その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

無農薬栽培

2009-05-22 12:33:33 | 暮らし
この花何の花?我が家の古老が植えた花卉類が、春から初夏にかけ、次々と咲いていきます。

昨日は、夢屋水田の舞台裏をご覧いただきましたが、我が在所を歩いていますと色々な光景に
出会います。昨年地元の子ども育成会事業で、ご一緒したT君。明るい農業青年でありますが、

              

「今時、ピースサインで写るのもね…。」などと言いつつ、夢屋の暇つぶしに気さくに応えて
くれました。「T君ちは、特栽米?」×「特栽米と言うより無農薬米ですよ。」
「これが紙マルチ栽培かい?」×「結構前から普及している技術ですけれどね…。」
「投下費用的にはどうなんよ?」×「除草剤が反当り(10a当り)3,000円に対して、紙マルチ
栽培は15,000円位かなぁ~。」
「通常の5倍かぁ~。」×「費用もそうだけれども、植え付けがね…。通常、一日2町(2ha)田植え
するところを、この栽培は一日60aが精一杯ですよ…。」×「作業能率は、3分の1かぁ…(夢)」
「ところで、今日は何…?(T君)」×「ん~。仕事途中の暇つぶし(夢:失礼…^^;)」

              

              
ロール状の紙マルチを水田面に敷き込むと同時に、その上から苗を貫通させて植え込んで行きます。
効果は、活着期の保温効果と初期雑草の発生防止。「ねっき当て」と言われる7月上旬の中干し作業
の頃には、紙マルチは溶けているそうで、初期雑草のヒエやホタルイの抑止には効果があるとのこと。
夏場からの雑草は、収穫上問題は無く、強いて上げればオモダカは抑えられないとのことでした。
「夏場、手押し除草機で田圃の中を搔いていられないよ…(T君)」と屈託のない笑顔で応えてくれ
ました。難点は、春先の強風と水管理。当然、区画整理地の水田だから出来る技術で、残念ながら
夢屋水田のような未整理地では、効率が悪くて、導入できる技術ではありません。
損益分岐となる費用対効果を考えると「無農薬米」というブランドを如何に評価していただき、消費
者が値段を付けていただけるかということになります。
消費者が「安全・安心」を求める中での選択肢のひとつであり、農家の生き残り戦略のひとつでも
あります。


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薬九層倍

2009-05-21 14:14:14 | 暮らし

恒例、夢屋庭園の花シリーズは本日『オダマキ』そろそろネタ切れかと思うと何かが咲いてくれます。

「花卉三層倍、薬九層倍」などと言う。「馬鹿に付ける薬はあるが、効くかどうかは判らない。」
なんてね。効くかどうか判らない薬は、掛け値が9倍、丸儲けという話でありますが、メーカーサイド
からすれば、「日本の新薬認定には莫大な費用が掛かり、その開発費用を回収するためには当然の
価格である。」ということでありましょう。
百姓は百層倍と揶揄され、我が家では、例年16aの田圃から24俵(1,440Kg)の収穫がある訳ですから、
購入種籾8Kgに対して、180倍。実質使用している籾重量6Kgからすると240倍の儲けとなるはず…。

              

4月19日に種まきをした種籾は、1ヶ月後、

              

長いもので約20cm、平均15cm程の苗になりました。「田植え」の光景は良く紹介されますが、
一般の方には、あまり目に触れることのない現場を紹介しますと、
画像右手のグレーの有孔箱が、育苗箱の裏側で、苗はご覧のように目一杯、根を張っています。
これは、水で土を洗い流した状態ですから、実際に機械で植え込まれる時は、根のほとんど
千切れてしまいます。それでも稲は1週間程度で活着(根付き)します。
つくづく稲は、丈夫な植物だと思います。

              

「安心、安全」が、米生産にも当然求められておりますので、我が家の使用農薬を公表しますと、
田植え前の育苗箱に画像の『ジャッジ』を一握り散布(振りかけます)します。
苗箱20箱当たり一袋1Kgの散布量で、殺菌殺虫剤2袋で6,258円でした。
防除対象は、いもち病や白葉枯れ病、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、ウンカ類と
種々雑多です。健全な育苗を行っていれば、散布しなければしないでも済むような気がします。
ただし、植物の病気は、一旦発生してしまうと、抑えが利かないのが通常であり、
転ばぬ先の杖としては、予防剤として散布するに越したことはない。殺虫剤については、
初期発生を確認してからでも間に合うような気がするのですが、省力化という見地から
こうした二種混合剤が普及しているのかもしれません。
通常収穫量10俵/10aで、既に売上の2.5%が農薬代として消費されたことになります。

              

