のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

2019年10月の読書 十二国記、承前の、ような?

2019年11月30日 05時37分37秒 | ★★★毎月の読書まとめ
またまたギリギリでのまとめ。
そーか、10月はこんな読み方していたのか、
と、なんだか遠い過去のような感覚になっている。
原因は、、、
分かり切ってる小野主上〜〜!!!


10月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4448
ナイス数:902


神獣の都 :京都四神異端録 (新潮文庫nex)神獣の都 :京都四神異端録 (新潮文庫nex)感想初作家さん)神獣と眷族、五行思想そして京都。これは面白そうだと手にしてみた。のだけど、かなり予想外の話の進み方で。。戸惑いが強いまんまラストまで行ってしまった。なんていうか、とても軽くてツッコミ会話が多くてどうも私には馴染めない世界だったかな。テーマは面白いものだったから入り込めなかったのが少し残念です。こんな軽さで五行思想の世界を描く形もあるんですね。読了日:10月31日 著者:小林 泰三
訪問者 (祥伝社文庫)訪問者 (祥伝社文庫)感想本屋さんで目にした時は最新刊かな?と思ったら近頃よくある大きな帯を新たに付けた形でした(笑)でもそれで気付けたから良し、かな。恩田陸の閉じられた世界全開。この独特の雰囲気は本当に楽しい。その中で戸惑い騙し騙され…途中から登場した小野寺くんが栗本薫さんの伊集院大介に重なって困ったけれどある意味同じ立場。どれが本当でどこが嘘なのか。最後の最後まで惑わされて、でもある意味決着を付けてくれてクローズドサークルを去る。「訪問者」その来訪の扉を開けるか開けないか。そこで未来が一度変わる。読後の余韻で未だどこか怖い。読了日:10月30日 著者:恩田 陸
危険なビーナス (講談社文庫)危険なビーナス (講談社文庫)感想うーーむ。3分の2くらいまで非常に読みにくく。それは主人公の独白部分がちっとウンザリなのとヒロインが怪しすぎて信用できなさすぎるのと…。主人公はさておき、つまりは作者に騙されていたってことですか、ね。ヒロインよりも私は病院の助手蔭山さんが素敵だなーと思いました。と、まぁそんな感じで読んでましたが最後の謎解きの流れはスッキリさせてくれるテンポの良さでした。東野さん。どうも恋愛が並列で絡むと私はあんまり好みではなくなるのかも。そこがなければするりっと楽しめるのになぁ、といつかも何かで感じたのを思い出してます。読了日:10月27日 著者:東野 圭吾
魔弾の射手 :天久鷹生の事件カルテ (新潮文庫nex)魔弾の射手 :天久鷹生の事件カルテ (新潮文庫nex)感想今回は事件カルテ。ってことは事件、なんだな、というオープニングからかなりイヤな状況。でもなんていうか鷹央ちゃんと小鳥くんの距離感が定まってきていて周りで引っ掻き回す(笑)鴻ノ池ちゃんの感覚も安定していて妙に落ち着いて読めた。それにしてもこんな病もあるんですね。お医者さんならではの原因にうなります。さらりと読めてなるほどと納得、犯人に嫌悪。ラストであったかい気持ちになって更にえー!?あらららら小鳥センセっ!で、楽しませて頂きました。私はもちろんだか鷹央ちゃん派(笑)読了日:10月23日 著者:知念 実希人
図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)そのラスト。一瞬この一冊は飛ばそうかな?と思ったんだけど…それは無理な相談ですね。開けばやめられず後半、畳み掛けるように流れが急になると堪らない。何度も読んでいるのに珠晶が犬狼真君と対面し内心を吐露する下から後はラストまで心が震えて身体の内側から沸き起こる何とも言えない高揚感に全てを持っていかれる。物凄いこのエネルギー。珠晶から溢れて止まらない力。そして。今回もまた、新たな発見と謎もあり、一体何度読んだらこの世界を全て見届けることが出来るんだろう?と思う。→読了日:10月19日 著者:小野 不由美
風の万里  黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)風の万里 黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)3人の少女の次第に寄り合わさっていく流れ。男性陣の関わってくる流れ。全ての流れが一点に合わさっていくその次第に速さを増していく流れを追うのがたまらなくワクワクする。深い悲しみと絶望と怒りと怨み。その数段上を行くこの先への希望と期待。そう取って読んでいいんだよね?王であること。その側近であること。国というもの。民というもの。それぞれの立場で人はそれぞれ王であってほしい。自らの。そんな慶の国の姿。いつか見せて欲しいと心から望む。読了日:10月16日 著者:小野 不由美
風の万里  黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)前回と違ってそれより前に感じていた感覚が戻ったらしく、鈴の言い分にイライラして困った(^^;事ほど左様に読書というのは読み手の今の心持ちを映すんだなぁ。参る。が。そういえば。芳にも麒麟が居ないのだった。それも恐らくは蝕の、為?ここを強く意識したのは今回の読み方のせいかもな。祥瓊に楽俊。鈴に清秀。そして陽子。次第に絡み合っていく3人の姿を読みたくて下巻に急ぐ。それにしても。。この上巻のラストは酷すぎる、、と涙を禁じ得ず怒りを持ちつつ。読了日:10月14日 著者:小野 不由美
東の海神(わだつみ)  西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)雁州国の王と麒麟。500年を超える治世をする2人の始まりの物語。おそらくシリーズで一番か二番目に読み返す事の多いお話なのに、また新たなことに気が付く。「戴」を起点に読み返していると、ん?これは…ここでこんな言葉が…こういう事なのか…と。斡由のあの言い分の中に今の戴国を見る、と言ったら言い過ぎかな。メチャクチャな王と麒麟。なんだかんだ、やっぱり好きだなぁ。そしてこの物語の緑豊かな山々の影に「青条の蘭」があるのだな。感慨深い。読了日:10月12日 著者:小野 不由美
月の影  影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)月の影 影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)陽子は楽俊に出会った後もこんなに負の心根のままだったんだっけ?それを自ら受け止めて受け入れて慶国の王として立つことを決めるまでの過程が、心に突き刺さる部分も含めて今回とても面白い。人生の何年もかかる、いや一生かかっても気づくことすら出来ない人も居るであろう事をこの短期間で認めて立つ。何て強い。慶国の先の先、もさらに見てみたくなる。読了日:10月09日 著者:小野 不由美
月の影  影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)慶国の物語。始まりはこちら側の世界。胎果として生まれた彼女が景麒に見つけられて連れてこられた十二の国の一つ、巧国で人の、そして自らの負の部分をトコトン見せられ絶望しながらただ生きる為だけに前に進む、上巻。トコトンの醜さや汚さ。でもそれもまた人だ、と受け止められる自分はスレてしまったんだろうか。なんてことを考える。こちら側の陽子は相手に合わせる優等生。戦う彼女の出だしがこれというのが違和感てんこ盛りなのは先を知りすぎた感覚、ですね。久々の1日一冊一気読み!読了日:10月06日 著者:小野 不由美
丕緒の鳥 (ひしょのとり)  十二国記 5 (新潮文庫)丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)慶、柳、雁、そしてもう一度、慶。それぞれ本編とは視点を変え、その本流に隠れた部分を描くこの巻は、だからこその厚みがありそして深く厳しく考え込む状況に必ず追い込まれて苦しい。「王」が立つ時。「王」が斃れ始める時。「新王」が立つまでの国の様々な混乱。そこに踏み留まり耐える意思。重くて辛いけれども、その先に仄かに灯る明かりの温かさが心を揺さぶって切ないだけではない涙を流させる。深い。読了日:10月06日 著者:小野 不由美
黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)重かった。今回はとにかく苦しかった。特に高里という名で生きるあちら側の世界の描写が、文字を追うのを止めたくなる辛さを覚えた。どこに誤りがあったのか?何がここまで戴国の民と王と麒麟を苦しめる事態に進めてしまったのか。天が実在するならば天もまた誤ることはある。結局わたしは今回も蓬山での西王母との邂逅の一言「…病は祓おう。それ以上のことは、いまはならぬ」その「いまは」に縋ってしまう。そしてそれは今後の泰麒の生き様が答えをもたらすのかな、とラストの陽子たちの会話で考える。読了日:10月01日 著者:小野 不由美
読書メーター

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2019年9月の読書 十二国記突入!

