絵=入澤光世「南瓜」
自民党の圧勝で選挙が終わった。結局、解散前と同じこととなった。
私は白票を投じた。白紙委任という言葉があるように、白票は現状を信任することとされているが、そうではなく、当該の選挙自体を無意味とする積極的な意味付けがあると思い、そうした。無効票の投票数の集計はあるが、白票の投票も今後ぜひ集計して欲しいものだ。
年をとり、マスコミや識者とやらがまき散らす、ろくでもない政治思想と無縁になったこともあってか、今回の選挙ほど自分の生活実感とかけ離れたものはなかったと感じる。国政選挙というのは、政党の施策を選ぶように見えて、実は利権を巡る権力闘争に明け暮れている政治家たちへの、信任するか否かの問題なのであろう。
アベノミックスにしてすら、そうだ。経済は独自の運動をすることから経済学という学問が生まれているが、その経済は政治と不可分だということを、マルクスが明言したのだが、日本のような先進国では、政治的な諸策が民間の経済に果たす役割はそれほど大きくはなく、巨大な経済活動の範囲内にほぼ収まってしまう程度の蠢動にすぎないことを、国民が理解したのだと思う。
ところで私は、現在の主要な課題は老人問題だと考えている。自分が年寄りだからではない。これは、制度としては、社会保障の問題であるが、同時に若者の問題でもあり、地方の疲弊の問題でもある。体系的というわけにはいかないので、折々、この問題に触れるつもりである。【彬】