のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

2022年4月の読書 はい2冊っ!

2022年05月18日 19時19分45秒 | ★★★毎月の読書まとめ
ぼろ鳶組シリーズ。手を出しておもいっきり嵌りました♪
こういう世界での江戸は初めてです。
面白いしこれがデビュー作とは驚きです。

4月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:888
ナイス数:265

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
初作家さん)ずっと前から気になっていた作品。読友さんにもおすすめされつつなかなか読めずここまできて。読まなかったの勿体なさ過ぎでした。これがデビュー作!?火消しと言えば、某将軍さまの映像作品に登場する「め組」くらいしか知らなかったからその世界がとても新鮮で、楽しめた。武家火消し。心を折られたひとりの武家火消しが立ち直り前を向くまでの物語。ぼろ鳶組万歳!で。火付盗賊改方長谷川平蔵まで登場したのには驚いた。脳内変換はもちろんかの方。どこか懐かしさを込めてあちらも読みたく、そして観たくなる。
読了日:04月22日 著者:今村 翔吾
塩の街 (角川文庫)塩の街 (角川文庫)感想
再読)マンガになってるそうで。偶然知って読みたくなる。読むとハマる。何度でも、ハマる。世界を救うなんてことではない。たったひとり。大切な人の為にだけ命をかける。それだけ。活字を読む楽しさを感じさせ思い出させてくれる作品でもあるな、と確認する。
読了日:04月08日 著者:有川 浩


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2022年3月の読書 とっても少なくなりまして。

2022年04月15日 16時22分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:959
ナイス数:249

ぶたぶたの甘いもの (光文社文庫)ぶたぶたの甘いもの (光文社文庫)感想
再読)なんでもない日常。ひとりひとり、それぞれの、その日常の中にひょいっと現れてそのままその一人の日常の中に馴染んでいく。そんなぶたぶたさんの世界がこの上なく好きだ。変わらない日々はない。変わっていくことについていくのがやっとの中で、力を抜いて甘いものでも食べようかな?と、柔らかく優しく包まれる。心の底からほっと、した。
読了日:03月27日 著者:矢崎 存美
ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)感想
再読)4回目。矢崎先生がひなまつりにちなんだ一冊ってつぶやかれていたことで、もー読みたくて読みたくて。読むともー3つのお店に行きたくて行きたくて!!笑。心がふんわりと浮かんで柔らかく包まれる感覚に、草臥れた現実が少し優しく変わる。もっとおかわりがほしいなぁ。そしてお寿司屋さんにも行ってみたい。さてこれは次もぶたぶたさん、かな。
読了日:03月12日 著者:矢崎 存美
レフトハンド・ブラザーフッド 下 (文春文庫 ち 11-2)レフトハンド・ブラザーフッド 下 (文春文庫 ち 11-2)感想
うーんうーーん。。私にはかなり物足りない。その先にあと2歩は踏み込んで欲しかった?どっちを向いても型通りで期待しすぎたかなぁ。帯の言葉に頭を傾げてしまう冷たいオンナ、です。スピード感は抜群でお話はとても読み易いから、こういう物語への入門には良い一冊かもしれない。主人公の性格、考えについていかれるなら、だけど。(私が入り込めなかった一番はこの主役くんに最初から最後までイライラさせられちゃったせい、です。お兄ちゃんはステキな人間…)知念さん作品でたまにある、私の感覚。
読了日:03月06日 著者:知念 実希人
レフトハンド・ブラザーフッド 上 (文春文庫 ち 11-1)レフトハンド・ブラザーフッド 上 (文春文庫 ち 11-1)感想
さらり、と読めるストーリー。知念さんで珍しくかなり危険な方向の主人公。それにしても本業のお医者さんが描くドラッグの描写は怖い。こうやってダメだと知っていてもはまり込んでいくのか、と。左手の兄との関係がどうなるのか。下巻に進む。
読了日:03月02日 著者:知念 実希人


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2022年2月の読書 大停滞中…

2022年03月01日 21時29分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ
2月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:870
ナイス数:190

乱鴉の島 (新潮文庫)乱鴉の島 (新潮文庫)感想
12年ぶりの再読)でしたか。なんかとてもイヤな感覚のみ覚えていたんだけれど、自分の初読感想に一部を除き頷く再読となりました。(人は死ななくていいよね(;_;)事件自体は実はとてもありふれている。けれどこの島に集まっていた目的というのがある意味とても難解で理解不能なもの。なんともいえない後味を残して読了しました。火村の追求の峻烈さは味わえるんですけどね。
読了日:02月21日 著者:有栖川 有栖
46番目の密室 (講談社文庫)46番目の密室 (講談社文庫)感想
再読)久々の、始めの一歩。雪の軽井沢は静けさの中にどろどろとした模様を描く。読む度にアリスの哀しさをおもう。そして天上の…46番目の密室は一体どんなものだったのだろう?と妙に気になる。あとがきで「火村とアリスに、どうかまた会ってやって下さい。」と結んでいる有栖川先生の言葉になんだかじんわりとあたたかくなった。そこから今まで。途中参戦だけれど追いかけられている幸せを感じる。いつでも何度でも。この先も会いたいです。そしてたまにまた、この密室に戻ってきたい。
読了日:02月09日 著者:有栖川 有栖

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2022年1月の読書 少ない少ないすくな〜いっ

2022年02月06日 21時02分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

絵本で「死」をテーマにすること。色々な考え方にふれて、その作品を読んで思う。

一児の母である娘の一言。

『「おばけになっちゃった」ってタイトルの時点で選ばないよ。』

これに尽きる。とやかく言うより、そこ。

幼い子たちにはそうしたい。



1月の読書メーター

読んだ本の数:5
読んだページ数:1181
ナイス数:309

またあおう (新潮文庫)またあおう (新潮文庫)感想
外伝2作目。若だんなの周りの妖や人々メインの短編集。それぞれの味わいを楽しみつつ、それでもやっぱり若だんなが恋しくなりつつ読み進む。中でもラストの「かたみわけ」これがしみじみ心に沁みた。あー、そうです。ね。人はいずれ向こう側に旅立つ。そのために残していく。出来うる限りの力と手立て。なんだかとても寂しくて、けれどもとても心強くて優しくて。妖たちの力添えも頼もしくて嬉しくて。最後に若だんなに報告しながらとても賑やかに過ごす風景が、幸せだなぁ、と心から感じた。いつまでもこのままで。。限りがあるからこその想い。
読了日:01月24日 著者:畠中 恵
このあと どうしちゃおうこのあと どうしちゃおう感想
図書館本)某もう一つの「死」をテーマにした絵本よりこちらを、とのコメントを目にして2冊図書館で借りる。なるほど、なんだかこっちはとても楽しい。ヨシタケさんの絵柄の力とことばの踊っている感じ。同時におじいちゃんの心を考えられる思いやり。素直にこのあとどうしたいかな?と考えて、死んだあとより今生きている時に沢山やりたいことあるね?と思う男の子の発想にも笑顔。優しい、楽しい、がある「死ぬこと」をテーマにした絵本だった。
読了日:01月16日 著者:ヨシタケ シンスケ
ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)感想
図書館本)うむ。。なるほど。これは大人が自分のために読むならいいかな。同時に柔らかな心を持つ子どもには、ただ辛い怖いだけになりかねない、かと。トラウマになった子の話にも頷ける。対象年齢を上げて欲しいという署名活動があるそうで、私はそっちに一票かな。「死」を目隠ししたくはない。でも強引な植え付けは望まない。そんな感じ。難しいけれど。特に幼い子にとってママはきっと特別な存在だから。
読了日:01月16日 著者:のぶみ
英国庭園の謎 (講談社文庫)英国庭園の謎 (講談社文庫)感想
再読)面白い。新作2作読む中でエラリー・クイーンが書かなかった英国タイトルのお話が触れられていてここに戻ったんだけれど、どの短編も楽しんだ。同時に、火村とアリスの関係というか2人の間の空気感がホームズとワトソンの空気感に重なってこれまたとても不思議な楽しさを覚えた。これは今BSで放送している「シャーロックホームズ」との比較なんだけど。クイーン、読みたいな。実家だな。裾野がどんどん広がる。次は何を読もう?(ロシア紅茶〜を読んでない気がする)
読了日:01月15日 著者:有栖川 有栖
狩人の悪夢 (角川文庫)狩人の悪夢 (角川文庫)感想
火村&アリスシリーズで悪夢というと、直ぐに思い浮かぶのは火村自身が長年見続けている悪夢。今回はその悪夢にアリスがちょっとした仕掛けをしてくれた。それは効くのかわからないけれど、少しでも火村の心が穏やかになる時間が増えればいいなぁ、と、願う。物語本編は悪夢を題材にしたホラー作で世界を魅了した作家の哀しい本当の姿と末路(端折りすぎ?)謎解きは火村の論理的思考。でも最終的に犯人を落としたのは有栖川有栖の作家としての感情だったのか、な。作品に罪はない。なんとか絶版にならず読み続けられますようにとラストで願う。
読了日:01月05日 著者:有栖川 有栖

