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修業論 内田樹

非常に読みごたえのある1冊。武道における修行とは何か、瞑想とは何か、武道が目指すものとは何か、これらが本書のテーマだが、ここまでその本質のようなものが「文字」「文章」になっているのを読むのは全く未知の体験だった。先日読んだ「日本人全てが消費者=損得勘定でしか物事を判断できない人=幼児性を残して大人になってしまった人」という論調の作者の本などは、本書が言わんとするところのごく一部、本書で書かれた考えを日本社会に当てはめた簡単な応用問題のようなものだということが良く判った。こういう本を知的な本と言うのだろう。今までに読んだ新書の中でも飛びぬけた名著だと思う。(「修業論」 内田樹、光文社新書)

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