今年は、8月下旬から9月初めにかけ、積乱雲がよく発生した。夕方になり夕日が雲に掛かるといい景色になった。
僕の、最寄り駅東小金井駅から自宅につながる、まっすぐ西に伸びる道がある。9月5日の夕方5時半頃この道を歩いていた。このときも沢山の雲が沸いていた。視線の右側の空に雲の隙間が出来ていて、そこから下に向かい虹がでていた。こいう虹は珍しいなと思い、視線を左側に移した。すると。雲の希薄な部分から強い光が発せられていた。よくよく見ると夕日の太陽そのものであった。このような夕日を見るのは初めてだ。青、ピンク、黄、の光色の波が太陽の円内で、揺らめいている。そして、火山の火口から溶岩があふれ出ているように外に流れ出ている。このような現象は肉眼で見られるものなのだろうか。現実のものとは思えずいつまでも見ていた。
この現象は普通に考えれば、雲の薄い部分に夕日が入り、雲の水分粒子に光があたり青や赤等の光として眼にとどいたのだろう。
僕は学生時代、北アルプスで、ブロッケン現象(自分の身体が、背後の太陽の光を受け、前方の霧に影が映り、その影が虹のリングで囲まれる現象)は体験した。もうこれ以上のものは無いとおもっていた。
だが今年の夏の体験はそれにおとらず驚きのであった。この夏の終わりに、心しびれる体験をした。おそらくこれは、写真ではうまく映らないだろう。光の動きが重要なのだ。映像クリエーターなら類似のものを人工的に作れるかもしれない。
とにかく、絵にしておいた。もちろん伝えられないが。
2016年9月6日 岩下賢治