読書メーター


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2021年12月の読書 火村&アリスシリーズに久々に踏み込む。最高!

2022年01月20日 09時28分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ
少ない。
どんどん読む量が減っている。
情けない〜

12月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1435
ナイス数:481

インド倶楽部の謎 (講談社文庫)インド倶楽部の謎 (講談社文庫)感想
前世を信じるインド倶楽部(アリス命名)のメンバー内に起こる殺人事件。なんとも突飛な出だしから始まる殺人と、それを紐解いていく火村と有栖、兵庫県警の刑事さんたち。有栖が気付いた「前世は昨日。来世は明日。そして現世は今日」火村の言った「現世での過ちは現世で質さなくてはいけない。来世に持ち越してはならない。」この事が深く強く印象に残った。それにしても倶楽部をある意味支配していた「彼女」が恐ろしい。こんなふうに洗脳することできるのか。そしてその支配下から抜けた後のこの倶楽部はどうなっていくのかな。
読了日:12月18日 著者:有栖川 有栖
えんとつ町のプペルえんとつ町のプペル感想
娘から贈られた本)一気に読む。話題になって絵に惚れて、でも内容は一切知らなかったこの作品。プペルってこの男の子じゃなくて隣にいるゴミ人間のことだったのか。お話はとてもシンプルで分かりやすい。でも、その読んだ(触れた)年齢できっと感じることが変わって、その時々で様々なことを発見したり見つけたり考えたり出来そう。かくいう私は。今回は文章に集中し、お話の先を思い途中から涙目。親ということ。子を思うこと。いろいろ考えつつ煙の向こうの光を見た時、胸がいっぱいになった。ゴミ人間に重なる想い。僕は何があっても君の味方。
読了日:12月11日 著者:にしの あきひろ
容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)感想
再読)シリーズ最新作からここへ。ガリレオシリーズ長篇1作目。学友でもあった湯川と石神という2人の天才が、お互いの頭脳を使って相対する、実は世間的にはよくある事件とその複雑化された謎と解。2人の天才のやりとり、物理学者と数学者の考え方。湯川先生の友人への想いとその為に苦しむ姿。そして何よりもラストの石神の慟哭が強く心に打ちつけられる。でもこれは一方で本当に深く純粋な愛情のお話でもあるんだな、と今回の再読で気付いた。ガリレオシリーズの中でも好きな物語と改めて確認。でも再読初めてだった。映像は何度も観てるのに→
読了日:12月08日 著者:東野 圭吾
沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)感想
読み進むうちにだんだん辛くなって先に進みたくなくなる。町の住人皆があったかく、優しい繋がりの中で支え合って生きていて、だから皆で悲しみ怒り苦しんできた、その先をこんな形にしてしまうのは…と。全てが終わった後、この町はどうなっちゃうんだろう、と。けれども、それをも包み込んで未来を見る。先に進める力をこの町は持っていたんだな。ラストまで来て漸くそう思えた。沈黙という名の罪。沈黙という形の約束。優しさ。ガリレオシリーズなんだけど、どこか加賀恭一郎を思い起こすそんな久しぶりの作品でした。
読了日:12月01日 著者:東野 圭吾


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2021年11月の読書

2021年12月27日 20時56分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

マゴくんに贈った絵本「うごきません」

これがなかなか味のある楽しい1冊なのです。


11月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1909
ナイス数:475

あなたのための時空のはざま (ハルキ文庫 や 10-13)あなたのための時空のはざま (ハルキ文庫 や 10-13)感想
不思議なタイトルだな、と思いながらページを開く。時空のはざま。当事者だけがわかる数字の羅列。日にちと場所。ネットの海の中にあるその場所に気付いた人が、それぞれに対峙する過去の一時が未来を変える。読みながら頭の隅で自分にはそんな時あるかな?と考えていた。ぼんやり生きてきた私では一生かけて忘れられない瞬間や場所はないけど、なんとなく引っかかる思いが留まる時空(とき)はある気がした。過去と出会ったそれぞれの人のその後の温かい涙、やるせない心。気持ちを揺さぶられながら一気に読み終える。時空。時と空間の不思議。
読了日:11月22日 著者:矢崎 存美
華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)感想
30周年再読)今回は「乗月」目当て。祥瓊のその後を、ということで。青将軍の月渓とかわす言葉の数々の中に、王へのそれぞれの感覚と重さを見て、この世界の有り様の複雑さを知る。「あなたの父上のものを盗む」何とか踏みとどまって欲しいと思うけど、自然の摂理には抗えない怖さ(芳の麒麟はどうなって…)戴国の幼い麒麟のひとときの優しい記憶、慶と雁の間を行き来する青い鳥が繋ぐお話、そして長寿な二つの国の抱える問題とそれに対処する姿、そこで長く生きる2人の思い。短編の中にもたくさんの世界を見て。小野主上。抜けられませぬ
読了日:11月20日 著者:小野 不由美
パパ、お月さまとって! (偕成社・ボードブック)パパ、お月さまとって! (偕成社・ボードブック)感想
マゴくんに)先日、サラメシで絵本の製本業の会社のお仕事を拝見し、この絵本の飛び出す部分は全て手折りしていることを知りました。言わずと知れたロングセラーの作品。普通の絵本も持っていますが孫くんにはまだ紙をめくるのがちょっと難しい。のでボード版を彼専用に。でも結局はお膝に乗って読んでもらって楽しんでました。久しぶりに読むとこんなに仕掛けがあったのか、とこちらも楽しみますね。
読了日:11月14日 著者:エリック カール
うごきません。うごきません。感想
マゴくんに)本屋さんで娘が一目惚れ。で、私も一目惚れ(笑)本当に動かないハシビロコウ。その周りをいろんな動物たちがびっくりする姿で行き交って、でも、動かない。絵柄も表情豊かで楽しい一冊。動かない彼(彼女?)が動く瞬間のインパクトも抜群です。
読了日:11月14日 著者:大塚 健太
風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)感想
30周年再読)人と人が出会い絡み合い繋がっていくこの怒涛の流れ。息継ぎの間がないほどの勢いの先にある、慶国主上の姿。「終章」での陽子の姿を見たいがためにひたすら突き進むように読んでいる気がする。諸官を前にきっぱりと言い切る姿の爽快感。頭を上げ前を見て、これから慶の国の新たな歴史が始まる。その最初の一歩を見る。まだ道は長く険しい。けれどもこの女王らば。そう信じられるのが嬉しい。気持ちの良い終わり方。
読了日:11月12日 著者:小野 不由美
風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)感想
30周年再読)陽子が。鈴が。祥瓊が。それぞれの世界、それぞれの立場、それぞれの心によって動き出す。今までで一番落ち着いて冷静に読んでいるけど、陽子の始めのもどかしさや苦しさ、自らへの評価に心がイタイ。そこから自分の力で踏み出せる彼女にこれまでの経験とそして強さを見るのだけど。他の2人も様々な出会いが凝り固まった考えをほぐしていく過程が好きだ。そして…だけど。。清秀。大切な命がたくさん。沢山散っていく…
読了日:11月10日 著者:小野 不由美
月の影 影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)月の影 影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)感想
30周年再読)下巻はいつでも一気読み。陽子が王としての覚悟を決めていく過程がいつも深い。自分の負の部分を見つめる事。忘れない事。その上で人々の上に立つ事。上に立つことは背負う事。さまざまな数知れない痛みと哀しみを背負って慶東国が始まる。気難しい麒麟と2人。本当にお似合いだな(は、先を知るものの勝手な目線)
読了日:11月05日 著者:小野 不由美
月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)感想
30周年再読)結局ここにも手を出してしまった。蒼猿の言葉が刺さる。どんどん過酷に追い詰められながら、それでも生きること、帰ることを手放さず頑なに進む陽子の姿に本来持っていたのであろう強さを見てなんだか安心する。それにしても巧王の酷い事。ここはどんなに読む回数が増えても嫌悪感だなぁ。
読了日:11月03日 著者:小野 不由美


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2021年10月の読書

2021年11月30日 21時10分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

10月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2029
ナイス数:470

丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)感想
30周年再読)シリーズの中で視点をガラリと変えて描かれた一冊。それぞれ毎回本当に心に響く。の中で今回は柳国の一章。表に見える重いテーマに毎回目がいっていたけれど、更に何か。王の意思が汲めない(見えない)ことがとても気になって。死なない命というものに人(元は人であった人たち?)の心が折れていく一つの形?別の場所で延王と奏の次男坊さんが会話していたのを思い出しつつ、その壊れていく何かが怖いなと思う。1人では支えられない国というもの。重い。雁、慶のお話の微かな光と確実な希望に救われつつ。(涙は必須)
読了日:10月28日 著者:小野 不由美
東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)感想
30周年再読)十二国記は読む順番でまた違う視点を与えられる。図南の翼から続けてここに来ると、とにかく更夜の心内が気になる。ここから400年。その間に延は妖魔も国の一員に認めてはくれた。でも彼は今、その国には居ない。この間の心の移ろいはいつも気になるのだけど、今回は。あのね。おおきいの、は、つまり400年は寿命はなかったってこと、なのね?居ないもの、ね?図南には?なんて、細かい細かい本当に細かいところがまたまた気になりあれこれ想いを馳せるのです。国が欲しいか。守るべき民のない国のなにが王だ。毎回彼らの言葉→
読了日:10月18日 著者:小野 不由美
図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)感想
30周年再読)読み終わってしまった。だんだん左の紙の厚さが薄くなっていくにつれて(いやだ〜読み終わりたくない〜)という心の声がどんどん大きくなり……。力一杯のわくわくに心躍り、エネルギーを貰い、読み終えて今思う。恭国のこの後。登極してからの彼女の戦いを知りたい、と。そこから更に時が経っても変わらぬあの気性だけれど、だからこそ、戦う彼女を読んでみたいなぁ。ほんと、読む度にどんどん欲深くなる困った思い。
読了日:10月15日 著者:小野 不由美
ゆっくり十まで (角川文庫)ゆっくり十まで (角川文庫)感想
今の私にぴったりだった。心をすくいあげてもらった。それを目的に選んだのだけれど。ほっこりふんわり。ショートショートだから短いし、短い中にきっちりと物語があるし、もう最高にほっと、できた。文庫版あとがき。体重計と消化器と脚立。ここから生まれたお話バンザイ!いつか脚立のお話も読ませてくださいね(^^) 単行本で読んだ時もそうだったけれど、やはり私は偏愛が好きみたいです。
読了日:10月10日 著者:新井 素子
むかしむかしあるところに、死体がありました。 (双葉文庫)むかしむかしあるところに、死体がありました。 (双葉文庫)感想
昔話をミステリーに、という発想が面白いかな、と手にしてみた。ら。想像以上にブラック。もっと軽いものかと勝手に思っていたので、どれも見事だとは思うのだけれど、読んでいるうちに辛くなって楽しむことが難しく気持ちが落ちてしまいました。読み切ったけれど、、私にはたぶん合わないのだな、と。まんが日本むかしばなしを、見たいなぁ。
読了日:10月05日 著者:青柳 碧人
久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫)久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫)感想
今回の内容は。正直言って犯人に対しての嫌悪感が強すぎて参った。これは、ダメでしょ。人としてダメ、で、そしてとても恐ろしい。鷹央ちゃんや小鳥せんせ、そして遂に本格的に統括診断部で学び始めた鴻ノ池、更に桜井、成瀬両刑事の総出演なんだけど、たまんなくテーマは苦手でした。そんな中で垣間見えた鷹央ちゃんの変化。相手の気持ち、心を思いやって気遣う姿はとても救いであり、小鳥せんせ共々、ああ変わってきている。良かったなぁとほっとできる一幕でした。ラストに救いがあったことは本当によかった。
読了日:10月01日 著者:知念 実希人


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2021年9月の読書

2021年10月22日 21時06分02秒 | ★★★毎月の読書まとめ

バタバタしていた1ヶ月。ついに3冊しか読めなかったのか……

有栖川有栖作品の魅力を再確認できたのは成果、です。


9月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1168
ナイス数:303

スイス時計の謎 (講談社文庫)スイス時計の謎 (講談社文庫)感想
再読)カナダ金貨の謎からの振り返り。有栖川有栖の同級生の事件ってなんだったっけかな?と。4つの作品はそれぞれに楽しめるけれど(彫刻家のお話は若干ニガテ)やはり表題作が一番惹かれる。有栖の高校時代のトラウマ?も描かれつつ、火村の悪魔的考察が一人の人物を追い詰める。そこは有栖と同様一旦飲み込んで考え直してなるほど、と納得できるものだったんだけど。今回はなんだろうな。それでも人はひと、なんだな。彼の中の本音の叫びが哀しいな。そうも感じた時間だった。
読了日:09月23日 著者:有栖川 有栖
カナダ金貨の謎 (講談社文庫)カナダ金貨の謎 (講談社文庫)感想
久しぶりの有栖川さん。久しぶりの火村&有栖シリーズ。なんだかまたまた久しぶりに「楽しいっ面白いっ」と思いながら各短編を読んだ気がする。別に最近の読書が苦痛だった訳ではなくそれぞれに楽しんで読んでいるけれど、なんていうのか、その楽しさと違う、懐かしい楽しさ?わくわくする、が近い?いやでもそうじゃないけどそうなんだよ、な楽しさ(言ってる本人が分かってません)で、本当に楽しく各作品を味わいました。トロッコ問題の一場面。火村の答えを有栖が思うところは、ああ、まだその答えを貰っていないなぁと思いつつ沁みる感覚。→
読了日:09月10日 著者:有栖川 有栖
さすらい猫ノアの伝説 (講談社文庫)さすらい猫ノアの伝説 (講談社文庫)感想
本屋さんでタイトル買い。「おめでとうございます!あなたのクラスはノアに選ばれました。」そんな出だしで始まる手紙を首に巻いて現れる一匹の黒猫。受け取った子どもが、そしてそのクラスがそこからどう変わっていくのか。忘れていることを思い出させてくれる猫は小さなきっかけを与えてそっとその場面を動かしてくれる。学校の教室。出会いと別れのその場所が心を豊かにしてるれる場所であるように。そんな作者の願いが込められた一冊。遠い日々、転校生だった自分を思い出しつつ、色んな感情を重ねながら読んだ。ノア。今はどこにいるのかな。
読了日:09月02日 著者:重松 清


