夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

『みゆき舞ふ 田沢の森 冬の訪れ』~田沢高原滞在記~【11.11.13.~11.16.】 第4回

2011-11-17 18:57:19 | 
      第三章 夕暮れより雪が舞い降りて

私たちグループは、『孫六温泉 』に入浴した後、
宿泊している『プラザホテル山麓』のご厚意で、マイクロバスで『休暇村乳頭温泉』に行き、
館内の内風呂、そして周囲はブナ林の露天風呂に満喫した。
過ぎし10月中旬は、ブナの黄葉を中核にトチ、クリ、ハンノキ、そしてウルシなど紅色、朱紅色も加わり、
錦繍(きんしゅう)に染まった、と常連の方から、私は教えられ、
落葉した今のブナの樹々に語りかけるように、その頃の情景に思いを馳せたりした。


この後、『プラザホテル山麓』に帰還した私たち夫婦は、
家内がホテル内のお土産売り場で買い求めてきた数々の中から、
私は地酒を吞みながら、漬物を友として頂いた。

この中のひとつには『いぶりがっこ』もあり、沢庵(たくあん)を燻製にした歯ごたえのある漬物で、
辛口の純米酒にぴったりねぇ、と私は家内に話しかけたりした。

或いは『三撰きのこ』も波長に合う。
椎茸と舞茸、平茸を手づくりの辛子に和え、風味のある辛めのアンサンブルとなった茸である。

そして『青なんばん みそっこ胡瓜』も欠かせない。
青唐辛子に胡瓜で、独有のみそ漬けである。

以上、家内と比較すると味音痴の私でも、朝食のバイキングの時に、瞬時に魅了されて、
こよなく愛した食べ物であり、決して食通ではない。


辛味の苦手な方であれば、『いぶり たけのこ』が最適であり、
孟宗竹の筍(たけのこ)に、比内地鶏スープで味付けして、シコシコと柔らかく、
婦女子でも愛食されると私は思ったりしたのである。
私の幼年期は農家の児として育ち、生家は孟宗竹の竹林があり、
筍(たけのこ)を出荷していた情景も鮮明に残っているし、
そして何かと今でも好きな筍であるので、
少し甘さが残るが、お酒の相方として食べたりした。

このような食べ物を昼食代わりにして、辛口の純米酒の四合瓶を吞み干すと、
少し酔いが廻り、眠くなり、3時過ぎの昼寝となった。

そして目覚めると、夕暮れとなり、ぼんやりと外を眺めると、
わずかに雪が舞い降りていた・・。
『貴方が待ち焦(こ)がれていた雪・・降りましたわょ』
と家内は微笑みながら私に言った。

そして夜を迎えるので、少しは積もりかしら、
明日の朝は15センチぐらいの積雪が望ましいねぇ、と私は家内に話したりしていた。

                            《つづく》                        


☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みゆき舞ふ 田沢の森 冬の訪れ』~田沢高原滞在記~【11.11.13.~11.16.】 第3回

2011-11-17 15:18:30 | 
      第二章 乳頭温泉郷の『孫六温泉』

私たち夫婦が参加した今回の団体滞在のツアーは、
私たちを含めて60代、70代の夫婦が8組、女性の70代のグループの3名、男性独りの60代の2名、
女性独りの60代は1名のメンバーであり、
集合した東京駅では、私は微苦笑したりした。

やはり日曜日の13日から平日の16日まで、田沢湖の高原温泉にある観光ホテルに3連泊し、
乳頭温泉郷めぐりも出来る温泉三昧の旅は、第一線を退かれて、日常生活を過ごされている人たち、
と私も定年退職後は年金生活し、早や8年生を迎えている身なので、
予想通りのメンバーと感じたのである。

到着した翌朝、予定通り宿泊している『プラザホテル山麓』のご厚意で、
マイクロバスで乳頭温泉郷のひとつ『孫六温泉』そして『休暇村乳頭温泉』めぐりに、
朝の9時45分に乗車した。


私は前夜に遅ればせながら、乳頭温泉郷は『休暇村乳頭温泉』を中核に、
『休暇村乳頭温泉』この周辺にそれぞれ独特な個性を持つ温泉宿の『鶴の湯温泉』、『妙乃湯』、『大釜温泉』、
『蟹場温泉』、『孫六温泉 』、『黒湯温泉』が広大なブナ林に点在していることを学んだりしていたが、
ブナ、トチ、クリ、ハンノキなどの落葉樹の中、スギの樹が観られる遥かに広い地域にあると車窓から知った。

まもなく『鶴の湯温泉』の入口を道路の左辺に見たりし、やがて『孫六温泉 』の看板が見えて、
小道を少し入った後、駐車場で私たちグループは下車した。

そしてホテルの方に案内されながら、
私は入浴に必要なタオル、バスタオルを入れたビニール袋を右手に提げて、
私たちのグループは歩き出した。
森の小路を下るような道で、晩秋の柔らかな陽射しを受けながら、
ブナ、トチ、クリ、ハンノキなどの落葉樹のたわわな落ち葉を踏みしめて歩いた。