2019年10月01日 18時44分45秒 | ★★★毎月の読書まとめ
初日にまとめ更新はなかなかないぞっ
iPadから投稿してみてます。
あーやり辛い〜😅

満を持しての十二国記。泰麒の物語をピックアップして読んでいましたが、結局現時点での全話読まずにはいられない状態になっています。

9月の読書メーター読んだ本の数:8読んだページ数:2993ナイス数:506華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)なので、大きな目的は最初のお話「冬栄」この裏側で行われていたことが…と思いつつ、泰麒に戴王が話すラストの場面が心痛む。そしてほかの物語を読まずにいることなど到底無理なわけで、それぞれの国のお話を重く受け止めつつ読む。芳、慶、才、奏と雁。絡んで恭とか、、やばいやばい、みーんな改めて他の作品読みたいじゃないですか!この国を治める側からの一冊はまた「丕緒の鳥」という民側からの一冊にも手を伸ばしたくなるから、、さあ、どうしよう!?(笑)読了日:09月27日 著者:小野 不由美
風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)「蝕」により蓬萊に流され10年の歳月を経て再び還った泰麒。彼がこの世界を知り仕組みを学び麒麟としての最大の為すべきことを為すまでの物語。高里という名で生きた蓬萊での生き方が色濃く影を落としているのだな、と思いながら、その気性の優しさと人なつこい姿に女仙たち同様たまらなく愛しく感じる。が、彼は間違いなく恐ろしいほどの力を、いや。意思の強さを持っている。だからこその不器用さ。ラストの延王、延麒、景麒との逸話はそれぞれの性格を表してつい笑ってしまうしこの国の先に幸あれと心から願う。祈る。読了日:09月22日 著者:小野 不由美
魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)感想戴極国始動の為の再読)初読の時の恐怖感はもう一切ない。そして哀しさ辛さは読む度につのる。高里。広瀬。後藤。以前はその身勝手さからとても苦手だった広瀬を今回は静かに見つめ後藤の「見捨てないでくれ」と零す言葉を何処かで理解している自分を発見。人として。そして何故、高里はこの場所でこの様な生き方をしなければならなかったのか。それがとても気になった。そこにどんな意味があるのか。更にいえば、胎果は何故起こるのかその意味は?そう。この先の物語を知るが故に。単独でも充分に楽しめるこの作品はこの先の物語によって幾重にも→読了日:09月18日 著者:小野 不由美
レゾンデートル (実業之日本社文庫)レゾンデートル (実業之日本社文庫)感想これがデビュー作なのですか。鷹央ちゃんで知念作品に入った私はその作風の微妙な違いに始め驚いたのですが、医療、警察、そして武道を絡めた成り立ちはまさに知念さんの世界でした。どっしりと重く容赦なく、ふんわりと甘く哀しい。デビュー作からこのクオリティ。というか、むしろ私が読んだ中ではもしかして一番厳しさのある世界。最後まで疾走感が半端なくて大変楽しませて頂きました。読了日:09月14日 著者:知念 実希人
キルリアン・ブルー (TO文庫)キルリアン・ブルー (TO文庫)感想ぶたぶたさんと同じ矢崎さんが書いたものと思えないほど全く違う世界だった。ある意味とても容赦なさすぎて。誤魔化す事の恐ろしさ、そこまでするか!?と理解し難い残酷さ。そして仄かに淡い恋物語。違和感を覚えながらページをめくる手を止められずに一気に読んで呆然とした、、。子どもが無傷だったことだけはせめてもの救いなのか、な。主人公に徹底的に辛く厳しいお話とも感じる。こんな作風も持っているのか、と作家さんの多様性も実感します。つらかった。読了日:09月07日 著者:矢崎存美
ダイエット物語……ただし猫 (中公文庫)ダイエット物語……ただし猫 (中公文庫)感想単行本にて既読。文庫化で新たに読む。こちらはその後短編と夫婦対談のおまけ付き。猫ズと人ズのダイエットが中心ではあるのだが、そこに見え隠れするご両親の介護や年金問題などかなり重いものなのに軽妙な語り口で書かれていることに気持ちが動く。決して読み流せないお話をさらりと描き虚実織り交ぜてお話を作り上げ、それがまた読み手に響くのだ。天元くんとこすみちゃんの表紙と裏表紙。撮影エピを某サイン会で話してくださってたことからクスっと笑いつつ拝見し、怒っていてもこすみちゃん美猫だな〜と思いました。リバウンドなし頑張れ!読了日:09月05日 著者:新井 素子
一日がしあわせになる朝ごはん一日がしあわせになる朝ごはん感想図書館)万年同じおかずでもなぁ、、と手にしてみる。基本パン食なのでそちらを中心に。うん、美味しそうだ。チーズ+塩昆布はオリーブ油と黒胡椒プラスで早速作ってみた。美味い!週末に食パンに具材をのっけて冷凍しておくっていうのは目からウロコで成る程と思う。何にしても朝はお弁当で頭は目一杯なので朝ごはんのおかずって考えられないんですよね。気になったものはメモして返却しましょう。読了日:09月01日 著者:小田 真規子,大野 正人
おそろし (新人物ノベルス)おそろし (新人物ノベルス)感想再読)4作目を文庫化でやっと読めて、定例の(?!)始めの物語に戻る。随分と雰囲気というかおちかの見る景色が変わってきているのだな、と改めて感じることができてこの再読は大正解だった。初めの一歩はこんなに怖くて哀しくてあやうい世界だったのだ。けれども根っこの土台は確実に変わり百物語で踏み固められ強くなっていく。家守の彼は先の先まで絡んでいくのだろうか?名を様々に持つということは名を持たないことと同じか?改めて背筋に冷たいものが走る。読了日:09月01日 著者:宮部 みゆき
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2019年8月の読書 冊数は少ない。が読み応えは充分である。

2019年09月28日 17時38分38秒 | ★★★毎月の読書まとめ
8月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1736ナイス数:618三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)感想久しぶりの三島屋怪異譚。黒白の間とおちか。語り手は1人。聞き手も1人で語り捨て、聞き捨て。今回のお話は江戸市中のみならず、近郊の村から更にお取り潰しになった藩の不思議まで幅広く、そして哀しみや怒り、切なさや優しさ。語るひとりひとりの人生が重なって心に沁み入る。前のめりに読み進めて最後。え?青野様ご仕官!?寝耳に水な展開におちかさんじゃないけれど私の心もフリーズ。寂しい。昼行灯さんがご登場でこちらもなかなかに楽しげでああ、「おくらさま」のお話からおちかさん今後少し心持ちが変化していくな、とは思いましたが。→読了日:08月26日 著者:宮部 みゆき
花を呑む (光文社時代小説文庫)花を呑む (光文社時代小説文庫)感想弥勒シリーズ7冊目。なんとおけいさんが辛いことから事件に巻き込まれてヤキモキする。怖いことにならず本当に良かった。伊佐治親分の家族が唯一江戸庶民として真っ当に生きているような気がしてしまう。親分もある意味普通じゃないのだなぁ、と改めて確認した巻だった。遠野屋清之介と木暮信次郎との間の緊張感は、その緊張感が清之介を商人としてきっちりと江戸の町に根付かせてくれることになるのではないか?なんて思ったりもしたが、こんな考えは木暮様に嗤われるかな。もう一度シリーズ最初から読み直したいと同時にこの先もすごく気になる。読了日:08月17日 著者:あさの あつこ
精霊の木 (新潮文庫)精霊の木 (新潮文庫)感想上橋さんの処女作。デビュー30周年を記念して文庫化され初めて読むことができた。「守り人シリーズ」を感じさせる作りと考え方で確かに若さの文でもあるけれどそこに読み手に伝わる強い想いもきっちりとある。何というか、目の前にある「今この世界」に透けるように重なる「どこか、でも確実にそこにある世界」を描くことが本当に巧みだな、と改めて思う。この表現が難しい感覚が私はとても好き。そして、人と人。人と自然。大地と世界。重なり合う様々なもの、ことをどう感じどう生きるのか。作品と読み手として惹き込まれつつ駆け抜けた。読了日:08月13日 著者:上橋 菜穂子
火花火花感想図書館本)珍しく話題作を読む。戸惑った、というのが正直な感想。「語ること」を生業の中心に置く筆者らしく、その文章は目の前で漫才を展開しているのを見ているような感じになることも多くとても読みやすい。のだけれど。つまるところ、私がこの一気に喋り倒す?今の漫才をあまり得意としていないためか、どこが「笑い」なのかが分からない進行に置いてけぼりになる事が多々あって。それでも徳永がこの世界から去る決意を神谷先輩に話すとき、神谷が「芸人に引退はない」と語る場面はぐっと胸に迫るものがあり印象につよく残った。読了日:08月08日 著者:又吉 直樹
ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)ぶたぶたのおかわり! (光文社文庫)感想再読)リハビリ読書に選んで大正解。とにかく心があつたまる。ほっこりして安心できる。「こむぎ」も「きぬた」も、そしてアップルパイの珈琲店の3号店(あれ?お店の名前なんだっけ?)も、きっと今もほっこりふっくら満足のお店として存在しているんだろうなぁ。こういう「おかわり!」は大好き。また、あるといいな。後日譚というか今も元気にやってるよ、な物語。あ、ここで初登場のお寿司屋さんはメインのお話が読んでみたいです。読了日:08月02日 著者:矢崎 存美
読書メーター

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2019年7月の読書 iPhoneから初めて

2019年08月12日 07時42分36秒 | ★★★毎月の読書まとめ
デジタルってのは何でこうややこしいんだか…
おいおい何とかなるんだろーか??
とりあえず忘れないうちにまとめをアップ!