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2021年8月の読書

2021年09月23日 16時31分49秒 | ★★★毎月の読書まとめ

8月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1925
ナイス数:438

ラブコメ今昔 (角川文庫)ラブコメ今昔 (角川文庫)感想
どんどん変わる世の中。変わりすぎている今。ブルーインパルスの展示飛行から自衛隊シリーズを読みたくなって、また、手に取る。様々な立場の自衛官たちの恋模様と仕事模様。根底にある「国を守る」という覚悟。それぞれの場所で頑張るのは誰でもおなじ。今のこの世界の中で読むとまた、いろいろな思いが過った。激甘〜と感じて読んだ初読の頃が懐かしい。
読了日:08月27日 著者:有川 浩
猫弁と星の王子 (講談社文庫)猫弁と星の王子 (講談社文庫)感想
確か完結していたよね?と思いつつ続編出ているじゃない!?と本屋さんで手にする。帯にある通り「おかえりなさい」でした。そして相変わらず色んなことを抱え込み、自らのペースで気がつくとあっちもこっちもまぁるく収まる。そんな百瀬弁護士とゆかいな仲間たちの物語でした。変わらないなぁと読みながら、今回は特にほんの少ししか出てこない方々(傍流の方々)まで、その生きる背景が垣間見えこの先も触れられていて、奥行きが一段深くなったように感じました。また、あとがきがたまらなく…。本編が吹っ飛んでしまいそうな、これだけで1作品→
読了日:08月23日 著者:大山 淳子
ボードブックおはよう、はたらくくるまたち (のりもの×キャラクター 【1歳 2歳 3歳児の絵本】)ボードブックおはよう、はたらくくるまたち (のりもの×キャラクター 【1歳 2歳 3歳児の絵本】)感想
マゴくんに購入)このはたらくくるまたちのおやすみバージョンを持っているってことで。優しいタッチの絵柄で働くくるまたちのお話が楽しく進む。それぞれの名前はきっちり正確。できることもちゃんと教えてくれつつ1日力を合わせて働く仲間に読む方も笑顔。たのしい一冊でした。
読了日:08月22日 著者:シェリー・ダスキー・リンカー
ボードブック よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃボードブック よるのきかんしゃ、ゆめのきしゃ感想
マゴくんに購入)優しい絵柄で夜走る機関車を描く。動物たちがせっせといろいろなものを貨物車に荷物を運び込む姿が楽しいね。2歳児でも自分でひらけるボードブック。
読了日:08月22日 著者:シェリー・ダスキー・リンカー
誰か―Somebody (文春文庫)誰か―Somebody (文春文庫)感想
物語の中心にいる姉妹のそのどちらにも何か違和感を持ちながら、主人公である杉村三郎の見聞き調べていく過程を淡々と追う。徐々に現れるそれぞれの様が何とも言い難く居心地悪く、あー宮部さんの現代物だ容赦ないよな、と思う。私なんで読んでるのかなと思いつつ(笑)それでもやめられずに読むのも宮部作品。人の表と裏。生と死。光と闇。闇の部分は平凡?な杉村自身にもあることで、彼の周りも気になりながら読み終えた。人を描写するその筆力に改めて唸らされつつ。次作も、読もう。
読了日:08月17日 著者:宮部 みゆき
てんげんつう【しゃばけシリーズ第18弾】 (新潮文庫)てんげんつう【しゃばけシリーズ第18弾】 (新潮文庫)感想
思いがけず夏に文庫本最新刊。短編連作5作品はそのあちらこちらに重なる場面があって、おや?と思っていたらそういうことでしたか。場久さんの力を借りて悪夢に入り謎を解こうとするやり方にも驚いたけれど、世の理りから逸れた行動はキチンと行った者に還るということでしょうか。久しぶりに於りんちゃんが登場でしたので、もう少し楽しい景色が見たかったなぁ。ああでも。若だんなよりも一足先に於りんちゃん、ちょっと大人になっていそう。かく言う若だんなも随分商い的視点も出来てきて、時の流れを感じます。
読了日:08月10日 著者:畠中 恵
カーテンコール! (新潮文庫)カーテンコール! (新潮文庫)感想
読友さんのレビューに惹かれて手に取る。久しぶりの加納さん。閉校が決まっていることを分かった上で入学した学生たち。なのに単位不足でこのままでは大学中退となるのを救済するために学園長が取った、かなりびっくりな半年隔離政策。外界との接触を断たれた上で徐々に明らかになるそれぞれの抱える事情。それは結局家族の在り方、集団の中の在り方につながり。。加納さんらしい日常ミステリを内包しつつ、実は病や屈折、本人の責ではない諸々が明らかになり、第一話では戸惑ったのだがその後のめり込んで一気読みになった。この先を生きるために→
読了日:08月02日 著者:加納 朋子

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2021年7月の読書 

2021年08月09日 10時48分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

懐かし過ぎる創竜伝。完結と知り初めてノベルス版を買う。田中芳樹せんせは、確か完結させるのは作家の務めと言うようなお話、されていたような?それにしても長かった。もう書いてくださらないかと思ってた。最後はバタバタ感否めないですが、この落とし所には頷けました。ただ、講談社文庫になってCLAMPさん表紙になるのが確実なら、そこまで待ったなぁ、とちょっぴり後悔。