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さなぶり

2009-05-20 13:13:13 | 暮らし

題名とは何の関係もありませんが、恒例の夢屋庭園の花『マイヅルソウ』という山野草です。

『さなぶり』とは、我が在所で「田植え終い」を言います。「早苗」「振る舞い」の短縮系
ではないかと思うのですが、言語学や民族学を修めた訳ではないので、あくまで自論です。
昔は、手植えでしたから、大きな農家では手伝い徒が必要で、田植えが無事終了したことと、
今年の豊作祈願、さらに、自らの家族と手伝い徒への慰労が主目的の行事といえます。
男衆は酒を、女衆は御馳走をいただき、小さな切り餅を油で揚げた、手造りの「おかき」を
「フキ」の葉や「オオバギボウシ」の葉に包んで、家の子どもたちに振る舞われました。

              

時は廻り、機械植えが主流となった今でも、やはり田植えが終われば『さなぶり
』と称して、
気持ばかりの御馳走と酒をいただきます。(さなぶりでなくとも毎晩頂いています…^^;)
今年は、我が家の古老が体調不良で入院してしまい、母は認知症でグループホーム。
息子のポン太郎君も神奈川の大学に行き、私ひとり。近所のS.H.さんにお願いし、6条植えの
田植え機で1時間半。いつもの年は、後始末は古老の役割でしたが、今年は角植えをし、苗箱
を洗って、水の調整をする。

              

4年ほど前までは、苗箱運びを私が担当し、角植えは古老が行ない、母が苗箱を洗うという
そこそこの分業が成立していたのですが、ひとりの作業は、初めてです。
古老のボケ防止にと続けてきた水田ですから、古老が動けなくなると、臨時代行の私がやるの…?
夕方、後片付けを終え、我が家の『さなぶり』は、初めて妻とふたりきりの行事となって
しまいました。それは、それなりに会話が成立しましたが…サビシイ…。

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そして誰もいなくなった…

2009-05-19 20:33:33 | 世迷言

今日は、我が家の田植えを終え、『さなぶり』の話題を提供しようと考えておりました。
しかしながら、数日前から体調不良を訴えていた我が家の古老の具合がどうもおかしい。
月曜日は、仕事の段取りもあり休めない…夜勤明けの妻に頼んで、紹介されている隣街の
総合病院外来に受診に連れて行ってもらったのであるが、現在の持病(治療中)の膠原病
の主治医が、本日は外来受診をしていない。よって新患扱いとなるので、受診時間は午後
4時過ぎになると言われたと妻から連絡が入ったのであります。妻は、今夜も夜勤。
そこで、知り合いの多い地元の町立病院に、状況を説明し受診することにしました。即入院。
しかし検査結果が思わしくない。再度、総合病院を紹介するので、転院するようにとの指示。
結局、5時過ぎに元の総合病院の救急外来を訪れ、問診を受け、血液内科医に説明を受け、
緊急連絡で駆け付けてくれた主治医の今後の治療方針を聞き、家路に着いたのが午後8時半。
先生方は良くしてくれました。しかし、はぁ、今日一日は、何だったんだろう…。

              

約3日間、食べ物を受け付けない古老を見て、治療薬の痛み止めで胃が荒れたのだろうと
勝手に判断し、脱水症状と薬の副作用を疑って、受診中の総合病院に頼ったものの、結局
受診できず、地元の町立病院にお世話になり、再度、総合病院に転院。
良いですよ我が家は、私も妻もいるから…。もし、これが老人の二人暮らしだったら、
どう対処すれば良いのでしょう?開業医や町立病院の紹介状が無いと急性増悪した患者も
ただ順番を待たなければならないのでしょうか?
無闇に救急車を呼ばないで下さい…。しかし、救急車を要請すれば早く入院できたのでは
なんてね…。これが地方の高齢化が進む市町村の医療の現状
なのに、赤字病院は経営改善せよ
と指示をだす厚生労働省。赤字病院改善のために、基幹病院とサテライト診療所があれば、事足りると?
今、医療現場は、瀕死の状態であり、千葉県銚子市では、市立病院の休止を経てリコールが…。
高齢者は、戦後の日本を復興し、今日の日本を築いた功労者として、人間として扱って頂けないのだろうか?

一定の人口規模に一定の基幹病院があれば、高度・救急救命医療は達成できる…
などという考え方は、健康な強者の論理でしかないのである。
明日は、我が家の田植え。古老は入院、妻は夜勤、そして我が家は、私ひとり…。

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雪中野菜(その後・・・)

2009-05-18 21:29:29 | 食とレシピ

夢屋農園の片隅に今年も咲いた『ブルーベリー』の花。夏休みの後半には二女に摘まれることでしょう。

先週の木曜日、ふと感じるところがあり、残業後だというのに久々にパチンコに寄ってみますと、
座って5回転で入賞…1時間で50,000円稼がせていただきました。やっぱ、俺って天才!
イチロー風に言えば、「神が降りて来ました…。」となるところですが、昨日、釣りに出かけ道具の
積み下ろしをしていると、誤ってデジカメを地面に落してしまいました。良く落とすんです…^^;
家に帰ってビックリ…「あぁ※
@△×~」 画像が出ない…カメラが動かない…。
結局、本日新しいデジカメに30,000円投資することになりました。まぁ、地域経済の振興に貢献したということで…涙

