のんびりぽつぽつ

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「ペンキや」

2007年02月04日 22時20分34秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 著・出久根 育 絵。
理論社。

梨木さんの絵本シリーズ3冊目。
以前の2冊よりも、随分と難しい・・・ような気がします。

ペンキやの息子に生まれ、ペンキやになった一人の少年しんや。
父親の歩んだ道を自分も歩み、そして、相手の望む色を見つけ出してはペンキを塗る。
その一生は、職人として真摯に仕事と向き合った日々。

色。
沢山の色を沢山たくさん塗り続けると、最後はどうなるの?
どうしても
まっくろ。
と答えたくなってしまうのだけれど、
この本に教えられる。

ユトリロの、白。

人生を精一杯に生き、伴侶と共に歩む。
その一生の最後の色が、白。

とても、
とても、人の一生に対しての、精一杯に生き抜く人たちに対しての暖かさを感じる。
同時に、
その一生の最後の瞬間は、衝撃でもあったのだけれど。
(でも、死とは、そういうものかもしれない、とも、思う。)

私が塗り続けている沢山の色は、最後に「ユトリロの白」になれるだろうか。

ふかく、深く。
明るく、あたたかい、白。

そんなことを思いつつ、本を閉じる。

ふしぎな絵と共に、深く考えさせられる一冊。

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