読んだ本の数:5
読んだページ数:1600
ナイス数:269

再生(仮)再生(仮)感想
読みながら、自分自身の今までも軽く振り返ってしまった、くらい、重なる時間をこの人を好きでいた。いや、今も大好きです。知っていたこと、全く知らなかったこと。一冊の中に緒方恵美という人がどっしりと居た。当たり前なんだけれどね。綴られる文章(語り口のような)の隅々まで。ああなるほど、そうだったんだと思うことも沢山あって、そして。今までこうして声のお仕事を続けてくださっていることを感謝する。「声」に惚れたはじめての方。これからもお身体だけは気遣いつつ、前に進んで力をいただきたい。14歳のこころと共に。
読了日:07月30日 著者:緒方 恵美
創竜伝15 <旅立つ日まで> (講談社ノベルス)創竜伝15 <旅立つ日まで> (講談社ノベルス)感想
ホントに終わりました。3つの年号を跨いで、もうこのまま終わらないんじゃないかなと思っていたこの作品。本当にこれで終わりなんですね。最終章までほぼいつもの感覚で読んできて、六仙の「寿命があります」に自分でもびっくりするくらい切なくなりました。そして茉理ちゃんは同行はしないのか、、というところも。この終わり方しかないだろうと思うけど、なんだか残念な感覚もあり。でもこうしてきちんとケジメがついたことには満足です。小早川女史の最期にびっくりしてそして、座談会の会話に和んでシメましょう。…え?文庫も出るの?
読了日:07月21日 著者:田中 芳樹
創竜伝14 <月への門> (講談社ノベルス)創竜伝14 <月への門> (講談社ノベルス)感想
ドンパチドンパチドンパチ…。なんだか始めからから終わりまでこの一言で表せてしまう、ね。余りにも久しぶりで着いていけるかな?と思いましたが、主要人物(?)たちは出てくると思い出す、という形で把握できました。ノベルズ版は初めてなので脳内変換はCLAMPさんの4兄弟ですが、ついに世界中に顔バレしちゃいましたねぇ。さらりと読んで続きにいきます。ラストどーなるんだろ。
読了日:07月18日 著者:田中 芳樹
魔力の胎動 (角川文庫)魔力の胎動 (角川文庫)感想
最初は「ラプラスの魔女」の続きだと読み始めたら、逆。ラプラスに続く前夜譚のような位置の物語だった。なるほど、だから前作を知らずに読むとこの最終章の青江先生のお話は中途半端に感じるのか。第一章から四章までの主役、工藤ナユタとシリーズの中心人物、羽原円華。この2人の絡む各章の出来事と第四章での種明かしを楽しみ、そして最終章の温泉地での悲劇に胸が痛み辛く哀しくなり、そしてそのラストにニンマリ。私的にはとても読みやすくすんなりお話に入れてラプラスとの絡みも楽しめて良かった。ラプラスのその後は?と気になる、が。
読了日:07月16日 著者:東野 圭吾
ラプラスの魔女 (角川文庫)ラプラスの魔女 (角川文庫)感想
再読)本屋さんに続編があるのを目にして読み直し。そうでした。こういうお話でした。かなり忘れてた。自然現象、気象情報をほんの少し先でいい。確実に知ることができたら…と、つい昨今の現実を見廻して思ってしまった。その結果の一部を見届ける学者。情報源としての刑事。うーん。初読よりも印象が薄い。なんでかな?ラプラスの魔女になることを望んだ彼女のその先を読んでみましょう。
読了日:07月13日 著者:東野 圭吾

読書メーター


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2021年6月の読書 活字を追う意欲が途切れ気味

2021年07月16日 14時31分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

そんな時でも読める作品たち。

安定のぶたぶたさんはついに現実と重なったお話だったので少し警戒。でも杞憂だった。こんな世界でも、ぶたぶたさんは変わらずぶたぶたさん。更にこのシリーズを好きになった。

そしてデフ・ヴォイス。2作目。期待通りの読み応え。

木内さんももっと追いたい作家さんだ。


6月の読書メーター

読んだ本の数:7
読んだページ数:1580
ナイス数:344

ランチタイムのぶたぶた (光文社文庫 や 24-29)ランチタイムのぶたぶた (光文社文庫 や 24-29)感想
ぶたぶたさんにあたたかい家族があって良かった。今回は心の底からそう思う。「さいかいの日」彼が簡単なコンビニ食であれ哀愁を漂わせあまり楽しく食べていないように人から見られることって今まであった?それが衝撃で、そしておかず一つとふりかけごはんのお弁当を美味しそうに嬉しそうに食べる姿が重なって、ほんとうに、本当に家族があってよかった、そう思ったのでした。コロナ禍での今。それをストレートに描いた今回の作品。でもそれぞれが重くなり過ぎず、不自然な頑張りや気合もなく、そこにあり今を受け入れて先を見る。そんな日々を→
読了日:06月28日 著者:矢崎存美
龍の耳を君に (デフ・ヴォイス) (創元推理文庫)龍の耳を君に (デフ・ヴォイス) (創元推理文庫)感想
前作を驚き夢中で読み終えてからすぐ、この2作目が文庫化されて店頭に並んだ。が、なかなか手に出来なかったのは、とても面白い作品であるのと同時に、安易に開くと非常にしんどい作品でもある、と最初の作品で知ったから。今回は短編連作の形でミステリとして楽しめると共に、荒井とみゆきの抱える「家族」という形への葛藤という個人の心内のことから、ろう者全体の社会的な葛藤、そしておおきく障害をもつ人たちの立場まで教えられること、気付かされること、考えさせられることが沢山あった。聾という字の成り立ちに心を打たれ、また、→
読了日:06月24日 著者:丸山 正樹
みちくさ道中 (集英社文庫)みちくさ道中 (集英社文庫)感想
そのラストに胸を突かれて涙が堪えられなかった「幕末の青嵐」その誕生逸話にまず驚いた。小説家を目指した訳ではなく、ガイドブックのサイドストーリーからあの世界が出来上がったとは。木内さんはとても気になりながらまだこれと「茗荷谷の猫」の2つしか作品を読んでおらず、エッセイを読んで衝撃の連続。けれどその綴られるものは、作り出される物語の世界に通じる安心感と居心地の良さがあって、とても興味深かった。こんな道筋で作家になる人もいるのだなぁ。2作品と共に他の作品も是非とも読まねば。そして追わねばと思う。
読了日:06月15日 著者:木内 昇
ぶたぶたの花束 (徳間文庫 や 36-6)ぶたぶたの花束 (徳間文庫 や 36-6)感想
再読)一瞬んん?ベビーシッター業繋がりでなんでボディガード?と思って読み進めて納得。なるほどそう来ましたか。バラの花束くくりでほんわりふんわかな印象に油断していると、かなり、シビアで厳しい現実を突きつけてくるこの一冊。妖精さんは本当に読み進める間に深呼吸して落ち着かないと居られないつらい一章。そしてラストのお話のタイトル。個人的には青い薔薇は人類の永遠の夢のままであって欲しいなぁ、と思うのです。って、お話はぶたぶたさんがぬいぐるみ作ってるっていうもふもふふわふわの物語なんだけれど。
読了日:06月07日 著者:矢崎存美
MOE(モエ)2021年7月号[雑誌] (最新ロングインタビュー 絵本・童話 中川李枝子「ぐりとぐら」特別ふろく 「ぐりとぐら」MOEオリジナルクリアファイル)MOE(モエ)2021年7月号[雑誌] (最新ロングインタビュー 絵本・童話 中川李枝子「ぐりとぐら」特別ふろく 「ぐりとぐら」MOEオリジナルクリアファイル)感想
エリック・カールさんの訃報を聞いた時、今回の500号にイラストとメッセージを頂いたばかりでした、との編集部さん?のお悔やみの言葉を目にして手に取る。エリック・カールさんのメッセージをしんみりと、あたたかく読み見つめ、他のページもめくると、子どもの頃からの懐かしい絵本から最近の方々の絵本まで思い出と楽しさが溢れる一冊でした。各先生方の言葉も本当に金言。作品を愛して、世界を愛して。これからもずぅっと絵本は子どもたちに「初めて」を届けてくれる大切なもの。もちろん大人にも手放せない世界。ずっと愛する分野、です。
読了日:06月06日 著者:
NNNからの使者 猫だけが知っている (ハルキ文庫)NNNからの使者 猫だけが知っている (ハルキ文庫)感想
再読)思えばこの一冊から私の通勤路が変わったんだよな。植え込みの下から母猫と子猫数匹出てきた時にはホントに驚いた。その近辺を猫さん小路と勝手に呼んで通っているんだけど、最近はなかなか会えなくなって寂しい限り(通勤時間が変わっちゃったからか、古い家が建て直されているからか。そもそも野良猫さんは滅多に見かけない地域だし。)このシリーズは読むたびにあったかい気持ちにさせてくれる。NNNにはロックオンはされない立場だけど、ね。
読了日:06月03日 著者:矢崎存美
ぶたぶたのシェアハウス (光文社文庫)ぶたぶたのシェアハウス (光文社文庫)感想
再読)そうでした。ぶたぶたさん一家の謎に触れられているのは覚えていたのですが、あちらの方々(ミケさ〜ん♪笑)との繋がりもあったんでした。一度行くとその後もまた不思議と足が向いてしまう。いつの間にか繋がりが出来ていく。そんな場所。あったらいいのになぁ、と思ってしまいます。ぶたぶたさんの住む町がちょっと、いやものすごく羨ましいな。
読了日:06月02日 著者:矢崎 存美