7月の読書メーター読んだ本の数:10読んだページ数:3071ナイス数:525あなたの不幸は蜜の味 イヤミス傑作選 (PHP文芸文庫)あなたの不幸は蜜の味 イヤミス傑作選 (PHP文芸文庫)感想どの作品も初読だった。そして分かっていたけど参った。「イヤだ」と感じられることが巧みで、すっきりとできない気分にならざるを得ない。うへぇ、と思いつつも読んでしまった。宮部さんは見事。唯一面白かった。ホラー寄りと解説あったけれど私はどこか時代物に似た感覚。テーマがイヤミスなんだからすっきりもほっこりも出来ないのは分かっていたけど、ここまで見事だと…読み応え充分な分、解説の通り胸焼けしてしまった、かな。今の私にはちとキツイテーマの作品集でありました。「あなたに謎と幸福を」にも一度戻ろうかな。読了日:07月31日 著者:宮部 みゆき,辻村 深月,小池 真理子,沼田 まほかる,乃南 アサ,新津 きよみ
あの日の親子丼 食堂のおばちゃん(6) (ハルキ文庫)あの日の親子丼 食堂のおばちゃん(6) (ハルキ文庫)感想いつの間にかこのシリーズも7冊目なんですね。そして昭和から平成、令和と続く食堂でもあるわけだ。なんだか時の流れを今回は強く感じたのは昔のお話から今のネット問題まであったからかな。一子さんの言葉「災難は空から降ってくるもんだ…原因を考えちゃダメ。どうして私がこんな目に?は時間の無駄。元々理由なんかないんだから。」が心に残る。この考え方は目からうろこ。なかなかすっぱりとはいかないけれど、いつかこう言い切れるようになれたらな、と思った。時代と共に変わっていくはじめ食堂の景色。次作も楽しみです。読了日:07月28日 著者:山口 恵以子
星から来た船 下 (星へ行く船シリーズ8)星から来た船 下 (星へ行く船シリーズ8)感想物語が終わった。長い長い、長い時の果て。長く長く愛してやまない世界が、いま、ひとつの終わり「Fin」を、迎えました。この為に、このお話はずっと続いてきたんだな。「お帰りなさい」本当に、ただ、この言葉をこの場所で伝える、その為だけに。今回の「完全版」としての「星から来た船」内容はコバルトのあのお話と全く変わらないのに、なぜか今回は読むほどに「星へ行く船」が重なり「αだより」が重なり、そして麻子さんがとてもしっかり力強い。その何故?の一端が「お帰りなさい」では?読み終えた今、いろんな感情で涙が溢れて止まらない読了日:07月24日 著者:新井 素子
ぶたぶたのティータイム (光文社文庫)ぶたぶたのティータイム (光文社文庫)感想30作目とのこと。5編それぞれ年代も性別も違うんだけれどそのどのお話も心が大渋滞中の私の中に優しくスルリっと染み込んでくるものでした。素朴なケーキと美味しい紅茶。中でもレモンドリズルケーキは美味しそうで思わず検索。焼いてみたい!と久しぶりに作る側への刺激にもなりました。クリームティーもいいなぁ。スコーンと紅茶。学生時代の大奮発がこれでしたっけ。本当にこんなお店があって、こんな店主さんがいて、常連さんになれたなら。ほんの少しでいいからほっと出きるこんな場所。見つけることができたならどんなにか幸せでしょうね。読了日:07月22日 著者:矢崎 存美
あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選 (PHP文芸文庫)あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選 (PHP文芸文庫)感想これはとても良質で心地よいアンソロジー。もちろんそれを狙って編まれたものだけれども、どれも皆、心に沁みる何か、がそれぞれに違ってそれぞれに核みたいなものがあって。とてもよい。既読は矢崎さんのぶたぶたさんと加納さんのアリス。他3編は初めてで、そしてシリーズになっているものは是非そちらも読んでみたい、と思う。手にするきっかけになったぶたぶたさんは確かにこれが何故選ばれたのかな?と思うけど、その不思議な感じがまたいいのかな。何しろぶたぶたさんですし(笑)編者細谷氏の解説も宮部さん作品の火車への連想とか感じ方が→読了日:07月18日 著者:宮部 みゆき,近藤 史恵,加納 朋子,大崎 梢,矢崎 存美
NNNからの使者 毛皮を着替えて (ハルキ文庫)NNNからの使者 毛皮を着替えて (ハルキ文庫)感想「虹の橋」という詩。そして「毛皮を着替える」ことの意味を知りました。そのお話が5話。こうして読むと猫さんたちと人との関係。不思議だなぁ。文鳥とハムスターというミニサイズな子たちしか飼ったことがなく、そして昨今の猫さんブームには全く乗れない(ペット禁止物件在住&飼えるならワンコがいいな派?)私でも今ねこちゃん居ないことをちょっと残念に思う。いや、猫さんたちのみの繋がりではないんだけれど。ミケさんの凄さが今回も光っていましたが同時に人と猫のつながりもよかったな。さりげなく現代社会の問題も盛り込まれつつ。読了日:07月16日 著者:矢崎存美
完本 妻は、くノ一(五) 国境の南/濤の彼方 (角川文庫)完本 妻は、くノ一(五) 国境の南/濤の彼方 (角川文庫)感想なるほど、この「完本」はそれぞれ2冊の合本だったのですね。初出の本では未読なのでわかりませんが違和感なく綺麗にまとまっているなぁ、と思います。短編がどれもとても面白いですし。その最終巻。つまりとにかく壮大な愛の物語、ですね?激動の時代に絡めて一組の夫婦の深いつながりをここまで読ませてきたのかな。もーアッツアツで困り果て…ましたが、とにもかくにも大団円な(なのか?)彦馬と織江の物語を最後まで見届けました。幕末をこんな風に切り取るお話って。。。戸惑いつつ、私は彦馬の江戸での謎解き暮らしの時が一番すきです。読了日:07月14日 著者:風野 真知雄
完本 妻は、くノ一(四) 美姫の夢/胸の振子 (角川文庫)完本 妻は、くノ一(四) 美姫の夢/胸の振子 (角川文庫)感想にゃん太!まさかこんな活躍があるとは思わなかったなぁ。それにしてもオスの三毛猫に私は憧れてしまいそうだ(普段は犬派ですww)恋模様と平行して進む静山の目的もだいぶん具体的に且つ若干追い詰められて来ているらしい?この先どうなるのか。「いつの日か」を支えに彦馬は日々を送るんだね。短編「ねずみ静山」がよかった。松浦静山という人の面白さと恐ろしさ。端的に笑いを含めつつ描かれていて好き。読了日:07月10日 著者:風野 真知雄
完本 妻は、くノ一(三) 月光値千両/宵闇迫れば (角川文庫)完本 妻は、くノ一(三) 月光値千両/宵闇迫れば (角川文庫)感想こらー行っちゃダメだ~な彼と恋する乙女の行動から、ここで雁二郎の正体が明かされるのだったか。14歳にどーしても映像の彼を思い起こして笑ってしまい、シビアな忍の戦い場面を普通の方向とはかなり違う楽しみ方になってしまう(笑)でもこれがこの世界、なんだよな。その全体の雰囲気は彦馬と静山が作り出したいるのだろう。書き下ろし短編でくノ一の厳しさ残酷さを描いてさて4巻にいく。読了日:07月04日 著者:風野 真知雄
いないいないばあさんいないいないばあさん感想図書館本)おばあちゃんの「いないいないばぁ」が毎回とんでもない(笑)柔らかな絵でアクロバティックなおばあちゃんとそれに単純に驚く孫くんがすっごく楽しくて読んで笑顔、です。読了日:07月03日 著者:佐々木マキ
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2019年6月の読書 またまたぎりぎりですね

2019年07月27日 16時37分16秒 | ★★★毎月の読書まとめ
大収穫は「デフ・ヴォイス」
これは本当に心にくる、作品だった。全く知らなかったこと、知ったつもりでいたこと。
知らなくてはいけないこと。様々考える。と、同時にきちんと楽しむこともできる。
こうした「入口」はあり、だと思う。
シリーズになっているみたいなので続きも読む。文庫化してほしい。

6月の読書メーター読んだ本の数:10読んだページ数:3360ナイス数:749星から来た船 中 (星へ行く船シリーズ 7)星から来た船 中 (星へ行く船シリーズ 7)感想よし読めたっ!上中下巻の真ん中の巻。上巻の事情が分かってそして下巻に向けて「どーなるんだ!?」で終わる巻。その「どーなる?」が今回「麻子さんっどーなるの!?」なんだよなぁ。上巻でも感じててここでも思う。しっかり強い麻子さん。「星から来た船」のしっかりヒロイン!で、同時に。「ああ、麻子さんはあゆみちゃんの紛れもなくおねえさんなんだなぁ」と、本編(の続きのαだより)を感じながら読みました。それはおまけのお話も同じ。更にだからこれが本編での麻子さんの事務所での立ち位置になるんだな。ふふっ。楽しい!読了日:06月28日 著者:新井 素子
六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)感想なんと表現しよう。染み入る、か。「詩、短歌、俳句を小説に先立たせ、これをいわば放牧場の柵として、作家をそのなかに放置する」杉本氏のあとがきのはじめに書かれたこれがまさにそのままで、更に絵画も加えられて恩田陸という人の発想力、表現力が飛翔する。それはもう奔放に自由に頑なに細やかに。華やかさは感じないけれど恩田ワールドがそれぞれの短編に溢れていて「?」という状態すら受け入れられた。あえて選ぶとすると「Y字路の事件」「夜を遡る」「コンパートメントにて」「Interchange」が好み。ホントに巧みな作家さん→読了日:06月26日 著者:恩田陸
NOVA 2019年春号 (河出文庫 お 20-13)NOVA 2019年春号 (河出文庫 お 20-13)感想毎度お馴染み「新井素子」で手に取るアンソロジー。沢山の初作家さん。素子さんはいつもと少しテイストの違う感じがし、でもとても重いテーマで読後に考え込む。小川哲さんは初めて&難しいんですが何かに惹かれた。宮部さんは重い&怒り。作中の某人の行動が理解できず、ラストが辛すぎる。私が宮部作品に感じる現代ものの容赦なさかなぁ。飛浩隆さんは初めて&怖い。読んでいくとじわじわと怖さが分かってきて、そして何だかそんな世界が現実に来そうな気もしてさらに怖い。ちょっと他の作品も読んでみたくなった。読了日:06月21日 著者:
完本 妻は、くノ一(二) 身も心も/風の囁き (角川文庫)完本 妻は、くノ一(二) 身も心も/風の囁き (角川文庫)感想背後に大きな動き…歴史のうねりを潜ませながら、市井の大小悲喜こもごもの謎解きで進む世界がいいんだな、と感じる。彦馬のゆったりとした雰囲気と併せて。それでもこの先に起こるであろう(いや確実に起こる)事を想定して武道を学び出す彼。織江も遂に動き波乱が待ち受ける予兆で終わる。ところでマツはどこにいってしまったの?タケと同じ気持ちで探してます。このまんまにはならないよね??読了日:06月17日 著者:風野 真知雄
完本 妻は、くノ一(一) 妻は、くノ一/星影の女 (角川文庫)完本 妻は、くノ一(一) 妻は、くノ一/星影の女 (角川文庫)感想初作家さん)NHKの時代劇で観ていて原作も読みたいなぁとずっと思っていた物語。5冊元本ということで遂に手をだしました。初めからイメージは映像と重なり(それがとてもピッタリで)でもそれだけではない文字の世界の楽しさもたっぷり。たまに不思議な文体で江戸は幕末に向かう世界を描いてくれています。なにせ主役の彼がこんな感じの人なので、どこかほんわりほっこり。そして二人の「想う心」がとても切ないです。これから先に何がありどう変わるのか。二人の行く末を見つめる旅の始まり、です。←全体に切ない気持ちがあるので感傷的です。読了日:06月14日 著者:風野 真知雄
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)感想本を開くと全く知らない世界があった。ろう者。日本手話と日本語対応手話。そして「手話言語」「コーダ」聞こえないことと、聴こえること。驚きも含めて一気に物語を読みきった。17年前と今。2つの事件を通してろう者の人々の姿、聴者側の姿。2つの立場と考え方がとても分かりやすく描かれる。聞こえないだけで変わらない人間である。そう胸を張るからこその主張。事件の解決が為される過程でそれぞれの思いや問題、すれ違いもでてくるけれど、でもそれはお互いが聴こえていても何ら変わらない事。2つの事件と荒井の過去は大変苦いものだった→読了日:06月09日 著者:丸山 正樹
浜村渚の計算ノート 9さつめ 恋人たちの必勝法 (講談社文庫)浜村渚の計算ノート 9さつめ 恋人たちの必勝法 (講談社文庫)感想気付けば11冊目と。よくここまで読んでこられたなぁ、トンチンカンな私が。もうどんなものなのかも分からない数学の言葉の数々で渚ちゃんの解説で分かったつもりにはなれるけれどあっという間に混乱する、の連続。それでも先が気になって読んでしまいます。ラストのお話が好きかな。確率って大っ嫌いだけれどこんなお話に変わるとなるほどなぁ、と。キューティー・オイラーさん、遂に脱走してしまいましたがこの先どうなるのかな?次作を待ちましょう。読了日:06月07日 著者:青柳 碧人
居酒屋ぼったくり〈7〉 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり〈7〉 (アルファポリス文庫)感想なるほどねぇ。それぞれの章でイロイロ思うところのある一冊だった。わが身を振り返り、うん、私もウメさんと同じだ。そしてオジーの気持ちもお母さんの気持ちもよく分かると思い、馨ちゃんと哲くんはステキな関係だなぁ、と思い、そして「佐島家」というものに関しては、ほうほうそう来ましたか、と一連の騒動を追いながらニヤリっとしてしまう性格の悪さです(笑)常連客さんたち最高!「処理」って言葉にはかなり抵抗感持ちましたが「予防接種」に絡めた話し方はうまいですね。要より手強い美音。あと2冊?先が楽しみです。読了日:06月04日 著者:秋川 滝美
星から来た船 上 (星へ行く船シリーズ)星から来た船 上 (星へ行く船シリーズ)感想よかった。手にしてよかった。サイン会のその前に読めてよかった。なんかもう。コバルト文庫でしっかり何度も読んできたお話なのになぜだかなんだか、ほんっとに楽しく面白く思いっきり引き込まれて読んだ。実は告白すると今まで面白いけれど本編程の魅力を感じたことがなかったのに。作者が目一杯楽しんで書いていますと言い切られる作品で、同じ位楽しめたことを幸せに思う。そして新作短編。これが、また良い!もう「ここを書いてくれたんだ!」ラストのそれぞれの思いと込み上げる感情も、彼のらしさも。最高です。中巻が待ち遠し過ぎますよ!読了日:06月02日 著者:新井 素子
夢と気づくには遅すぎた。夢と気づくには遅すぎた。感想図書館)堀さん2冊目。5つのテーマに分かれた18編のショートショート。前回の処女作よりもすっきりと洗練された感があって女性ならではの感性も溢れ、どれも楽しめた。ホラー寄りの物はとても怖くて困ったけれど(夢にまで見た…)このそれぞれ短い物語のなかに人の心の機微を見事に描くなぁ。ショートショートってなかなか触れることがないし星新一さんの他に自分から読みたいと思うこともなかなか無かったけれど堀さんは今後も追いかけたいと思う。読了日:06月01日 著者:堀真潮
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2019年5月の読書 またまた手入力orz

