暗渠に潜る

2023-12-04 06:25:52 | その他旅行き
廃線跡の県境終点からの帰り道は川辺の道を歩く事にした。
手作りの標識によると玉野古道と呼ばれているらしい。
鉄道が敷かれるより昔は、皆この道を歩いて交易していたのだろうか。



こうしてみると、何もない自然の状態で山を越えやすいのは川原を歩くことで、通る人が増えれば多少の氾濫では流されない少し高い位置に道ができ、さらに上にトンネルを掘って鉄道を通す、という人の営みの変遷がよく分かる。
現代はさらに高いところに川の流れなど無視した直線的なトンネルを掘る時代。
そのうちトンネルすら必要なく、車が空を飛ぶ時代がやってくるのだろう。



川辺の道はところどころで廃線跡に戻っては離れして続いていた。
この道沿いにも廃線跡に関係する遺構がある。
沢を越えるのに橋をかけるのではなく土で埋め、水の流れはトンネルを作って水路とした暗渠である。
これもレンガ製で、縦穴と横穴が繋がっている。



縦穴は上から覗く事ができ、廃線跡のマルシェ駅にある。
玉野古道からは横穴の中に入れるそうなので、入ってみる事に。
入口は狭く、梯子を使って降りる必要がある。
順番待ちの行列ができていた。



縦長の水路は人がギリギリすれ違える幅で、天井まできれいにレンガが積まれていた。
奥行き19mらしい。
どんつきはマルシェ駅で上から見下ろした縦穴だった。
じっくり写真を撮りたい場所だったが、後から来る人に場所を譲らねばならないから、さくさく撮るしかない。
足元には薄く水が溜まっているので靴を汚したくない人は入らない方がよい。



川辺の道は最後にもう一度廃線跡に戻るのかと思っていたが、そのまま定光寺駅からやってきた道に繋がっていた。
もう一度トンネルを見たい気もしたが、そのまま歩いてしまうことに。
定光寺駅からその日宿泊予定の多治見駅まで電車に乗った。





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