しかし『孫六温泉 』の建物は観えず、急な坂道を下ったりし、
ご高齢の方たちは大丈夫かしら、と私たち夫婦は言葉を交わしたりしていた。
やがて谷底にあるような『孫六温泉 』のそれぞれの建物が観えてきた・・。

http://www.nyuto-onsenkyo.com/magoroku.html
☆『乳頭温泉郷』~癒しの森と湯めぐりの旅~ 乳頭温泉組合オフィシャルサイト<==『孫六温泉 』☆

私は混浴の内湯のひとつに入り、同行の男性の60代、70代の4名の方たちと入浴していたが、
女性の4名が入浴してきたので、
やむなく私たち5名は、近くの露天風呂に移動した。

私は程ほどの熱さあれば、温泉の泉質、効能は問わず、
何よりも周辺の情景を優先しなから、解放感を享受するタイプであり、
その上に今回同行した方たちと懇親も兼ねて、談笑を重ねたりした。

そして落葉した幾重かの山脈(やまなみ)に晩秋が過ぎてゆく情景を観たりし、
入浴後は素朴な幾つかの建物に、山里を感じながら心を寄せたりした。


その後、ゆっくり10分ぐらいの坂道を登りながら、駐車場に戻った後は、
私たちのグループはお互いに親近感を増して、
マイクロバスの車内は笑い声をまじえながら言葉を交わしたりした。

                             《つづく》

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みゆき舞ふ 田沢の森 冬の訪れ』~田沢高原滞在記~【11.11.13.~11.16.】 第2回

2011-11-17 10:08:46 | 
      第一章 初めての乳頭温泉郷は・・。

私たち夫婦が参加した田沢湖の湖畔より北上した山麓にある『プラザホテル山麓』に3連泊し、
滞在する日中の合間に乳頭温泉郷めぐりもあり、
この団体滞在のツアーには、
《 ~人気の秘湯「鶴の湯温泉」も入浴~
 硫黄香る田沢湖高原と
 秘湯「乳頭温泉郷めぐり」4日間 》
と明示されていた。

私は乳頭温泉郷は未知の世界であり、田沢湖から国道341号を北上した先の玉川温泉には、
20数年前に立ち寄り、入浴した体験があったが、
いつの日にか乳頭温泉郷には、と念願していた。

旅立つ前、乳頭温泉郷のひとつ「鶴の湯温泉」の中で、
乳白色の野趣あふれる混浴露天風呂が14日の月曜日は清掃日と知り、
今回の団体滞在のツアーでは、無念ながら機会をなくした、と落胆していた。

私は『プラザホテル山麓』のご厚意で、マイクロバスで乳頭温泉郷めぐりは、
15日の火曜日にして欲しい、と私のいつものような明るい笑顔で懇願してみるのも、
ひとつの方策かしら、と秘かに思い、家内に話したら、
たとえ貴方のお調子者のお願いであっても駄目でしょう、と家内に笑われてしまったのである。


しかし世の中は、しばし秘かな願いは叶うことがあり、
私たちグループが『プラザホテル山麓』に到着した13日の日曜日の午後5時半過ぎに、
それぞれ一枚の案内書が渡されたのである。

《 14日の月曜日
     乳頭温泉郷『孫六温泉と休暇村乳頭温泉』 ご案内

     当ホテル・出発9時45分 ~ 孫六温泉10時・着 ~ 入浴(滞在時間60分) ~
     孫六温泉11時・発  ~ 休暇村乳頭温泉11時5分・着 ~ 入浴と昼食(滞在時間約100分) ~
     休暇村・出発12時40分 ~当館・着12時55分 》

     
《 15日の火曜日
     乳頭温泉郷『鶴の湯温泉』 ご案内

     当ホテル・出発10時30分 ~ 鶴の湯温泉10時45分・着 ~ 入浴(滞在時間60分) ~
     鶴の湯温泉11時45分・発  ~ 当館・着12時 》

このように明記された案内書であった。

そして、昼食は各自ご自由に、お腹とお財布をご配慮されて、
お好きなほどに、たくさんお召し上がり下さって、
地元も貢献して下さりますに、と私は解釈したりした。


この後、私たち夫婦は指定された部屋に向いながら、
『XXちゃんさぁ・・二日間も案内して下さるなんて・・予想もしていなかったょ・・
格安の旅費なのに・・申し訳ないよねぇ・・
何よりも「鶴の湯温泉」の野趣あふれる露天風呂が入れるので良かったよねぇ・・』
と私は家内に話しかけながら、高揚していた。

この夜、寝付く前に、旅立つ前に自宅でネット調べた『乳頭温泉郷』の情景を思い浮かべたりした・・。
http://www.nyuto-onsenkyo.com/
☆『乳頭温泉郷』~癒しの森と湯めぐりの旅~ 乳頭温泉組合オフィシャルサイト☆

そして缶ビールを吞みながら、果たして初めて訪れる乳頭温泉郷の各地の温泉は・・、
と思い馳せたりしていた。
                                  《つづき》

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする