奥羽三楽郷

2010-07-28 21:40:59 |  7月の夏休み
東北地方は旅する機会が少ないので、訪れた事の無い温泉地がふんだんにあり、選ぶのに困りません。
個人的な感想ですが、泉質も温泉宿や施設の佇まいも珍しいものが多いような。
いつものように、次の目的地までの途上に良さげな所を物色し、今回は二ヶ所の温泉に入って来ました。

順番前後しますが、先に二つ目を紹介。
鳥海山を登り終えて、米沢に向かう途中、上山(かみのやま)温泉へ寄りました。
街中にある公衆浴場、下大湯共同浴場へ。
歴史はとても古いらしいのですが、建物は戦後建て替えられたそう。
それでもモルタル(かな?)の外観とタイル張りの浴室は、十分郷愁を誘う造り。
浴室内の注意書きが時代を感じさせる。
街の公衆浴場なので、お客さんは地の人がほとんど。
桶にシャンプーなど入れてたくさん来てました。
熱いお湯で、汗を流したのに、風呂を上がった後なかなか火照りが収まらず、また汗をかいてしまった。
車を止めさせてもらったお城の駐車場まで、涼みつつ下町を歩きました。

もう1日は旅の初日、延々と高速を走り、まだ明るい内に山形県に入って通りかかった湯野浜温泉。
海岸沿いにある駐車場に止めて、手近な宿に立ち寄り入浴させてもらえないか聞く事にしました。
入った所はなんかとっても立派な旅館で、綺麗に整えられた内庭や離れがあり、ロビーは高く広くお土産売り場も洒落て今風な宿。
フロントで問合せると、もう外来入浴時間は終わったとの事。
街に公衆浴場など無いか聞いてみると、温泉街の地図をくれて、親切に場所を説明してくれました。

薄暗くなった人気の少ない道を歩き、バス停のロータリー横にある鶴岡市湯野浜下区公衆浴場に到着。
公衆浴場にしては小さめで、ここはあまり特徴のない造り。
やはり地元の人がほとんど。
皆さんきちんと「こんばんは」と挨拶して浴室に入ってきます。すばらしい。
その時間、洗い場のカランは入れ替わり立ち替わりほぼ埋まり続ける盛況ぶり。
小さな町なのでみんな顔見知りのよう。
話が途切れません。
そしてそして地の人同士なので、方言100%、何を話しているのかまったく分かりません。
少しにごり、アクセントが逆の、流れるよう話される異国の言葉。
聞き取れる文節、いや単語すら一つもありません。
いやあ、遠くまで来たもんだ、と実感。
こんな瞬間に出会えるのも旅の醍醐味。
東北旅行の楽しみの一つです。

お湯はとても熱く、私はゆっくりゆっくりと体を沈めますが、他の皆さんは「シュッ」とか「むん」とか気合もろとも一気に首まで浸かります。
血圧に注意してくださいね。
後から分かったことですがこの二つの温泉、偶然にも奥羽三楽郷と呼ばれる温泉地の三つの内の二つだそうです。

<湯野浜温泉手前の日本海>