夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

この時節の風物詩のひとつは、『目には青葉・・』、と私は思い馳せて・・。  

2015-05-03 18:54:27 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市の片隅に住む年金生活の70歳の身であるが、
昨日の昼下がりは、26度前後の初夏のような陽気に恵まれ、
長袖のスポーツシャツを腕まくりして微笑んだりしていた。

そして私は世の中は大型連休か、と思い浮かべながら、
主庭のテラスに下駄を履(は)いて下り立ち、新緑の樹木を褒めたりし、薫風に身をゆだねたりした・・。
 
目には青葉 山ほととぎす はつ松魚(かつお)

どういう思いなのか、江戸時代の俳人・山口素堂(やまぐち・そどう)氏の創作された句が浮んだりした。
          

そして現代の俳壇の雄である長谷川櫂(はせがわ・かい)氏の解説をお借りすれば、
《・・鰹(かつお)は春、黒潮に乗って日本の南岸を北上し、 初夏、関東の沖に達する。
『かまくらにて』と前書がある。
目にしみるような青葉の山で時鳥が鳴き、浜は初鰹の漁で賑わっている。
鎌倉の初鰹はただちに江戸に運ばれ、高値で売りさばかれた。・・》

このような解説が綴られている。

私は江戸時代から、多くの人々にこの時節に里山の若葉きらめく中、
新緑の樹木を褒(ほ)め、鳥も歌い、そして初鰹を賞味していた、と思いを馳せたりした。

私は一昨日の夜、鰹を頂いたが、私なりに毎年この時節、鰹の刺身を褒めたりしている。
そして、どうしたわけか解からないが、
昨夜も鰹の刺身が夢の世界のひとつにでてきて、今朝ぼんやりとしながら、微苦笑している。


過ぎし5日前、買物の途中、歩道と道路のグリーンベルトが
白の躑躅(つつじ)が咲いていた・・。

300メートルぐらいの長さにわたり、幅2メートルのグリーンベルトであり、
この周辺の風景を変貌させるようだった。

スーパーに入ると、鶏肉か牛肉かに迷って、後に決めようとして、
何気なし魚のコーナーに立ち寄った。

鰹が身の色が鮮やかな薄紅色だったので、夕食は鰹の刺身と決めた。

我が家では、醤油にニンニクと生姜(ショウガ)、そして細ネギを加味しただけであるが、
日本酒かビールを呑みながら頂くと、風薫る新緑の時節になった、と実感させられるのである。

私は食べ物に関しては、出来る限り旬のものを基軸して、
感謝しながら食味しているが、出来る限り季節感を大切にしたいためである。
          

過ぎ去る遠い昔、1968年(昭和43年)の頃、
私は大学を中退し、映画・文学青年の真似事をしていた時、
制約時間が何かと少ない警備員を契約社員として働いていた時期もあった・・。

そして派遣先は都心のスーパーマーケットであった。

その中に、魚コーナーがあり、この責任者と直ぐに仲良くなった。

この頃は、私は家族5人に囲まれながら実家にいたので、旬の鰹を家に持ち帰ろうとした。

『多少たかくても・・鮮度の良いのを一本お願い・・』
と私は魚コーナーの責任者にお願いした。

数日後、いつものように徹夜明けの勤務を終えて退社する時、
声を掛けられ1本の鰹を手渡してくれた。

体長60センチを越えるくらいの縞模様がはっきりし、身が締っているようだった。
そして私は礼を言い、給料の確か一週間分に相当する額を支払った。

その晩、長兄が捌(さば)き、義姉に喜んでもらい、
独身の身であった次兄、私、妹の2人たちの皆な家族で談笑しながら、頂いた・・。

そして、まもなく各人が実家から独立し、
もうあのような無邪気の光景は戻らなく、世間の荒波に巣立ったのである。

このようなささやかな想いを浮かべて、微苦笑したりしている。


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高齢者の私は、何かと年配者の方に『お元気そうで・・』と話しかけることが多く・・。

2015-05-03 15:51:28 | ささやかな古稀からの思い
私は年金生活の70歳の身であるが、平素の買物専任者の私は、午前中のひととき、
家内から依頼された品を求めて帰宅した後、いつものように独りで散策に出かけた・・。

