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疾風ロンド 東野圭吾

この文庫の東野圭吾の文庫書き下ろしシリーズの第2弾。スキーゲレンデを舞台にした軽めのアクションストーリー、先の読めないミステリーのテイスト、程よい感じのドタバタ振りが売り物のシリーズだ。話としては、最初の方で、事件の張本人があっけなく死んでしまうという、びっくりするような展開。ストーリー全体の現実感はかなり乏しいし、主人公の親子の関係などもベタな感じだが、とにかく読んでいて楽しい。最後にお馴染みの2転3転のサプライズが用意されているのもお決まりのパターンだが、しっかり騙されてしまった。全体に無駄のない展開で、編に話を引っ張るようなところがないのも嬉しい。さらに、中年層の読者を意識しているのだろうが、昔のスキー場と今のスキー場の違いとか、スキーブームの大きな波の谷にある現在のスキー場事情などがかなり詳細に描かれていて、それを読んでいるだけでも得した気分になれる。(「疾風ロンド」 東野圭吾、実業之日本社文庫)

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