2019年07月05日 05時23分51秒 | ★★★毎月の読書まとめ
何かイロイロダメなんだけど、
この「まとめ」を忘れちゃうのが一番ガッカリなダメ、かも。
またやらかした5月のまとめ忘れ。
コピペでアップ、です。
見辛いんだけど…記録、なので。



マスカレード・イブ (集英社文庫)

二人が出会う前、それぞれの物語。ここからマスカレード・ホテルに繋がって行くわけか。短編4作、どれもさらりと楽しめるものでした。主人公二人がきっちりと「ホテル」と同じ性格、考え方、行動でぶれない、やはりこの安定感は今更言うまでもないことだけれどさすが東野圭吾作品、です。鼻持ちならない刑事さん。それだけで楽しんでしまえるっていうちょっと今までにない面白さを体験しました。次はガツっと大作でこの二人を見てみたいと望んでいます。

東野 圭吾
読了日:2019/05/30


過ぎ去りし王国の城 (角川文庫)

久々の宮部作品新作。そして現代物の中学生中心も久しぶり。真、城田、パクさん、そして伊音ちゃん。読み進むと単純なファンタジー、冒険物ではなくて、いま生きることと重なり現代社会の大きな問題がそこかしこで突きつけられる。後半はとにかく現実と重なって生々しくて辛くなった。余計なお世話!と切って捨てられるのは確定だけどタマちゃんが気掛かりで…そしてラストの一行で少しほっとした。真の変わったところはきっとそこ、だろう。


宮部 みゆき
読了日:2019/05/26


この橋をわたって

昨日のサイン会の時から一気に読みました。編集者さんもお話してましたが「新井素子」という作家を知るいい入口になる、バラエティーに富んだ作品群だな、と感じます。「橋を、架ける」は矢崎在美さんの解説で触れられてましたが、まるで一文字ずつを積み重ねて作り上げる作家さんの作業のよう。一度は活字化ができないと諦められた作品がこうして読めること、嬉しいです。何作品かは既読のものですが、不思議なことに初出(本になっての)で読んだ時よりも、こうして纏まって一冊になった今回の方がより、楽しめました。で、→

新井 素子
読了日:2019/05/19


居酒屋ぼったくり〈6〉 (アルファポリス文庫)

今まで目をそらして(?)きた現実が少しだけ頭をもたげ、要と美音がただ甘いだけの関係ではおさまらないことが現される。特にラストはなぁ。ふーむ。ってことでこの先が気になるんですけど(笑)お料理は相変わらず美味しそうで家で作りたいものがてんこ盛り。そして詐欺や本屋さんなど社会問題はまるで広報活動のようなお話でした。他人に甘えて自分中心の考え方になるってところはどんな世代でも心して気を付けないといけないな、とも改めて思います。ん、で、7巻はいつ?

秋川 滝美
読了日:2019/05/17


切れない糸 (創元推理文庫)

再読)根っこを持つこと。細かい部分はすっかり忘れてしまっていて、だからほぼ初読のような状態で物語の先へ先へと楽しんだ。坂木作品の根っこでもあるのかなぁ?とも気付かされながら。拾われる側の心持ちで読むことは初めての時と変わらず、だから沢田くんやシゲさん、コロがちょっぴり羨ましい。小さな謎、というか疑問を解決しながら「クリーニング業」に軸足を置き、そして逝ってしまった父親の存在を改めて感じるための一年間。そういう和也(新米社会人)の姿と成長を見る物語でもある。心にストンっと沁みる場面がいくつもあった。

坂木 司
読了日:2019/05/11


神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶 (角川文庫)

うーん。もしかして登場人物の中で一番の曲者、くわせ者は桜井刑事じゃないか?なんて頭の片隅で思いつつ読んでいた。あちらの鷹央ちゃんに付き合うだけでもかなーり、なのにこちらはその何倍もおかしな人たちてんこ盛り(笑)今回は「記憶」がテーマでそして翼くんの恋物語でもありました。なんだろ。かなりロマンチックな物語。でもベタベタじゃないので楽しめました。

知念 実希人
読了日:2019/05/11


女子的生活 (新潮文庫)

映像→原作。ドラマを偶然見てのめり込み、それが坂木さんの作品だと知って文庫化を待ってやっと手にした。文句なく最高に面白い。そしてミキの強さや柔軟性に憧れ、後藤の素直な単純さと実は器が大きいのかも?なところが好き。戦う女子たちが主役だから、なかなかハードな女性像が主体だけれど気持ちがいいんだなぁ。女子トークも後藤とのお家シーンも。それはおそらく。男女ではなく戦う人間が描かれているから、なのかも。これまた続編激しく希望!そして志尊さんと同じく後藤とのコンビはそのままで~(願)

坂木 司
読了日:2019/05/06


和菓子のアン (光文社文庫)

再読)やっと読んだ続編からの振り返り。アンちゃんが学生時代を卒業して社会に一歩踏み出し、そこで出合う人や物事から少しずつ大人(?)になっていく物語。和菓子の世界に包まれて、そう包まれるからこそやわらかく優しい。椿店長の経緯をすっかり忘れていたのでラストにドカンっと衝撃を受け、その後の「乙女」の言葉にクスッと笑って力が抜けた。立花さん。始めと終わりで変わりすぎっ!アンちゃんのその後のその後(笑)このお話は読めば読むだけ先が気になるんです。

坂木 司
読了日:2019/05/04


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2019年4月の読書 あー!3月のまとめが!!

