松阪駅の西側の旧市街に行く。
週末の日中だが、駅前のメインストリートは人影もまばら。
仏壇屋があるせいか、ただよう香のかおりが、外からやってきた者に街の匂いを印象づける。
目につく方は、「松阪肉」の文字。
この文字を掲げるのは、大は有名な「和田金」・「牛銀」から、小は小売の肉屋・弁当屋まで様々。
人も車も少なく、店も個人経営が多く、落ち着いた風情ともいえるが、
大都市の隣県の県庁でない小都市の旧中心部にありがちな停滞感、
いやむしろゆるやかな衰退感を感じてしまう。
大都市へのストロー現象と、小都市内部のドーナツ現象が重なっているのだ。
裏通りに入ると、松阪商人の家が、公開されている小津家以外にも並んでいて、小江戸的風情を感じる。
松阪城趾の石垣の間を登っていくと、町を一望に見渡せる高台に出る。
そこには梶井基次郎の文学碑がある。
梶井は、この地に滞在し、しょっちゅうここに上がって、町を眺めるのが好きだったという。
それが『城のある町にて』という作品になっている(ダイソーの100円文庫で読んだ)。
だが、今の風景では彼も作品にはしなかったろう(写真)。
あちこちに突出している四角い鉄筋のビルのなんと無粋なこと。
マンションや役所だけでなく、自分が泊まっているホテルも風景の無粋化に貢献している。
それに対して、民家の瓦屋根は、三角形という基本を保った中にも、
入り母屋・寄棟・切り妻とそれぞれ意匠を異にして個性を出している。
四角柱だけのつまらないビルと違って、柱形の上に錐形の屋根が乗るという四角と三角の組合せがいい。
四角い案内板にも三角の屋根がついているるだけで、味わいがでる。
城内にある「鈴屋」旧宅はもちろん、その隣の建物も民俗資料館も、木造建築として文化財的価値があり、
そのまま明治村にあってもおかしくない。
本居宣長記念館では、宣長が勉学に疲れた時、気分転換のために作ったという「柱掛鈴」の小型版を購入。
部屋に飾って学者宣長をしのぶことにする。
さて、夕食だが、
こう「松阪肉」の看板を見せつけられると、せっかく地元なので奮発してみるか、
と気も誘われるのは確かだが、
一食1万円以上の特別料理を、一人で黙々と食べるのもかえって空しさが増すもの。
実は、先月、実家の家族で松阪肉+類松阪肉(こっちがメイン)パーティをやったばかりで、
さらに今月は、同じメンバーで松茸パーティもやった(いずれも家族の誕生会を兼ねて)。
なので食の贅沢にあえてこだわる気もなく、
むしろ商店街の大衆中華料理屋のメニューに載っていた好物”カタ焼そば”に心引かれた(650円)。
帰りに駅の売店で、「松阪肉入り」というレトルトカレー(1050円)を買って、
地元で松阪肉を買ったことする。
今では100円ショップで買えるレトルトカレーだから、1000円というのは超高級品。
松阪といえども、そうやたらと本物の松阪肉が使われているとはかぎらない。
使っている場合はきちんと「松阪肉」と銘打ってある。
そうでない場合は、たとえ「松阪名物」とあっても「黒毛和牛」という表示になる。
土産を買う時は、よく確認しよう。
週末の日中だが、駅前のメインストリートは人影もまばら。
仏壇屋があるせいか、ただよう香のかおりが、外からやってきた者に街の匂いを印象づける。
目につく方は、「松阪肉」の文字。
この文字を掲げるのは、大は有名な「和田金」・「牛銀」から、小は小売の肉屋・弁当屋まで様々。
人も車も少なく、店も個人経営が多く、落ち着いた風情ともいえるが、
大都市の隣県の県庁でない小都市の旧中心部にありがちな停滞感、
いやむしろゆるやかな衰退感を感じてしまう。
大都市へのストロー現象と、小都市内部のドーナツ現象が重なっているのだ。
裏通りに入ると、松阪商人の家が、公開されている小津家以外にも並んでいて、小江戸的風情を感じる。
松阪城趾の石垣の間を登っていくと、町を一望に見渡せる高台に出る。
そこには梶井基次郎の文学碑がある。
梶井は、この地に滞在し、しょっちゅうここに上がって、町を眺めるのが好きだったという。
それが『城のある町にて』という作品になっている(ダイソーの100円文庫で読んだ)。
だが、今の風景では彼も作品にはしなかったろう(写真)。
あちこちに突出している四角い鉄筋のビルのなんと無粋なこと。
マンションや役所だけでなく、自分が泊まっているホテルも風景の無粋化に貢献している。
それに対して、民家の瓦屋根は、三角形という基本を保った中にも、
入り母屋・寄棟・切り妻とそれぞれ意匠を異にして個性を出している。
四角柱だけのつまらないビルと違って、柱形の上に錐形の屋根が乗るという四角と三角の組合せがいい。
四角い案内板にも三角の屋根がついているるだけで、味わいがでる。
城内にある「鈴屋」旧宅はもちろん、その隣の建物も民俗資料館も、木造建築として文化財的価値があり、
そのまま明治村にあってもおかしくない。
本居宣長記念館では、宣長が勉学に疲れた時、気分転換のために作ったという「柱掛鈴」の小型版を購入。
部屋に飾って学者宣長をしのぶことにする。
さて、夕食だが、
こう「松阪肉」の看板を見せつけられると、せっかく地元なので奮発してみるか、
と気も誘われるのは確かだが、
一食1万円以上の特別料理を、一人で黙々と食べるのもかえって空しさが増すもの。
実は、先月、実家の家族で松阪肉+類松阪肉(こっちがメイン)パーティをやったばかりで、
さらに今月は、同じメンバーで松茸パーティもやった(いずれも家族の誕生会を兼ねて)。
なので食の贅沢にあえてこだわる気もなく、
むしろ商店街の大衆中華料理屋のメニューに載っていた好物”カタ焼そば”に心引かれた(650円)。
帰りに駅の売店で、「松阪肉入り」というレトルトカレー(1050円)を買って、
地元で松阪肉を買ったことする。
今では100円ショップで買えるレトルトカレーだから、1000円というのは超高級品。
松阪といえども、そうやたらと本物の松阪肉が使われているとはかぎらない。
使っている場合はきちんと「松阪肉」と銘打ってある。
そうでない場合は、たとえ「松阪名物」とあっても「黒毛和牛」という表示になる。
土産を買う時は、よく確認しよう。