青空が広がり、初夏のような陽気となり、ときおり風が吹く中を歩けば、
心地良く、薫風だよなぁ、と心の中で呟(つぶや)いたりした。

そして周辺の数多くの樹木は、木の芽時(このめどき)が過ぎて、幼いあまたの葉を広げて、萌黄(もえぎ)色に染めら、
中には早くも若葉となっているのが昨今の情景となっている。
          
             
私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住み、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭に古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。

そして我が家の周辺は住宅街の片隅に住みにあり、
最寄駅としては、京王線の場合は、『つつじが丘』、『仙川』の両駅は徒歩15分である。

或いは小田急線の場合は、『喜多見』、『狛江』の両駅は徒歩20分となり、
そして私が長年通勤で利用した『成城学園前』駅は徒歩30分となっているが、
何かしら京王線と小田急線にサンドイッチされたかのような辺鄙(へんぴ)な地域に住んでいる。

そして私の生家も近くにあり、私は結婚前後の5年を除き、早や65年ばかり、この地域に住んでいる。

いずれの最寄駅までの路線バスの利便性は良い所で、たとえば都心の新宿のデパートに買物に行っても、
電車を利用すれば、我が家よりデパートの店内に45分ぐらい、
或いは東京駅でも我が家から一時間前後となっている。
          

2004年(平成16年)の秋、年金生活の当初から、私は平素の買物を自主的に専任者となり、
独りで殆ど毎日のように家内から依頼された品を求めて、
最寄のスーパーに買物に行ったり、或いは駅前までの片道徒歩20分ぐらいのスーパー、専門店に行ったりしているが、
根がケチなせいか利便性のよい路線バスに乗るのことなく、歩いて往還している。

その後、自宅から数キロ以内の遊歩道、小公園などをひたすら歩き廻ったりして、季節の移ろいを享受している。
                                     
私は散策と買物の時は、この時節は制服のようになっている服装として、
スリー・シーズンのストレッチパンズの長ズボン、長袖のスポーツシャツ、ウォーキング・シューズとなり、
紳士用の小物入れのA4サイズのショルダー式バックを斜め掛けをしている。

そして時折コンバクト・デジカメを首回りからネクタイのように下げて、颯爽と歩くことが多くなっている。

こうした中で、情景に瞬時に魅せられた時、立ち止まりデジカメで、
記念写真ねぇ、と心の中で呟(つぶや)きながら、記憶のかたみとして撮ったりしている。
          

私がよく歩いている遊歩道などで、幾たびかすれ違う人には、
年配の男性には黙礼をしたり、女性グループの人たちから微笑みかけられると、
こんにちわ、と明るく声をかけたりしている。

こうして遊歩道などを歩いたりして、道端のベンチに独りで休んでいる年配者の男性を見かけると、
『さわやかなお天気ですね・・お元気そうで・・何よりです』
このような意味合いの言葉を、私は話しかけてしまうことが多いである。

私は亡き母の遺伝を受けたらしく、男の癖にオシャベリのタイプであるので、
特に独りポッンと休んでいる人には、声をかけてしまう時が多いのである・・。
          

そして独りだけの女性の場合は、私は小学一年生の頃から何かと女性に憧憬してきている為か、
気楽に声をかけることが出来ないが、ときには女性から話かけられることもある。

過ぎし日、ある小公園て、私が樹木の情景を撮ったりしている時、
麗しき60代の女性から、この公園のいきさつを話しかけて下さった。

そして私は、地元の人なので、小学校の頃から少し知っています、と応(おう)じると、
この女性は、私は昭和30年にこの地にきましたので・・確か昔の情景は・・
このような話題で私たちは30分ぐらい談話したりした。

何よりも気楽で嬉しいは、私が樹木、花木を撮ったりしていると、
女性グループのひとの中から、
『良きご趣味ですねぇ・・』と私は話しかけられることもある。

こうした時の私は、少し高揚しながら、それぞれの女性と均等に談笑し、数分ぐらい立ち話をする時もある。

私は一期一会の出会いでも、ささやかな人生のひとときを大切にしているひとりである。

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