2019年05月10日 14時39分40秒 | ★★★毎月の読書まとめ
あああ。
また、やった。3月のまとめが消えてしまった……(;_;)

ということでとっても見にくいけれど
この前の記事として3月のまとめをUPしました。
スマホでやってるから加工もできん!
ま、私の記録だからこれでもいいか…orz

4月の読書メーター読んだ本の数:8読んだページ数:2865ナイス数:535アンと青春 (光文社文庫)アンと青春 (光文社文庫)感想文庫化されるのをひたすら待って漸く手にした後はもったいなくて読めず。平成最後の日に一気に読み終えることになりました。仕事に対してひとつ階段を登り、悩み方もひとつ登ったアンちゃん。それはより真剣に自分のことも周りのことも見つめるようになったということで、自分から「謎」を解くようにもなったことに成長したなぁ、と感じ、そして変わらないそのほっこりと包み込まれる雰囲気に安心します。美味しそうな和菓子の数々、感じ入る言葉。続きが気になって閉じられず最後まで駆け抜けたけれど次はゆっくり読みたいなと思います。続編希望!読了日:04月30日 著者:坂木 司
神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)感想あの鷹央ちゃんのお兄ちゃんも登場していると知って手にしてしまったシリーズ1作目。安定の読みやすさとさらりとした作風で、少々重くなっていた気持ちを持ち上げてもらいました。神酒クリニックのメンバーが個性豊かで面白い。そしてまさかの桜井刑事も登場。これはやっぱり続きも手にしなくちゃです、ね。読了日:04月28日 著者:知念 実希人
新装版 絃の聖域 (講談社文庫)新装版 絃の聖域 (講談社文庫)感想再読)「芸」という神の領域。そこに魅せられ選ばれた「家」悲劇は後半に行くに従って激しい曲調になり盛り上がり、そして突然途絶える。その、あと。本当の意味での全容が解明されたときの景色が何度読んでも胸を突く。その曲調を知らず長唄を全く知らない読者にも何かが届き鋭く抉る。どんなに望んでもその人が消えると共にその人の「芸」もまた消える。人がそれぞれに持つ世界はどんなに望んでも必ず消える。それでももがいて足掻いてなんとか残そうと望む。業、だね。いろんな意味で。人の、業、だ。読了日:04月23日 著者:栗本 薫
ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)感想「メメント・モリ―死を忘れるな」「生死一如」そして「ヤーンのみ手のままに」…。この先、を知った上でいま読む、中島梓氏というか私にとっては栗本薫せんせの闘病記。その想いの意志の強さ逞しさを受けつつ、せめてあと一年、いや十年。ヤーンよ。なぜ?と辛くなるのは止められなかった。所々で首をかしげもするしえーっ!と反発もしながらも、それでもやはり私はこの作家さんが大好きで、時間を忘れて読みふけった時を持つファンなんです。言葉の通り最期まで生きた中島梓―栗本薫先生を未だにどうしようもなく惜しみつつ本を閉じました。読了日:04月15日 著者:中島 梓
新任巡査新任巡査感想図書館本)初作家さん)読友さんの感想に惹かれて手にしたが、そういえば以前別の作品を本屋さんで目にして読みたい登録してた作家さんだった。骨格はお仕事小説かと。新任巡査の日々。交番に配属されてその面々から学んでいく場面はとても面白く興味深く、そしてそうだよね社会って理不尽と矛盾だらけだよねーなんて思う。お巡りさんは更に様々大変だ!とも。で。そこに初めから絡まっている「謎」「事件」の部分が何と言うか…。これがなぁ。何て言うかなぁ。こういうものは必要あったかなぁ…。嫌悪感と忌避感。複雑です。ラストの梅の木の下の→読了日:04月13日 著者:古野 まほろ
八月は冷たい城 (講談社タイガ)八月は冷たい城 (講談社タイガ)感想「7月に流れる花」がなかなか見つからなくてずっと積んであったのだけれど、順番に読んでよかったと思う。仕掛けのわかった上で進む林間学校男の子版。すぐ目の前に確実にある一番身近な人の「死」を待ちながら過ごす夏。文字通り「冷たい城」そしてラストのある謎解きはゾッとするし同時に常野の「しまう一族」を思い起こさせるものでもあった。いや、その手法は全く違うしあちらが暖かい感情を沸き起こさせるのに対してこちらは正直…嫌悪感…のみなのだけれど。たった一人になったときその存在はどんなものになるのだろう。もちろんこれが→読了日:04月04日 著者:恩田 陸
七月に流れる花 (講談社タイガ)七月に流れる花 (講談社タイガ)感想久しぶりの恩田さん新作。雰囲気は理瀬シリーズに似ているなぁとなんとなく感じながら読み始め、ぐいぐい恩田ワールド独特の雰囲気に引き込まれていった。大作、ではないけれど昔、初めて恩田作品を手にした頃の感覚に似た景色でとてもよかったです。「メメント・モリ」死を想う。悲しく淋しく哀しいその先に「生」を想って。8月にいきましょう。読了日:04月02日 著者:恩田 陸
ポーン・ロボットポーン・ロボット感想図書館本)素子さんの書評から手にした一冊。確かにどこか懐かしい匂いのするジュブナイルSFかな。懐かしのnhk「少年ドラマシリーズ」(ご存じ?)をイメージしてしまった(笑)オマージュでは決してないのだけど。生き物の生死とロボット、AIとの関係なんかを現代の子どもたち向きに書くとこうなるのかな?昭和な少女(!!)にはちとあっさりしすぎてそれはないだろー!?とか思う面もあるんだけれど。失った命は戻らない。その上で真っ直ぐ前を向いて生きていく。出だしはちょっと怖くてビビりましたけどそれもどこか懐かしの怖さでした。読了日:04月01日 著者:森川成美
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2019年3月の読書 とりあえず!

2019年04月30日 14時44分02秒 | ★★★毎月の読書まとめ

ダーティペアの大跳躍 (ダーティペア・シリーズ 8)
図書館)友人さんに教えてもらって。とにかく懐かしい。シリーズ8作目とな。メチャクチャでハチャメチャでどっかんバッタんなのが、懐かしい。まさか新作が読めるとは思ってなかったから、掠れた記憶を呼び戻す作業も楽しかった。ダーティペア…ラブリーエンジェル。安彦良和さんの表紙と挿し絵もまたまた懐かしく駆け抜けました。内容は。。うん。ダーティペアだわ!

高千穂 遙
読了日:2019/03/30

おおあたり しゃばけシリーズ 15 (新潮文庫)
あれ?結局「おおあたり」のよみうりを書いたのは誰だったんだろう?ここは謎のままなのね?。それはさておき。栄吉ー!!まさかこんなことになるなんて…そこが大いにショックです。そして彼の餡作りはいつになったら大成するんだろう。様々に幸も不幸も呼ぶ「おおあたり」どれがよい悪い、じゃなくて何事も身の丈にあったもので、なんて悟ってみたりして。若だんなの修行もまだまだ続きますね。

畠中 恵
読了日:2019/03/28

マスカレード・ホテル (集英社文庫)
一言。面白かった!加賀恭一郎シリーズ以来のツボっ、かも。映画化(観てませんが)に触発させて手にしたけれどもっと早く読んでおきたかったなぁ。潜入捜査で解かれるのは事件のややこしい真相と、そしてホテルマンの洞察の深さと仕事の深さ。一流ホテルという世界に凝縮される人生と人の心のあれこれ。血気盛んで少々自信過剰で鼻持ちならないタイプの新田刑事が少なからず人として成長する視点もあって、これぞ東野作品っ!と思いました。これは掴まったかなー。続編買います(笑)

東野 圭吾
読了日:2019/03/22


抱卵
図書館本)初作家さん、と言っていいかな。先日読んだ素子さん編纂の「ショートショートドロップス」で興味を持って。あちらに納められた「トレインゲーム」は改めて好き。「井戸の住人」はどこか現代っ子のショートショートと感じつつ楽しんだ。ぞっとするものや苦手なハード作品も多いけれど「短さ」でするりと受け入れられる作品群。「真夏の再会」の定番だけど軽くひねった展開はホロリとし、ラストの「芽吹きの里」は不思議がとてもステキな景色になっているのに何か物悲しい感じで好みです。他にも発表されていれば読んでみたい。
堀真潮
読了日:2019/03/18

ことりをすきになった山 (エリック・カールの絵本)
図書館本)読友さんの感想に惹かれて。荒野にポツンとそびえる岩山が一羽のことりによって長い長い年月の果てに緑を蓄え最後に心からの希望がかなうお話。「絵本」という形だからこその端的でさっぱりとした表現が、更に深くこのお話の先を読ませてくれる。といってもそんな読み方は大人のもの。子どもたちはきっと素直に山の悲しみに泣き、喜びに笑顔になるんだろうな。とてもすてきな一冊でした。手元に、置きたい。

アリス マクレーラン
読了日:2019/03/17



影踏み (祥伝社文庫)
友人ひいきの某氏が映画にご出演ということで。横山作品2作目。双子の弟と両親を不幸な事情で失った主人公がその耳の中で未だ存在する弟と対話しながら泥棒として生きるお話。短編連作形式でそれぞれの事件というか事柄を追いながら実は主人公の内面、弟や恋人の想いなど人の心内の複雑さを描き出すお話なのかな、と。警察官さんが殉職したりハードボイルド的表現があったりしても抵抗感なく読めたのはそこが大きいと思った。ラストは、ああ、やはり…でもなぁ。複雑。この先、久子と幸せになって欲しい、が願い。

横山 秀夫
読了日:2019/03/15



真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5) (ハルキ文庫)
あれあれ?こっちにも要ちゃん!?連続で読んで初めて気付きました。性別違うけど(笑)今回はすっかり3人での「はじめ食堂」が落ち着いて、でもそこで終わらぬ飽くなき探求心と柔軟性が示された一冊。イロイロあって、でもその時々を真剣に生きてきた一子さんの言葉が最後に響きました。

山口恵以子
読了日:2019/03/11


居酒屋ぼったくり〈5〉 (アルファポリス文庫)
ブックカフェで後半を一気に読んだので…まさかの展開にニヤニヤ止まらず完全に怪しいおばちゃんになりました(笑)初老のバーテンダーさんがステキ。そしてその後に今や社会問題にもなっているお墓のお話。自らのことも省みて様々に考え、そして改めて美音の考え方に激しく同意している自分。更に、要さんの言葉を重く受け止める自分。哲の迷いもそのご両親や祖父の想いもわかる。ぐちゃぐちゃ。とても居心地のよい「ぼったくり」の世界は同時にリアルな自分自身を見つめ直すこともあるのです。それにしても続きが気になる。次巻文庫化早くー!!

