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言葉尻とらえ隊 能町みね子

本書は、何気ないネットでの呟きや広告のキャッチコピーから見えてくる発信者の意図や深層心理を巧みにあぶり出すエッセイ集。コンセプトがドンピャリなので、これまでに読んだ著者の本の中でも特に著者の言葉に対する感覚の鋭さが際立つ一冊だと思う。ここまで鮮やかにあぶり出されてしまうと、発信者側としては当たり障りのない表現しか出来なくなってしまうところだが、それでも著者は新しい標的を見つけてくる。標的を見つける感覚、それに対する的確な分析、それを分かりやすく説明する文章力、三拍子揃っているからこその傑作だ。(「言葉尻とらえ隊」 能町みね子、文春文庫)

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