コメント (2)
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2021年5月の読書 

2021年06月13日 22時10分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ
同じ作品の1巻なのに表紙が2種類。そして新刊情報(単行本)が重なって1巻を2冊買いしちゃったと、一冊娘から貰った今月の初作家さん。
独特の言葉の選び方や運び方に馴染めないまま読み終えて、続きはいいかな、なのだが、娘は気に入っている。この感覚の違いはもしかして、わたしが新井素子に出会った時と同じなのでは?と、ふと、考えた。
掬い上げる懐の広さ、大きさ。柔らかさがなくなってるかな、と。
んー。うまく言えない。
ただ、こんなことを感じさせた作家さんは初めて。何というか馴染むとクセになりそうな何か、を感じたんでした。

読んだ本の数:9
読んだページ数:2841
ナイス数:416

ぶたぶたは見た (光文社文庫)ぶたぶたは見た (光文社文庫)感想
再読)ぶたぶたさんがベビーシッター業から広がって家政夫業も始めているシリーズ関連(ややこしいな笑)で手に取る。あーそーかこんなお話だったか。家政夫業よりもむしろ探偵さんの方向に活躍、というか緩衝材役というかなんというか。そして長編なのが今はなんだか珍しく思う。こうなった動機も行動もドン引きで怒りすら感じるのは親だから、なのだけれど、二つの家庭がそれなりにほのぼのと丸く収まっていくのはよかった。家族八景パターンの「ぶたぶたは見た」をもっと読みたいなと思う。ってか「出張料理人ぶたぶた」はそのパターンですね。
読了日:05月31日 著者:矢崎 存美
出張料理人ぶたぶた (光文社文庫)出張料理人ぶたぶた (光文社文庫)感想
再読)一年経って、あまりにも変わらない日常。昨年よりもワクチンという武器が手に入ったけれど心はかなりくたびれていて。そんな中で読み直すと、この一冊のあちらこちらでぶたぶたさんと登場人物たちの言葉や姿、行動に涙が浮かぶ。「何が食べたいですか?」と尋ねられ、作ってもらう温かな食卓。ああ、いいなぁ。ぶたぶたさんを通した「今の日常」現実を踏まえながらも決して息苦しくならず、あったかい笑顔も涙も含んで生きる世界が描かれる。沈みかけていた気持ちを楽にしてもらって、このシリーズを知っていることを心から嬉しく思う。
読了日:05月29日 著者:矢崎 存美
ひとめあなたに… (創元SF文庫)ひとめあなたに… (創元SF文庫)感想
再読)え?江古田は「えこだ」じゃなくて地名は中野区で「えごた」なの!?新江古田駅は「しんえごたえき」なの!!??←そこかいっ!あとがき読んでびっくり。はい。西武池袋線の江古田駅に一時娘が在まして一回だけ利用したんです。素子さん談通り何にも目印のない駅(地下)娘のアパートまでもまるで迷路。これが江古田かぁ、と思い浮かべられる日が来るとはなぁなんて1人ほくそ笑み。。と、余談が長くなりました。今この時期に読むには色々しんどい感情も湧き上がり、でもラスト。心からこの2人が会えたことを嬉しくそして幸せに思いました。
読了日:05月27日 著者:新井 素子
グリーン・レクイエム 新装版 (講談社文庫)グリーン・レクイエム 新装版 (講談社文庫)感想
講談社文庫50周年で新装版としてまた手にしました。3作品収録。表題作のグリーン・レクイエムは続編も含めて近年何度も読んでまして、それでも淡く切ない思いともどかしさに気持ちを揺さぶられます。そして久しぶりに読む他の2作品。「週に一度のお食事を」は短編で実に面白い。素子流の吸血鬼は怖くないけど社会的に?怖いんです。そして「宇宙魚顛末記」これは本当に久しぶりでそしてちょっとやっぱり苦手なお話。もう片方の地球のお話は何度も読んでいるのにこちらをなかなか読まない理由を思い出しました。が、それも含めて物語作りへの愛→
読了日:05月23日 著者:新井 素子
麦本三歩の好きなもの 第一集 (幻冬舎文庫)麦本三歩の好きなもの 第一集 (幻冬舎文庫)感想
初作家さん)上の子から貰ったもの)なかなか独特の文体と言葉で初めは困ったな、状態。が、その言葉運びにだんだん慣れて来た「麦本三歩は君がすき」辺りから、「ん?」となりその後の各所でくすくすと笑ったりこらこらとチョップしたり、ぐっと背筋を伸ばしたり。なんだか楽しんで読んでいる自分に気が付いた。初作家さんなのでわからないけれど、独特のクセのある三歩の世界はその文体とあいまって、読み進むうちにクセになりそうな、そんな作品でした。おかしな先輩の言葉がガツンときました。
読了日:05月18日 著者:住野 よる
鬼を待つ (光文社文庫 あ 46-12 光文社時代小説文庫)鬼を待つ (光文社文庫 あ 46-12 光文社時代小説文庫)感想
再読)再読コース一周完了。確かにこの最新刊は清之介の人間らしさがストレートに表に出ているんだな、と始まりの一冊を思いつつ感じる。江戸の町に根を下ろしてから戦い続けてきてそれなりに強く深く根を張って来たはずなのだけれど、「兄」という縛り、呪縛(?)が今後どんな形で彼を襲うのか怖くなる。花を愛で空を仰ぎ風を寿ぐ。そんな何でもない日々の積み重ねがずっと続いて欲しい。それは無理な相談だね、と分かっていながら。なんか感傷的だな。木暮の旦那に鼻で嗤われるね。
読了日:05月16日 著者:あさのあつこ
雲の果 (光文社時代小説文庫)雲の果 (光文社時代小説文庫)感想
再読)木暮信次郎は人の生々しくおどろおどろしい内面に容赦なく踏み込む。生臭く目を逸らしたくなる残酷さがあるその内側に。今回は遠野屋清之介の来し方に重なる生き方をしてきた女がひとり。そして遠野屋の大番頭であり最後まで清之介に心を開かなかった喜之助の来し方が重なる、恐ろしくも哀しくもある物語。人はどこまで残酷になれるのか。なんだかその部分に筆者は迫ろうとしているのかな、とふと感じた。怖い。でも目を逸らさない。伊佐治の感じるものを支えにこの世界に臨む。
読了日:05月12日 著者:あさの あつこ
花を呑む (光文社時代小説文庫)花を呑む (光文社時代小説文庫)感想
再読)こんなに毒のある話だったのか。木暮進次郎という人物は一体どんな生き方をしてきたんだろう、と最後の最後で本気で思う。かといって目を背け否定し尽くすこともできないんだよね。そこが、つまり伊佐治の毎回の葛藤と同じということか。清之介と兄との諸々は完全に抜け落ちていて我ながら情けないけど、兄を救いたいと願いかつての兄を恋う気持ちもとてもよくわかる。人の闇を描きつつ、でも先には光があると願う。ところで兄上の名前の読み方。かわった?よね?なんで?ルビのミス??うーむ。
読了日:05月09日 著者:あさの あつこ
地に巣くう (光文社時代小説文庫)地に巣くう (光文社時代小説文庫)感想
再読)今回ふるった刀は、人を、助けるため。過去の刀とは全く違う。それでも。また、人を、斬った。緋色の線をわずかに外して。清之介が捕まったのは父親か、それとも木暮信次郎か。おりんの守りはきっと届いていると、そう願い祈る。そしてそう。解説のとおり、読み手はこの先一体どこに進んでいくのかを、毎回固唾を飲んで見守っている。本当に、ここまで読み進むと、祈るような気持ちで。
読了日:05月05日 著者:あさの あつこ