秋川 滝美
読了日:2019/03/07



…絶句〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
再読)なんか今回は違う方向に目がいった?昨今の猫さんブーム。こんな中でこの革命が起こったらどんな状態になっちゃって行くんだろ?なんて、ね(笑)それにしてもこの発想力はどこから来るんだろう。例えば視線を外したらダメ、は動物番組あれこれ好きだったりしてむかぁーしから知ってるが、こういう風にそこから(だけではもちろん無いけれど)ぐんぐんと何度でも読める世界を作り上げてしまう。文体でかなり誤解を持たれることもあるけれど(とてもそれは残念!)この緻密で力強い発想力と構成力。毎回脱帽して毎回ため息が出る→

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2019年2月の読書 柏葉幸子さんから素子さんへ大好きな作家さん祭り♪

2019年03月21日 15時23分17秒 | ★★★毎月の読書まとめ
2月の読書メーター読んだ本の数:4
読んだページ数:1236
ナイス数:635

読んだ冊数は少ない。
でも満足度は高い。
「岬のマヨイガ」子どもから大人までぜひ読んで欲しい作品。
新井素子さんはほんっと、ここまでずっと追いかけてきて良かった。そう思える作家さんで
そう思えること、出合えたことがとても嬉しい。


…絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
…絶句〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)感想再読)先日のトーク&サイン会後の友人とのおしゃべりでどーにも読みたくなって。元気な素子さんが元気な素子さんを描く一冊。上下巻の2冊@それぞれにおまけ付の新装版。とにかく楽しくて面白くてエネルギー満ち溢れていて、そして苦くてイヤなことも盛り込まれ、だけど笑える作品。読む度に同じ感情を抱き、そして…ああ、私も若かったなぁ、などと思っている。しかし飛んでもない作品だよなぁ←誉めてます!!ライオンさんの一言がとても重い。こちらのおまけは秋野信拓くん。ああ、もう「くん」と呼んでも違和感のない年齢になっちゃったぞっ。読了日:02月25日 著者:新井 素子
ゆっくり十までゆっくり十まで感想素子さんワールド全開!彼女の視点はいつでもブレなくて、どの一編もそれぞれ独特のひねりが効いていて面白い。かわいい。鋭い。あとがきで知りましたが実は通したテーマは「偏愛」なのだそう。でも素子さんのおっしゃる通り「変愛」が近いかも(笑)偏る愛。素子流に描かれるとこんなに楽しく不思議に転がっていくんですよね。昔は書けなかったショートショート。今はこんなに書ける。「昔から書けたらな」はトーク&サイン会での一言。うん。でもだからこその素子さん。楽しかった!ひゃっほぅ~♪読了日:02月16日 著者:新井素子
ショートショートドロップスショートショートドロップス感想面白かった。うん。文句なくほんっとに面白い女性作家さんたちのショートショート(定義は置いといて)を新井素子さんが編纂した一冊。既読の作品も未読の作品も、そのどれもがそれぞれの世界にするりっと連れていってくれて様々な分野をさらりっと覗かせてくれた。おおっこれは発見!となった初作家さん、とても懐かしくて久々に読みたいと感じた作家さん多々、そして素子さんの一作はこれはまだ「短いお話苦手です」とおっしゃってた頃の作品?←あやふや とにかくどれもが魅力的でそしてそれぞれの作家さんへの足掛かりにもなる本だなと思う→読了日:02月07日 著者:新井素子 編
岬のマヨイガ (文学の扉)岬のマヨイガ (文学の扉)感想【柏葉幸子さん読書会】をきっかけにずっと気になっていたこの一冊を購入。骨太などっしりとした物語だった。あの大きな震災とそして遠野に伝わる不思議話。それを柏葉さん流に練り上げてこの世に生きるものたちの前に進む力を著してくれていると感じる。ひよりとユイママとおばあちゃん。震災が繋いだ、他人だけれど血の繋がり以上に確かなあたたかい家族。読みながらエールを送り傷つきながら力を貰う。今まで読んできた作品にはないエネルギーを感じながら読み終えた。マヨイガに行ってみたい。岬のそれにも、そして本物のマヨイガにも(^^)読了日:02月03日 著者:柏葉 幸子,さいとう ゆきこ
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2019年1月の読書 初めてイベント参加してみた

2019年02月21日 21時24分06秒 | ★★★毎月の読書まとめ
読書メーターで日々いろいろやっているイベント。
お誘いいただいて、初めて「柏葉幸子さん読書会」に参加。
って読んだら感想UPするってのだけど、知らなかった作品を教えてもらえたり、
いいもんだなぁ、と思う。月をまたいでまだ作品があるのだ。

1月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1202ナイス数:611アンナの赤いオーバー (児童図書館・絵本の部屋)アンナの赤いオーバー (児童図書館・絵本の部屋)感想図書館本)読友さんの言葉に惹かれて。戦後の何もない時代の物語。赤いオーバーを作るために母親が羊毛を手に入れるところからコツコツと、一つ一つ母子が共に手に入れていく様が、暗い時代とばかり表現されがちな時にあたたかな気持ちを持たせてくれる。そして最後にとてもステキなクリスマス。赤いオーバーが出来上がったことももちろん嬉しいけれどそれ以上に、関わった皆で暖かく楽しく祝える時を持てること。その大切さ、ありがたさがこころに沁みた。ステキな絵本です。読了日:01月30日 著者:ハリエット ジィーフェルト
dele2 (角川文庫)dele2 (角川文庫)感想図書館本)ケイが哀しい。祐太郎も哀しい。徐々に関係が変わっていったふたり。ラストの何もかもがわかった後でさえ友達だと言えるふたりがこの先近いうちにまた、道を同じくできたならば…と祈ってしまう。限りなく優しい、でも限りなく辛い物語だった。ドラマではつい「続編欲しいなぁ」と思ったけれど、活字で改めて読むと、このお話はここで終わり、だろうか。それでいいと思う気持ちと、でもこの先が知りたいと願う気持ちと両方がいま、存在する。読了日:01月30日 著者:本多 孝好
私の少女マンガ講義私の少女マンガ講義感想図書館本)予想以上の読み応え。萩尾望都せんせがこんな講演活動をしていらっしゃるとは。そして現代社会の問題に真正面から向き合って語られる言葉にも驚きとともに考えさせられた。いつの間にか「漫画」も確実にひとつの文化になっている。表面の軽い言葉としての文化じゃなくてもっと深いなにか。改めて近年の萩尾望都作品にも触れてみたいと思いながら、若干躊躇しているかな。それからなるほど、作家さんも年齢で描けるものが変わっていく。そんな中、エドガーやアランがそこにいてくれて本当に嬉しい。また会いに行こう。読了日:01月22日 著者:萩尾 望都
狼ばば様の話 (文学の扉)狼ばば様の話 (文学の扉)感想【柏葉幸子さん読書会】シリーズ3作目。年末からおばあちゃんが過ごす湯治のお宿に一緒にきた瞳子。そこで語られる昔語りとそして巻き込まれる不思議。温泉宿のたっぷりのお湯に浸かったようにほっこりと身体もこころもあたたまる、そんな物語だった。スガの平は誰も拒まない。来るものを受け入れてくれる。ひとりで頑張らないで頼っていいんまよ。瞳子の言葉と願いに胸がぎゅうっとなります。おばあちゃんの友達もわかり、これからは皆で過ごす楽しい時間もあるのかな。あ、その前に瞳子はスキーをしっかり練習しないとね(^^)読了日:01月15日 著者:柏葉 幸子,安藤 貴代子
狛犬「あ」の話 (文学の扉)狛犬「あ」の話 (文学の扉)感想【柏葉幸子さん読書会】(図書館本)瞳子とおばあちゃんであるつた子先生の物語2冊目。今回もつた子先生と「不思議」に関わるのかな?と読み始めたら違った。なんと瞳子がひとり、つた子先生の代わりになって「不思議」と関わるお話で、そしてそれは瞳子のおかあさんに繋がるものでした。母親の気持ち、子どもの気持ち。どちらも感じてどちらも分かる瞳子の心根がとてもやさしく、そして逞しい。体験した(夢で教えられた)ことを元に、おばあちゃんとおかあさんの気持ちをつなぐことになるのでしょうか。「不思議」を描きながら→読了日:01月13日 著者:柏葉 幸子,安藤 貴代子
つづきの図書館つづきの図書館感想【柏葉幸子さん読書会】再読)ももさんという不器用で引っ込み思案の大人の女性を主人公にしたお話。絵本から何故か抜け出してしまった王さまや狼、あまのじゃく、幽霊と一緒に知りたい続きの謎解きしながらも、実は父親の過去を紐解くことにもなる物語。ラストが辛くて毎回読みながら構えてしまうのは私が大人だからなんだろうか。ももさんの続きを「もう大丈夫」と信じていった人(?)たち。そしておばさん。せめてその絵本たちをももさんの手元に残せたらよかったのに…。毎回願って辛く、そしてまた痛みも感じてしまいます。読了日:01月10日 著者:柏葉 幸子
霧のむこうのふしぎな町 (子どもの文学傑作選)霧のむこうのふしぎな町 (子どもの文学傑作選)感想【柏葉幸子さん読書会】再読回数不明本)小学校の時から今までずっと手元に置いて大切にしている物語。いつ読んでも何度読んでも最後の章にくると淋しくて、またこの町に来られますように、と願う。霧のむこうにあるこの町に行きたいと本気で願った子ども時代。それから長い時間が経ったけれど今もまだ変わらない気持ちを持っている。ふっとそこの角を曲がったらあの石畳の通りに出られないかな?表紙が今は違っていて淋しくはありますが私は初めからのこの表紙のこの本をずっと大切にしています。ナータと同じように。読了日:01月04日 著者:柏葉 幸子
読書メーター

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2018年12月の読書

2019年01月24日 06時05分34秒 | ★★★毎月の読書まとめ
あやうくまたまとめをしそびれるところでした。
一年間。いろいろあったな~(^^;

