空吹湿原は、脇に車道ができつつあり、危機に瀕している。
温泉郷の最奥、乳頭山麓にある黒湯は、立寄り時間が18時までと一番遅い。
混浴の湯は、ここもあけっぴろげで、外の工事現場からも丸見え(写真)
男女別の湯が新しくできて、そっちにも露天がある。
当然、客をこっちを利用する。
逆に混浴の湯は空いていて一人で占領。
ここの湯は飲泉もできる(便秘、糖尿向け)。

休暇村に戻って、ここの湯にはいる。
ここは炭酸水素塩で茶色の乳頭温泉と、単純硫黄泉で乳白色の田沢湖温泉の二種の湯があり、それぞれ色が違う。
浴室も東北の大浴場ぽく、大きな柱で屋根が高い木造で、築は新しいが趣きがある。
一日目で3ヶ所入った。