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未来予測を嗤え 神永正博

有名人二人の対談集というのは、大変面白いか全く面白くないか、どちらかということが多い。本書は、明らかに自分にとっては前者で、大変面白かった。対談集が面白くないケースは、何の準備もなく単なる思い付きがだらだらと語られるだけだったり、対談する二人がお互いを誉めあうばかりだったり、というケースが多い。対談する人が有名であればある程、読者の方も「忙しい人だから準備不足は仕方ないなぁ」とどこか許してしまうところがあり、そうしたことへの甘えのようなものが言葉の端々からにじみ出てしまうのではないかと思う。本書の場合は、そうしたこともないし、一番読んでいていやなお互いが相手を持ち上げるということもなく、同じ意見かどうかにかかわりなく、それぞれが持論を述べあっているようで、それが却って気持ちよく読めた理由のようなきがした。これは、対談ということにあまりこだわらない編集方針と、2人の意見を引き出す司会者役が良かったからではないかと思う。内容的には、対談者の思考回路や感性の自分との違いに驚かされたり、なるほどと思うようなことも多く、大変面白く読むことができた。(「未来予測を嗤え」 神永正博、角川oneテーマ21)

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