本は私の安定剤です。
これからもずっと。

今回一年間のまとめを某所でつぶやいてます。2018年10月をまとめ忘れてしまったんで。とほほ。。


12月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1618
ナイス数:465

花守の話 (文学の扉)花守の話 (文学の扉)感想
【柏葉幸子さん読書会】(図書館)読友さんに教えて頂いて初の参加&久しぶりの柏葉さん新作。朝一気に読めるサイズのカテゴリーは児童書。不器用なおばあちゃんと不器用な孫の八百万の神々との交わりの物語でした。これはもう大好物な世界です。「花守」は鬼の役目。その訳がとても哀しくて素敵であたたかい。そして「桜」にそういう役割があるんだな、と単純に「春」ではなく生きることに繋がるお話に「昔ばなし」の力強さを感じます。瞳子とつた子先生。「花守はいたのですから」と言い聞かせつつ行動する姿にほこっとして→
読了日:12月29日 著者:柏葉 幸子
編集者ぶたぶた (光文社文庫)編集者ぶたぶた (光文社文庫)感想
はぁぁぁぁ。絶対の安心感。安定感。今回の彼は編集者さんでありまた、元編集者さんでもあって、そしていつものごとく、相対する人たちを自然な形で元気にしてくれた。それは間違いなく読み手も含めて。すっごく気になったのは「長い夢」の作家さんの作品。書くのかな?書くのならばそれをかの人に読んでもらえるうちに書くのかな?親の気持ちではそうしてほしい。でも子の立場だとそうできなくても理解できる。なんて考えながら、読んでみたいなぁと思っていた。シリーズ20周年の〆の1冊。また繰り返し読む手離せない1冊になりました。
読了日:12月28日 著者:矢崎 存美
居酒屋ぼったくり〈4〉 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり〈4〉 (アルファポリス文庫)感想
今回はあちらこちらで胸に響く言葉があったなぁ。というか、美音さん立派過ぎる!と思う面もちらりと…。町も人も人々もそれぞれに少しずつ変わっていく。それが生きているっていうことだよね。この先どんな風に変わっていくのかをぼったくりのお店と一緒に見続けて行きたいなと望みます。作りたいレシピもあれこれ。そして初めてスパークリングの日本酒、買ってみましたよ。お正月に試してみよう。
読了日:12月24日 著者:秋川 滝美
海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)感想
「行ってくる」…12年に渡った物語が静かに幕を下ろした。何でもない(でも様々なものを抱える)日常を生きることを淡々と描いて。「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」必ず聞こえるこの言葉があるからこその、「行ってくる」すず、よかったね。そしてその先のエピソードもひとつ。そうか。そうだね。心に一抹の寂しさも残してこの物語が終わりました。すこし余韻にひたったら、また始めから読みたいと思います。
読了日:12月19日 著者:吉田 秋生
dele ディーリーdele ディーリー感想
図書館本)初作家さん)ドラマ→原作)ドラマが楽しかったので。電子情報から始まる物語、といっていいんだろうな。依頼者の希望する時間が経過してもPC、携帯電話が使われなかった場合に本人の望む「データ」を速やかに削除します。そんな仕事。死亡確認に動き生身の人たちと関わる所員とデジタル関係を一手に操る所長。このふたりの関わり方もそして更にその姉とのことも面白く、依頼された人々の様々な関係もまた興味深く読める。なんか、面白いぞ!続きが手元に届くのが待ち遠しいです。が、文庫になってるんだよね。買おうかな(笑)→
読了日:12月18日 著者:本多 孝好
居酒屋ぼったくり 3 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり 3 (アルファポリス文庫)感想
前作から少し間があいてしまったので来店する常連さんたちを把握できるかな?と思ったんですが杞憂でした。姉妹の営むのんびりとした町がとても魅力的でこんなところに住めたらなぁ、と思いながら美味しく楽しく読みました。
読了日:12月11日 著者:秋川 滝美

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2018年11月の読書

2018年12月28日 16時16分27秒 | ★★★毎月の読書まとめ
10月の読書のまとめが出来なかったのは痛恨の極み…
バタバタしてたらすっかり失念してしまったのであった。
そこは、仕方なかったんだけども、さ。。はぁぁぁぁ。
そして11月は記録的に冊数が減っている。
これはこれで納得なのだがやっぱりちょっとさみしいね。

11月の読書メーター読んだ本の数:3読んだページ数:1051ナイス数:378ブラック・ベルベット (双葉文庫)ブラック・ベルベット (双葉文庫)感想単行本で読了作)文庫になったら手元にパターン本。そーだった。壮大なスケールで恵弥の騙されるお話だった。どーなるんだ?と惹き付けられつつ、軽やかな恵弥の言葉や態度に楽しませられつつ、過去の物語を感じつつラストまで。恩田ワールドでもこのシリーズはなんだかいつも「あれ?」となりながら結局「でも、面白かった」で終わるんだよな(笑)この先、彼がどういう道に進むのかが一番気になって読了しました。シリーズ最初からまた読み返したくなる!読了日:11月21日 著者:恩田 陸
刑事ぶたぶた (徳間文庫)刑事ぶたぶた (徳間文庫)感想再読)ぶたぶたさんのシリーズの中でも大好きすぎてどーしよーもない1冊。大笑いしてニヤリとして心から楽しむ反面、とてもシビアに現実がそこには存在していて油断できない。でもとても面白い。自分の日常がバタバタのぐちゃぐちゃな中でもこの本を開くと目の前の世界にスルリと入って笑ったり苦い思いをしたりこらー!と思ったりできる。ほんとに大好きな1冊です。また刑事ぶたぶたさんの新たなお話に出会いたいなぁ(願)読了日:11月12日 著者:矢崎 存美
ぶたぶた【徳間文庫】ぶたぶた【徳間文庫】感想再読)20周年の新作からの振り返り。最初の一歩、ここがあったから今がある。それぞれの物語は別々の世界のようで、時には完全なファンタジーにも感じるのにラスト。その1話がみんなをつなげる。とてもとてもこのふたりが羨ましいなぁ、と思いそして、やっぱりとても切ないなぁとも感じる1冊。今続いているシリーズの原点はおんなじだけどどこか違う。違うけどこれがぶたぶたさんの全てだとも思う、そんな物語。読了日:11月02日 著者:矢崎存美
読書メーター

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2018年9月の読書 天久鷹央シリーズ再読突入

2018年10月15日 11時15分07秒 | ★★★毎月の読書まとめ
なのに超スローペース。
集中力、やる気はとっととっと逃げていき眠気だけが寄ってくる今日この頃。
だーさん実家からの宿題をやるためにイヤイヤ立ち上げたPCで今月のまとめをしていないことに気がついた。
なんだかもう。
とにかく何もかもどうしていいやら分からない。

でも
そう。
私、じゃないんだ。
私は一歩も二歩も引いたところにいて、いいんだ。

言い聞かせる日々。ちっともうまくいかないんだけれど。


9月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2864
ナイス数:738

幻影の手術室: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)幻影の手術室: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)感想再読)鴻ノ池に殺人容疑がかかり、逮捕一歩手前まで追い詰められる、という内容。見えない殺人者に怪談話。心の折れかかる鴻ノ池。なんだか今回はかなり精神的にハードでした。なんでかな。その真犯人の計画の巧妙さに背筋が寒くなり吐き気がするくらいイヤだと思ったからかな、と自己分析。ラストの変わらなかった3人の風景に肩の力を抜きました。読了日:09月29日 著者:知念 実希人
天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)感想再読)そういえばこんなお話だったなぁ、と思い出しつつ読む。素子さん作品を思い出す物語の仕掛けはここだったか。この頃は鴻ノ池はまだまだおとなしかった?いやすっかり彼女の行動と言動にこちらが慣らされてしまった?「悲恋」の後の鷹央の行動に爆笑したけれど、ホントにこの二人はお似合いだよなぁ。端で見ていてもどかしい。呪いの正体やごみ屋敷の謎、そして悲恋と扱う事件は日常のあれこれなのだけれど解決が見事に医療に関連してるのがさすがだな、と思う。読了日:09月27日 著者:知念 実希人
スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)感想再読)鷹央と小鳥先生の始まりの物語。読むたびにかなり、疲れる。けれど、二人が抱えるそれぞれの重荷を二人だから支えあえるんだろうな、と改めて思う。この土台の上にその後の様々が重なっていくんだなぁ。読了日:09月24日 著者:知念 実希人
天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex)感想再読)コンビ解消になるのか!?というエピソードがメインの一冊なのだけれど、今回一番気になったのは、某精神科医の彼女。こんなんでこの科の先生で(しかも部長で)いいのか!?なんて、ね。鷹央限定なのかもしれないんだけど、この姿を見せられたら、患者としては自分の不安定な状態を安心して任せられるとは思えな……(^^;そこを力一杯突っ込んで、メインのコンビ維持大作戦は「そーだったそーでした!」と思い出しつつ楽しく読ませていただきました。読了日:09月23日 著者:知念 実希人
天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)感想再読)医師は自分が無力であることを知らなければならない。それを知って初めて患者と向き合える。鷹央が向き合うために乗り越える物語は、哀しすぎるけれど病と向き合う場所では避けては通れないこと。ミステリー仕立ては苦い味もするけれど、それもまた、あり。何度読んでもラストは辛く、そしてほんとうに微かに、、あたたかい。読了日:09月18日 著者:知念 実希人
天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex)感想再読)予想外に週末に掛からずに読めてしまった(笑)いま、この鷹央のきっぱりとはっきりと物を言う姿を見られる、いや読めることで、自分の心の中のどろどろが少し楽になる。気持ちいいなぁ。こんな風に相手に対して言い切ることができたら、どんなにスッキリするだろう。。なんて、病んでる部分が鷹央の姿や行動で少し治療されました、かな。
新刊読んだ後の発作。でもその衝動って案外正しかったりするんだな。読了日:09月14日 著者:知念 実希人
カードキャプターさくら クリアカード編(5) (KCデラックス なかよし)カードキャプターさくら クリアカード編(5) (KCデラックス なかよし)感想………えっ!?アニメの方を観ているので今回は内容はほぼ知っている世界だった。映像よりも更に詳しくわかる諸々。カードのこと、魔術師の力。でも小狼に纏わることが。ぬいぐるみのくまさんはそんな役割だったのか、と納得したのも束の間。ええ?小狼なの!?え?CLAMPさんだしアニメと全く同じはずはない、と思ってはいたけれど、えー?これでまたこの場面でお預けっていうのは。。。続きはいつですか?そして何とも言えないこの不安感はきちんと払拭してもらえる、んですよね!?気になるー。続きーー!!読了日:09月14日 著者:CLAMP
火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)感想今回もまた好き勝手に立ち回る鷹央ちゃんに振り回される小鳥先生、そして多少鬱陶しかったりする鴻ノ池かな?と思ったら、この3人の関係や様子はすっかり落ち着いた安定感があって、掛け合い漫才さながらに力一杯笑ったり苦笑したり納得したりと楽しめて、さらにそこに葵さんという女性がいい味を出していた。事件は単純なことにそれぞれの人の思惑が重なって闇を深くしたがために鷹央を迷宮に迷い混ませて苦しめて、そちらの解決にもなるほど、と思った。巻を重ねる毎に魅力がます二人の関係と医療ミステリな物語をもっと読みたい、と望む。読了日:09月12日 著者:知念 実希人
浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族 (講談社文庫)浜村渚の計算ノート 8と1/2さつめ つるかめ家の一族 (講談社文庫)感想横溝作品を渚流に変換した作品。え?綾辻さんも?とにかく混乱してよくわかんなくて、復習でなんとか納得したよーなしないよーななのですが、そのラスト。学ぶ意味などないという人に語る渚ちゃんの言葉が深かった。そしてあとがきにもなるほど、と頷いて納得。「習っていないから」これって案外とても大切な事なのかもしれないな。で、ひとり姿をくらませた人はその後全く触れられてない気がするんですが、何か今後に関わるんでしょうか?香奈さんは今後も登場希望です(笑)読了日:09月09日 著者:青柳 碧人
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2018年8月の読書