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2021年4月の読書 弥勒シリーズ再読中

2021年05月17日 06時35分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

あさのあつこさんの時代物は、いまはこの弥勒シリーズしか読んでいないけれど、現代物の作品と比べて人の闇の部分を本当に容赦なく暴き出すな。宮部みゆきさんと逆だな、とふと思う。もちろん極端な私見、だけど。弥勒シリーズ一気読みはなかなかしんどい。でもやめられない。そんな所も宮部さんの現代物と似ている。


4月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2592
ナイス数:406

冬天の昴 (光文社時代小説文庫)冬天の昴 (光文社時代小説文庫)感想
再読)おりんによって人の命の温かさを教えられ、今は周りにいる人々に支えられて立つ遠野屋清之介。誰の力にも依らず心を寄せる者でも容赦なく囮として使い、いつもたった1人で立つ木暮信次郎。どちらがより人らしく、どちらがより人ではないのか。対照的と見えながらその実とても似ているこの2人のそれぞれの今の姿を描き出した今回。やはり冷たい風は木暮様により強く感じてため息をつく。それでもお仙さんはそんな彼を見つめ続けるのだろうな。女としての矜持を持ちつつ。今回の表題「冬天の昴」遠野屋清之介とも木暮信次郎ともとれ、深い。
読了日:04月28日 著者:あさの あつこ
東雲の途 (光文社時代小説文庫)東雲の途 (光文社時代小説文庫)感想
再読)最新刊を読んでここを読むと、なるほどなぁ、と理解できることが多い。というか遠野屋清之介の目指す商人というのはこういうものなんだ、と改めて知った。過去と向き合い逃げずに受け止めて未来へ進む。生きるための仕事を与えて。いろいろ抜け落ちていたな、と苦笑しつつ、それにしてもなんて才能の持ち主なのだ、と目を見張る。
読了日:04月26日 著者:あさの あつこ
木練柿 (光文社時代小説文庫)木練柿 (光文社時代小説文庫)感想
再読)遠野屋清之介と木暮信次郎。2人の周りにいる人々にスポットを当てつつ、2人の姿を描き出す短編集。でも時はきちんと進んでいて、その中に清之介の過去も織り込まれる。短編ならではのスッキリと解決するそれぞれのおかげで、木暮さまの黒々としたものが緩和されているのかも。弥勒シリーズの世界に厚みが加わる一冊だな、と思う。ああ、面白い。
読了日:04月22日 著者:あさの あつこ
夜叉桜 (光文社時代小説文庫)夜叉桜 (光文社時代小説文庫)感想
再読)人は身の内に弥勒も夜叉も持っている。そのどちらを育てるのか、どちらにもならないのか。弥勒と夜叉の間を生きるのが人。ただ生きるために生きる。それが出来ない唯一の生き物。儘ならない日々にその瞬間にどちら側に一歩踏み出すか。それが先を変える。ややこしい。だから面白い。そして怖い。赤子の温かさ、柔らかさ、邪気の全くない笑顔が切ない。
読了日:04月19日 著者:あさの あつこ
弥勒の月 (光文社時代小説文庫)弥勒の月 (光文社時代小説文庫)感想
再読)4回目にも関わらず、あれ?木暮様、こんなこと言っていたんだ?こんな動きをしていたんだ?と、自分の頭の出来の悪さに苦笑する。なんだか随分と人間らしい一面が覗く場面があるんだな、などなど。話の残酷さ、過酷さはその後続くこのシリーズのはじめの一歩ということもあるのか最大級で、何度読んでもおりんさんに生きていて欲しかった、と願ってしまう。彼女の死が3人の男たちを繋げて、この世界を厚く重く暗く、そして強くしているのだけれど。「けりは、それがしがつける。貴公はこれ以上、お手出しめさるな」清之介のこの言葉が今回→
読了日:04月16日 著者:あさの あつこ
鬼を待つ (光文社文庫 あ 46-12 光文社時代小説文庫)鬼を待つ (光文社文庫 あ 46-12 光文社時代小説文庫)感想
毎回続きを心待ちにしているこのシリーズ。毎回何かに驚き慄くのだけれど。今回は清之介の心の衝撃度に驚いた。こんな姿あった?おりんを喪った時ですらこれほどではなかったのではないか、と思える揺らぎ方。在るはずはないと分かっているからこその揺らぎ、か。そこが人としてあたたかくもあり哀しくもある。その元凶である彼女のもう1人の彼女への在り方に読みながら気味の悪さを感じたことがその後繋がっていった先は。ああ、やっぱり、だった。この先が怖い。信次郎の読みには毎度のことながら目が覚める。そして、伊佐治親分が本当に読み手→
読了日:04月12日 著者:あさのあつこ
上流階級 富久丸百貨店外商部 (2) (小学館文庫)上流階級 富久丸百貨店外商部 (2) (小学館文庫)感想
再読)あ、そうか。こういう形で桝家は呪縛から離れられたんだった。四季子お母様の心の内に踏み込む静緒も、見事だな。「そういうもの」という枠組み。そこから踏み出た人と人。桝家と静緒。このまま暮らしていければ確かに理想的だな、と感じる。けど、ねぇ?それにしても静緒が事あるごとに考える「上役とはそういうもの」が何だか今回はちょっと堪らなくなりました。なんだかなぁ。そこもまた変わらない社会の片鱗なんだろうなぁ。
読了日:04月06日 著者:高殿 円


