goo

プロ野球死亡遊戯 中溝康隆

モンスターブロガーと呼ばれる著者による野球愛満載のエッセイ集。読んでいて、野球に対する情熱とか思い入れよりも文章の面白さに惹かれる。これは、野球ファンには色々な人がいるということを前提に熱量をあえて控えめにしていることもあるだろうし、こういうのをネット時代の新しい文体と言うんだろうなぁと思わせるからでもあるだろう。内容は巨人軍の選手のことが中心だが、野球をほとんど観戦せず巨人軍の現役選手の名前を菅野というピッチャーが活躍しているらしいくらいしか知らない自分にとっては、やはりそれ以外の昔のスーパーヒーローに想いを馳せた文章が心に響く。思い起こせば、とにかく巨人が好きだった大学生まで、当時は経営学のゼミの合宿で勉強そっちのけでTVで巨人戦を見て王選手のホームランに熱狂した。社会人になってTVを見なくなっても家族に「巨人が負けると機嫌が悪い」と言われたことも。その後アメリカに仕事で赴任して野球よりも大リーグやアイスホッケーが好きになり、帰国後は巨人が負けても何とも思わなくなっていた。そう言えばプロ野球のTV中継がずいぶん減った気がする。本書を読んで、昔の熱中時代が妙に懐かしくなった。(「プロ野球死亡遊戯」 中溝康隆、文春文庫)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« にゃんくるな... 死者の輪舞 泡... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。