2018年09月05日 22時19分06秒 | ★★★毎月の読書まとめ
8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2144
ナイス数:882

ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4) (ハルキ文庫 や 11-5)ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4) (ハルキ文庫 や 11-5)感想
シリーズ4作目。お馴染みになったはじめ食堂の、今回はお店から一歩出た外の世界も描かれた。常連さんの風景。一子さんと二三さんの銀座の食べ歩き。要や万里くんの仕事や休暇。どこかにしっかり食べ物のことを置きながら、それぞれの人に一歩踏み込んだ描かれ方がされていて、さらにこの世界に深見がでたかな。楽しい物語。続きがあるのならばまた手にしましょう。そして他の作品も読んでみたくなっている。
読了日:08月30日 著者:山口恵以子
愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3) (ハルキ文庫)愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3) (ハルキ文庫)感想
孝蔵さんと一子さんのはじめたお店は、一子さんと高さんの代で洋食から家庭料理に変わり、二三さんが大切にそれを守り引き継ぎ。そしていま、万里くんが加わったことで少し新しい風が吹き込んできた。色んな事件が絡まったお話だけれども、通して思うのは万里くんの成長記録?最後のお話はまさにそれ。きっと、変わらずに在るものの横に今の風が寄り添うようになるんだろうな、と思えるラストが心地よかった。イロイロ作ってみたいメニューもあるけれど、一番は。孝蔵さんのコンソメスープを飲んでみたかったなと思います。
読了日:08月25日 著者:山口恵以子
恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2) (ハルキ文庫 や)感想
図書館、単行本で読了)再読)文庫4冊大人買い(笑)ここまでは再読コースなのですが、すっかり忘れている諸々もあって素直に楽しめました。はじめ食堂が始まった時からの物語。何よりも孝蔵さんがかっこいい。というか良すぎる(笑)一子さんの庶民感覚もとても素敵で本当に身近にこんなお店があったらなぁ、と思える世界。そして私は四葉銀行の老夫婦がまたとても好きです。世代別の理想の夫婦があちらこちらに?そんなことも思いつつ今回は読んでいました。
読了日:08月21日 著者:山口恵以子
食堂のおばちゃん (ハルキ文庫)食堂のおばちゃん (ハルキ文庫)感想
単行本・図書館で読了)再読)さすが、の一言。実際作者ご本人が食堂のおばちゃんだったこともあるだろう、どっしりと地に足の着いた安定感があって本当に楽しい。そして美味しい。人と人の関係や姿も、かっちりと歩んだそれぞれの人生の時間に応じたものに思える。だから何度も読みたくなる。文庫になったら手元に欲しいな、と思って漸くかなえたシリーズ。このまま次に進む(^^)
読了日:08月16日 著者:山口 恵以子
くちぶえ番長 (新潮文庫)くちぶえ番長 (新潮文庫)感想
再読)図書館→本屋さんで今回手元に来てもらい帰省の友で一気に読む。おじさんになったツヨシが小学4年生の時のくちぶえ番長マコトとの思い出を語る。懐かしい色に包まれながら子ども時代の夢中で真っ直ぐで切なく甘くほろ苦い世界が描かれて、子どもよりもきっと大人が引き込まれてしまうんじゃないかな、と思う。ラストがなんとも切ないのだが、だからこそまた、思い出したその時代が光り輝くのかな。と、感じるのはおじさん、おばさん(笑)同年代の子どもたちにもきっとたくさんの思いを引き出してくれる世界のように思う。気持ちのよい世界。
読了日:08月13日 著者:重松 清
紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)感想
初作家さん)図書館本)読友さんの感想がきっかけ。恥ずかしながら翻訳本であることは手にして初めて知った。ハヤカワSF文庫。とても久しぶりでそして。海外の作品は昔と変わらず難しくて苦手で、そして大部分が理解し難く…私はちっとも成長できてなかったorz。。そんな状態だったが「紙の動物園」はもどかしすぎたがラストはとても切なく「心智五行」は興味深く「文字占い師」は重すぎるしラストの息苦しさも別格の真っ暗闇だったけれど考えさせられる物語として残る。この本はなぜSF?と思った違和感は訳者あとがきで理解しました。
読了日:08月11日 著者:ケン リュウ
黒書院の六兵衛 下 (文春文庫)黒書院の六兵衛 下 (文春文庫)感想
最後の武士。いや、最後の旗本。六兵衛とは何者か?というひとつ事のみを問い続け、様々な憶測、妄想を経て終いには神仏にまで奉られ。彼の最後に加倉井にかけた言葉が重い。時代の終わりと始まりを繋いだ姿。江戸城の奥で最後のさいごまで武士としての矜持と振る舞いを貫き通した、やはり最後の武士、か。箱館に散った彼といい幕末は出自は違えども武士として生き抜く力は生まれから武士であるより強いのか。鰻の件から後は終わる時代への想いも重なり辛さ、淋しさを感じながら読み終えた。黒書院の六兵衛。想像よりずっとおおきな深い物語だった。
読了日:08月09日 著者:浅田 次郎
黒書院の六兵衛 上 (文春文庫)黒書院の六兵衛 上 (文春文庫)感想
的矢六兵衛とは一体何者なのか。その一点をひたすら追って淡々と進む物語。いや、一向に進まない作業と粛々と「その時」に向かって流れる時間、か。謎だらけの一人の男がここまでとことん訳がわからないとは。同時に。江戸城の無血開城になるまでの勝安房守を筆頭に名もない武家の人々の奮闘、混乱が、時を経るにつれてとても寂しくて切なくなっている。加倉井隼人は謎を解くことができるのか。下巻に進む。
読了日:08月01日 著者:浅田 次郎

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2018年7月の読書 実質4冊!?

2018年08月15日 09時23分01秒 | ★★★毎月の読書まとめ
あれ?今日はパソコン機嫌いいな♪
ちっとも読めなくなってます。
テレビきっかけだったり、上の子の本棚きっかけだったり、
なかなか普段ならば手にしないものを読めたのは面白かった。

7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1179
ナイス数:712
カドフェス 発見!角川文庫2018
カドフェス 発見!角川文庫2018感想本屋さんに並んでる作品をざっと眺めた時は「持ってる」「読んだ」う~ん…だったんだけど、実はブックカバーを頂けるってのは一番魅力的だったりする。で、冊子を貰ってきて見たら。ふむ。あら。見かけなかったぞ?な作品数冊あり。「かまわぬ」カバーを併せて頂ける間に再訪しなくては!夕方歯医者さんのあと、また出没かなぁ(笑)読了日:07月19日 著者:株式会社KADOKAWA
異郷のぞみし-空也十番勝負 青春篇 (双葉文庫)異郷のぞみし-空也十番勝負 青春篇 (双葉文庫)感想四番勝負。このところ異郷の剣とが続きますね。空也が空也だからこその人たらしぶりに苦笑もしつつ、安定した変わらない世界を旅しました。関前藩に江戸の方面。こちらにもプラスアルファが起きてきて、さてこれからどうなるのかな?とにもかくにも霧子ちゃん(なんて呼べなくなったなぁ/寂しい)おめでとうございます。読了日:07月17日 著者:佐伯 泰英
君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)感想初作家さん)上の子の本棚から何となく抜き出して読んでみた。…同年代にはおそらく「響く」お話。不治の病の少女と彼女に出会った少年の恋物語、なんですね。大昔の同年代(!?)には予想できるそのまんまな運びで諸々すこしく物足りないものがあり…。でもそれはこちらの勝手。ライトノベルとして若い子たちが手にとるには読みやすい作品と思います。デビュー作品だそうでちょっと納得。この先書き込んでいかれるとまた変わっていきそうな期待感は持ちました。読了日:07月06日 著者:佐野 徹夜
歌集 滑走路歌集 滑走路感想すこし前にNHKのニュースで特番が組まれたのを観て。ニュースでは非正規雇用にかけて紹介されていたけれど、もちろんその厳しさを詠んだ作品も多いけれど、もっともっと、ご本人の心の内側をストレートに表現される句の歌集だった。おそらく、同年代の人たちの方がずっと受け取れるものも多いのだろう。素直な言葉の並びは単純な型通りではないため、素人にはすこし戸惑う面もあったけれど、途中からは短歌というより詩のような感覚で読んで、その想いの1片だけでも受け止められた、だろうか。遺稿となったこと。とても残念です。読了日:07月03日 著者:萩原 慎一郎
崩れる脳を抱きしめて崩れる脳を抱きしめて感想図書館本)毎度たっぷりと待たされて(予約から半年くらいかな)やっと読めたこのお話。プロローグに黒猫ちゃんが出てきたことで某シリーズなのかと思いきや、ほぼ、違いました。でもレトリバーくんも登場する、舞台(世界)は同じところのお話。表題通りの状態のユカリさんとその担当医となった研修医のウスイ先生。医療ミステリーの雰囲気を醸しつつ、そこよりもっと刑事事件寄りでもあり、また人と人との思いやりや命の物語でもあり。当初気になったことが後半できちんと謎解きされ、ラストはきちんと満足いく形でした。が、同時にとても寂しく→読了日:07月02日 著者:知念 実希人
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