今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

乳頭温泉2:乳頭山

2008年09月12日 | 山歩き

9月11日の翌日は雨。
乳頭山登山をあきらめさせるのに充分な本降り…。
宿の周囲は森なので、雨の風景も捨てがたいが、これでは外出できない。
まぁパソコンもってきたから、原稿や講義ノート作りで時間を潰すか…
となかば諦めていたら、小やみになってきた。

天気図は確認していないが、北日本に雨がくる気圧配置でないはず。
なら西風が奥羽山脈にぶつかって雨になったんだろう。
それなら天気は午後には回復する。
これは予報士の分析というより、山をやっていた勘(下山後に分かったが、三陸沖に熱帯低気圧があり、岩手は大雨だった。やはり熱低が吸込む空気が西風となって奥羽山脈にぶつかったんだな)。
時刻は11時前だから、登り2時間の行程なら今から出ても遅くはない。
準備は昨晩しておいたので、思い立ってすぐ出発。
ただし、山頂でのんびりする暇はないので、昼食はとらないことにする。
すなわち、メシ抜きで山を往復する(昼食用のアルファ米は非常食として開封せずに持参)。
展望を楽しめないので、脱メタボのための”ダイエット登山”に目的変更したわけ。

黒湯を過ぎて、乳頭山の登山道に入る。
まだ小雨が続いている。
こっちから雨雲に近づいたわけだから心配しない。
沢沿いを進むと、対岸に湯煙が立ち上がり、源泉になってる溶岩ドームが出てきた。
さらに奥にももう一ヶ所源泉の湯煙がたっている。
かように源泉が豊富なら乳頭温泉は安泰だ。

沢を離れて、傾斜が増して山腹の登りになる。
グリコーゲンを使わずに内臓脂肪を減らすため、筋力で登らず、ゆっくり有酸素運動で登る。
行く手から、大きなザックを背負った一人の下山者がやってきた。
私を見て「久しぶりに人に会った」という。
八幡平から秋田駒まで単独で縦走予定だったが、悪天候で、しかも明日の連休から仕事なので、予定を変更して乳頭温泉に下山するという。
自分も彼のような本格登山をいつの日か再開できるだろうか。

森林限界を超え、草原になる。
雨は完全にやんだが、周囲は白いガス(雲)の中。
気温は12℃だが、風が強く(風速10m)、体感温度は9℃。
半袖だと寒い。
強風の中、何も見えない山頂についた。

小さな祠と剣が奉納してある(写真)。
寒いので雨具をはおる。
非常食用のチョコレートを2,3切れかじって、ペットボトルの水を飲んで下山。
まぁ、脱メタボ祈念登山だし、寒い中雲がとれるのを待つ気がしない。
どんどん降りていくと、雲が切れはじめて、稜線北側の田代平(たしろたい:田んぼのような湿原という意味)の平原が見えてきた(初めての展望)。
たぶん、これから雲があがっていく。
このまま来た道を下ると、沢沿いの展望のない道になるので、
ちょっと遠回りになるが田代平経由の道(立寄り予定の孫六温泉に降りる道)にして、田代平で雲が抜けるのを期待しよう。
田代平に降りると、期待通り、雲は上がって、陽が差しはじめ、背後の乳頭山も全貌を見せてきた(写真)。

最高峰の秋田駒だけは雲をかぶっているが、奥羽山脈北方の八幡平方面や、田沢湖も一望。
待望の展望を得て大満足。
湿原の拡がる山の上は別天地でいいなぁ。
この幸福感は登山者にしか体験できない。

孫六温泉に降りたって、そこの3つの風呂に入り、蟹温泉にも立寄ってこちらも3つの風呂に入った。
あと残りは2つの温泉だが、これらはもう立寄り時間が終わっているので、明日に残しておく。
結局、予定通りの行動ができた。
登山の後の夕食はビールにバイキング。食うぞー!(脱メタボは?…)