夢屋王国の愉快な仲間たち
「つゆ草 咲けばとて 雨ふる ふるさとは」(種田山頭火)
今夜の『夢屋国王』は、漂泊の俳人、山頭火を真似て旅を続けるのであります。漂泊といっても、自宅から歩いて1分の『第2サティアン』に逃げ込むだけなのだが…^^;
庭に咲く「ムラサキツユクサ」の色に子どもの頃から引かれるものがあり、色による性格判断をしてみると「紫が好きな人は繊細な感受性の持ち主で、美的センスがあり、そのことを自覚している…etc.(自分に都合の良い部分だけの抜粋)」…なるほど、国王は繊細な感受性の持ち主なのである。
王国の畑で国勢調査をしていると、目の前を脚の長い「ガガンボ♂」が飛んで行く。国王は、繊細な脚の長さを自慢する「ガガンボ」に劣等感を持っている。いやいや、国王の足は、大地をしっかり踏みしめるために短いのだ…と自分を慰めながら^^;
そして、彼がキクの葉に止まったと思った瞬間、婚姻を成立させてしまったのである。何という早業…驚愕のテクニック、やはり昆虫の世界でも脚の長いヤツはモテるのだろうか?
彼は交尾器(clasper)で、しっかりと♀の尾部を把握しているのであります。こうした早業では、性行動(sex behavior)の観察など出来る訳もない。こうして『夢屋国王観察日記』には、「ガガンボは、テクニシャンにして、彼女を落とすスピードは速い。」と記録されるところだったのですが…。
夕方、国王の執務室の窓から景色を眺めていると、スモモの葉先にガガンボが止まっており、その周りを一匹のガガンボ♂が盛んに飛び回っております。彼女もまた、一瞬にして落とされてしまうのか…などと得意の覗き見をしておりますと、何故かしら今日の彼は、彼女を口説き落とせない。彼女は尾部を上下に振りながら、むしろ求婚を拒否しているかのようであります。彼は何度も接近を試みるのですが結果は同じ。遂に諦めたのか飛び去ってしまいました。ナンパの失敗であります^^;(人…この場合、虫の不幸を見るのはウレシイ。)
おそらく彼女は、既に婚姻を終えた人妻だったのではないかと、貞節を守った彼女に称賛の拍手を送る国王でありました。
No.010 キイロホソガガンボ Nephrotoma virgata 昆虫綱 双翅目 ガガンボ科
「大蚊・蚊ヶ母(ガガンボ)」…蚊のお母さんという意味らしいが、蚊はカ科なのでチト違う。血を吸うわけでもないが、形態が蚊に似ていて、さらに大きいので、女子高生には嫌われるかも…。もう少し黒っぽい「キリウジガガンボ」の幼虫は、イネの根を食べると言われておりますが、王国内の田んぼで発見したら報告しましょう。大被害を聞いたことがないので、共存共栄種ということにしておきましょう^^;