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美術展の不都合な真実 古賀太

美術に関する様々な経歴を持つ著者による「美術展」の舞台裏を分かりやすく解説してくれる一冊。題名に「不都合な真実」という刺激的な文言が使われているが、内容はさほど過激ではない。戦後になって成功した大きな美術展の歴史、東京を中心とした多くの美術館の役割分担、美術展における新聞社の役割など、色々な基礎知識が学べるとてもためになる内容だった。特に、昨年見に行ったフェルメール展の舞台裏などはなるほどという感じだったし、あいちトリエンナーレの事件の本質が、『毒のある内容を含む現代美術展を地域振興と取り違えてしまったことにある』という記述も確かにそうだなぁと納得。(「美術展の不都合な真実」 古賀太、新潮新書)
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