栄螺(サザエ)
【語源】
「ささ」は小さい、「え」は家にあるとのこと、つまり「小家
(ささえ)」が転じてサザエになったという説が一つ。
「小さな柄のようなもの(角)を多くつけた貝」である事から来
ていると言う説もあります。
古くは、細枝家(さざえ)といい、今も方言として残っています。
また「栄螺」の字の由来は、「螺(にな)」が巻貝を意味し、表面の角
がいかにも栄えているように見えることからこの字が組み合わされた
と言われています。
サザエのウニ和え
【旬】
サザエは地域によって旬も形も微妙に違ってきます。
角はサザエのトレードマークですが、角が大きいもの、小さいもの
から、まったくないものまで存在します。
これは種類が違うわけではなく、育つ環境によります。
外海の波の荒い岩礁に住むものは角が長くなり、内海の波の静かな所
に住むものは短くなります。
荒海では、角を岩に挟んで流されるのを防ぐが、内湾ではその必要が
ない為・・・・と言われています。
ちなみに、角(つの)のない内湾物を「つのなしサザエ」とか「丸腰
サザエ」と呼びます。
サザエの旬は磯の香りが強くなる、春から初夏と言えるでしょう。
右側のサザエはツノが、ほとんどありません
【丸腰サザエと日蓮の伝説】
日蓮上人が布教のため、千葉から海を渡って鎌倉に旅立った際
(1253年)、浜が遠浅で船が進まずに難渋し、村人が上人を背負っ
て岸辺までお連れしたそうです。
その時、村人の足がサザエのツノで傷つき、出血しているのを見た
日蓮は、お題目でそのツノを封じたと言われています。
それ以来、この横須賀の米ヶ浜で獲れるサザエはツノがないという
伝説が残っています。
【うんちく】
日本海側では新潟の飛島、太平洋側では千葉の外房から、九州に
かけての沿岸各地と朝鮮半島南部や中国大陸沿岸に分布します。
特に外海に面した岬や半島の先端にある岩柵や岩の下、岩礁の亀裂、
大型海藻の生え際などに多く生息します。
産卵は、初夏から初秋にかけて産卵し、特に水温が20℃前後から
急激に25℃に上昇する時期に産卵します。
外房では7~11月、新潟で8~9月、下関で6~8月にかけて
産卵します。
3月3日の「ひな祭」に、ハマグリやサザエを供える風習がありま
すが、もともと関西はハマグリ、関東はサザエだったと言われてい
ます。
左側のワタの最後の部分は緑なので雌です。
【雄・雌・色】
サザエは食べている海藻によって殻の色が異なります。
テングサを食べていると緑褐色、アラメを食べていると殻は黄色味を
帯びます。
また、殻の、らせん状の層は6階建て。その中にある身の末端(苦味
のある腸のその先)は生殖巣。
この生殖巣がクリーム色なら雄。緑色なら雌です。
フタにある渦巻状の模様・・・筋の数で年齢もわかるとか・・・。
次回サザエを手に取った際は、じっくり観察してみてください。
サザエのお刺身
【ブランド・産地】
漁獲量では、長崎県がトップで山口、新潟、島根と続きます。
ブランド化はされていないようですが、マグロ君のお勧めは、
千葉県白浜町の、め突き漁で獲られるサザエです。
長い柄の先が三つ又にわかれた物でハサミ獲る漁法。
荒波に小船を浮かべ、箱眼鏡で水中をのぞきなが、この柄でハサミ
獲る姿はまさに職人技。
刺網漁で獲るサザエに比べ、活きの良さは格段に上です。
サザエの壷焼き
【産地ならではの漁師料理】
サザエの醍醐味は、壷焼きでしょう。漁師さんも浜で火をおこし、
直接、殻ごと火にかけます。グツグツいい出した頃に酒と醤油を
少々・・・。シンプルですがこれが一番美味い。
磯の香りと歯ごたえを楽しむなら、刺身。鮮度の良いものは
ハラワタも刺身でいけます。
このハラワタは熱湯をサッとふりかけ、、二杯酢やぽん酢で食べてもよし。
また、醤油と砂糖で甘辛く煮ても美味しいです。
酢の物なんかも漁師さんに人気があるようです~。
【栄養と効果・健康】
摂取が困難なカロテンを多く含んでいます。
老化防止に効果のあるビタミンEもおおく、ミネラルではカリウム
・亜鉛が多いです。
また、動脈硬化を予防するタウリンの含有量は魚介類の中でもトップ
クラス。
多いといわれている、サバやマグロの血合いの2倍近くも含んでい
ます。
究極の健康食材と言えるでしょう。
鮑(アワビ)の方が、高級食材として認められていますが、旨み成分
であるコハク酸はアワビの2倍含有しているんですよ~。
サザエのにぎり寿司
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