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2021年3月の読書

2021年04月27日 08時25分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

3月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2071
ナイス数:298

上流階級 富久丸百貨店外商部 (小学館文庫)上流階級 富久丸百貨店外商部 (小学館文庫)感想
再読)最新刊に至るまでの始まりの一歩。振り返って感じるのは、なんて新鮮なのだろう、ということ。外商という仕事をなかなか掴みきれず迷い悩みながらお客様に翻弄され様々なことに戦いを挑む姿に、新たな風を吹き込む大変さを思う。そして。弥栄子さまと葉鳥さんの姿に感無量でもある。回るメリーゴーランド。作られたものはいつかは止まるけれど思いの中では、心の中ではずっと動いているんですよね。姿勢を正して心地よい刺激ももらいつつ読了。
読了日:03月30日 著者:高殿 円
上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) (小学館文庫 た 35-3)上流階級 富久丸百貨店外商部 (3) (小学館文庫 た 35-3)感想
作者さんが執筆始めました告知されていた時から首を長くして待っていたシリーズ3作目。全くご縁のない世界を垣間見させてもらい、いつも何かしら教えられエネルギーを貰う。相変わらず百貨店の外商部で日々猛烈に忙しく飛び回る静緒。こんなことまで!?という案件をひとつひとつこなして行きながら、今回は自身のこの先の姿を模索するものでもあった。人と人との関係性。家族であってもひとりとひとり。他人であっても繋がる形はさまざま。桝家の思いと望みも含めて、教えられること、考えさせられることが多い。そして、清家弥栄子様の別れまで→
読了日:03月22日 著者:高殿 円
夢みる葦笛 (光文社文庫)夢みる葦笛 (光文社文庫)感想
短編集。そしてその全てが骨太で読み応え十分で圧倒されるSFの世界。隣にある日常から、未来、宇宙空間、パラレルワールド(?)まで、その全てに上田流の味や色がある。久しぶりに上田さんの作品を手にしたけれど、読むのにエネルギーがいる、とても怖くて恐ろしくて厭わしく、でも目を離せない魅力的な世界だった。疲れた。でもまた読みたい。正直、一回読んだだけでは受け取りきれないものが沢山ある。「リリエンタールの末裔」も是非とも読まねばならぬ、です。
読了日:03月18日 著者:上田 早夕里
ここは私たちのいない場所 (新潮文庫)ここは私たちのいない場所 (新潮文庫)感想
読友さんの感想に惹かれて。日頃踏み入れない世界。淡々と描かれる中に死と生と、子どもを持つことと持たないことと。受け取れないものと理解できるものと。解説まで読んで、ふわふわとしていた何か、が降りてきてくれてわかる部分があった。
読了日:03月08日 著者:白石 一文
祈りのカルテ (角川文庫)祈りのカルテ (角川文庫)感想
研修医の諏訪野先生が自分の進む道を決めるまでのお話。2年間の研修を経てその先を決めるということは、医師としての一生の道を決めること。そうなのか。それぞれの科で探偵顔負けの情報収集とひらめきを見せ、患者が抱えるものを解き明かす。知念さんらしい切り口の、読みやすく素直に楽しい一冊でした。諏訪野先生の選んだ道。しっかりと歩んでいかれますように。
読了日:03月05日 著者:知念 実希人
新井素子SF&ファンタジーコレクション2 扉を開けて 二分割幽霊綺譚新井素子SF&ファンタジーコレクション2 扉を開けて 二分割幽霊綺譚感想
第13あかねマンションのお話が2つ。「扉を開けて」「二分割幽霊綺譚」に単行本未収録の「斉木杳の憂鬱」が加えられ初めて読めて嬉しい。そっか杳ちゃんはそっちにいったのかちょっと残念ネコと杳ちゃんペアを望んでた、と、遠い昔を思い出してしまうwそして「二分割〜」は本当に久しぶりで、あれ?こんなに文字通り面白い爆笑できるお話だったっけ?と多少戸惑いながら物凄く楽しんだ。もちろんケラケラ笑って済むお話ではなくずっしり重いものを含んでいますが。2作品にそれぞれのあとがき、資料てんこ盛りで本当に読み応え十分!満足と→
読了日:03月02日 著者:新井 素子


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2021年2月の読書

2021年03月31日 22時49分00秒 | ★★★毎月の読書まとめ

2月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1541
ナイス数:357

ドクターぶたぶた (光文社文庫)ドクターぶたぶた (光文社文庫)感想
再読)最新刊からの振返り) あ!そうか。名探偵ぶたぶた(現時点での最新刊)でのぶたぶた先生章のタイトルはそーゆーことか!と、この再読あとがきで気が付いた(嬉)ドクター。それも消化器系内視鏡手術のスペシャリストだから必然的に(?)重篤な病であることの方が多いんだろうけど。和む。患者やその家族にとっては大事であろう病プラスぬいさんだから拒絶してしまうのも理解はできるけど、小さな子ほどこんな実技もスペシャリストなお医者さまがいてくださったら本当にいいなぁ、と思う。ほのぼの。
読了日:02月18日 著者:矢崎 存美
ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)ぶたぶたのいる場所 (光文社文庫)感想
再読)最新刊から振り返りシリーズ)異色のぶたぶたさん。いや、いつでもどこでも彼は異色、なのだけれども、ここのぶたぶたさんは特にそうだよなぁ。なにせおおっぴらに舞台に立ちイアーゴーなんてやってしまうんだもの。親子の関係、男女の関係、家族の関係。ひとり、ということ。白亜のホテルを舞台に、人の有り様が描かれてふと、我が身を振り返る。今回はそんな時間が多かったかも。そしてやっぱり。生の舞台が観たい!心置きなく観たい!そう望んでしまいます。
読了日:02月14日 著者:矢崎 存美
素子の碁-サルスベリがとまらない (中公文庫 (あ58-8))素子の碁-サルスベリがとまらない (中公文庫 (あ58-8))感想
再読)単行本で読んでます。あれから3年かぁ。今回は新あとがきに加えて夫婦対談が付いているっていうとっても豪華版な文庫化。そして私はちょうど「ヒカルの碁」のアニメ版をAmazonプライムビデオで発見して懐かしく見終わったあとのこの一冊。大変楽しく、時に大笑いしながら読み終わりました。単行本のサイン会の時、急遽素人碁を打つ父の分までサインしてもらい、囲碁をするなら人間と打ちなさい(私はヒカ碁→ゲームボーイ→おもちゃの碁盤で子どもとなんとなく→やっぱわかんないねで終わってます)と言われたんだよな。懐かしいな。
読了日:02月11日 著者:新井 素子
ショートショートドロップス (角川文庫)ショートショートドロップス (角川文庫)感想
再読)初読みは単行本。文庫化を喜んで再度手にする素子さんフリーク(笑)さすがに編本(?)では新たなあとがきはないですね。グッと惹きつけられるもの、一歩引いてしまうもの、完全に置いてけぼりになるもの。大きく初読の時と変わりはしないんですが、ひとつ。上田早夕里さんの「石繭」ああ、こういうことなのか。と再読で初めて近づけた気がしました。ちょっと嬉しい。堀真潮さんは新作が出ているみたいなのでまた読みたいと思います。編んでもらう一冊は新たな作家さんと出会える楽しみがあって良いですね。
読了日:02月07日 著者:新井 素子,矢崎 存美,宮部 みゆき,高野 史緒,図子 慧,萩尾 望都,堀 真潮,皆川 博子,三浦 しをん,村田 沙耶香,辻村 深月,新津 きよみ,松崎 有理,上田 早夕里,恩田 陸
海の家のぶたぶた (光文社文庫)海の家のぶたぶた (光文社文庫)感想
再読)最新刊からの振り返り。そーか。始めから秋からはカフェを開きます、だったんだった。それにしても。冬に読んでも食べたくなるかき氷。焼きそば。カレー。昔の海の家しか知らないし海より山にご縁たっぷりな海なし人生(笑)なのだけど「うみねこ」には本当に行きたくなるんだよなぁ。海目的でなくても大丈夫なんだし、行きたいなぁ。本の中でふわぁ〜っと気持ちが広がりました。安心できるぶたぶたさんです。
読了日:02月03日 著者:矢崎 存美
名探偵ぶたぶた (光文社文庫 や 24-28)名探偵ぶたぶた (光文社文庫 や 24-28)感想
ついに探偵業か?と思ったら、なんとそういう形での「名探偵」でしたか。うん。納得。確かにいつでもぶたぶたさんは名探偵、です。今、を含めながら描かれる5つの景色は心の底からホッとできて肩の力を抜くことを教えてくれる。やっぱり好きだなぁこの世界。そして5編それぞれのぶたぶたさんのお話をまた読みたくなるのです。かき氷のうみねこやさん続いていて嬉しいな。カウンセラーな彼に話を聞いてもらいたい。悪魔の叫び声かぁ。砂の嵐ってご存知?(笑)ああ、ほっこりとしあわせ、です。
読了日:02月01日 著者:矢崎存美


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