今年の1月、『雪中野菜』を当ブログで紹介いたしましたが、結球レタスは、雪中保存には向かないと結論づけました。
それでも凍み枯れた「雪中レタス」を3株ほど、根元からナイフで切り落とし、収穫したのですが、この春…

               

                                        レタスが再生しました。
ナイフで傷つけられたことによる『カルス』からの分化…ん~今日はアカデミック。
同一個体から再生したものですから、これも立派な「クローンレタス」ということになります。
雪の中に捨てておいて、春再生野菜が楽しめるのであれば、これはこれで一挙両得。
「インビトロ…in vitro」下の学生実験では、中々うまく再生できなかったのに、
雪の下という「インビボ…in vivo」空間では、傷口も腐生菌の繁殖が抑えられ、安々と再生しちゃいました。
今年の冬も、ずぐだれて(怠けて)、『雪中レタス』とその再生に挑戦してみますか…。
挑戦といえば、本日、久々の雨で折角耕した畑がぬかるみ、何もすることなし…

              

いやいや、折角ですから「コナラ」の木に「シイタケの駒菌」を打つことにします。
釣りのついでに、私のフィールドNo.2から雪で倒れた木を切ってくるのですが、
(ちなみに、町道をふさぐ倒木を処理しているのであって、盗木ではありません。)
2年ほど挑戦し、「ひらたけ」や「なめこ」の菌を打ってみますが、夏場の水管理が
不適切(ずぐだれですが…)で、一度だけ、「なめこ」が一個なっただけ…。
今年は、基本に帰って、一番定着しやすい「しいたけ」から始めようと考えている
わけですが、『雪中レタス』のように偶然の産物を期待したほうが良いにかもしれません。
(新しいデジカメ…少し画像が良くなったような気がします。)

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早乙女…発見

2009-05-17 19:19:19 | 暮らし
田植え前に畦シートを張らねば…。篤農家が体調不良のため、臨時代行が今朝もがんばります。
週の初め、50年前の『早乙女』を紹介しましたが、朝仕事を続けていると良い事もあるもので、
我が家の田圃のさらに下手に、一畝(1アール…10m×10m)程のI.M.さんの田圃があるのですが、
ここを、我が在所でも専業農家のひとつであるH.K.さん宅の若夫婦が田植えをしておりました。

             

休耕田と耕作地の境(畦)に黒いビニールシートを埋め込み、上部は土で固定すること1時間。
ちょうど飽きてきた頃ですから、若夫婦は、私、夢屋
の格好の獲物となりました。
「ここは、『もち』作ってたんだっけ…?」 (夢屋)
 × 「去年、古いハーベスタを出して(廃棄)しまったものですから、今年は、遅生の『コシヒカリ』です。」
「Hさん。嫁いで何年になる…?」 × 「えーと、4年かな?」 (H♀)
「Hさんの実家って、農家?」 × 「いいえ、全然。だから、何も出来なくて…。」 (H♀)
「何言ってんだよ。俺なんか50年近く生きてきて、親父の指示通り動くだけだよ…。」(夢屋)
などと、若夫婦の農作業の邪魔をしてしまいましたが、何も出来ないなんて、とんでもございません。
小さな田圃の角植えを上手にこなしておられました。正に『早乙女』
若夫婦間の作業や会話は、朝の清涼感漂う一服でした。

                   

一服と言えば、我が家の田圃の周囲ほとんどを受託耕作しているS.Y.さんでは、一家総出で田植えをしています。
私の仕事が終わりかけた10時頃、Sさんちの若妻(夢屋の先輩ですが…^^;)が、お茶を運んできました。
我が在所では、10時、3時、あるいは作業途中の休憩を『 たばこ 』と言っていました。
「そろそろ、『たばこ』にすっぺ…。」なんてね。
煙草を吸わない女子どもは、お菓子や季節の果物をいただける訳で、これがまた楽しかったのですが、
ひとり作業の夢屋は、身体に悪い煙草をくゆらすしか芸が無い訳で、隣の畑の作物を覗き込んだり、
木陰で小用を足したり…、情けなや。
農業後継者に嫁さんが来ない訳じゃない。意欲ある後継者には、素敵な『早乙女』が嫁いでくれています。

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さつきの空(やませ)

2009-05-16 20:15:15 | 暮らし
そろそろ夢屋庭園の花の紹介も限界に近いと思いつつ…『どうたんつつじ』を

             

4月4日に水に浸漬し、芽出しした種籾は、2週間後種まきし、

             

ビニール温床の中で、約一週間でチロチロと緑色になり、さらに3週間の散水とビニール開閉による
温度管理や肥培管理で、

             

後は、田植えを待つばかりの緑濃い健全な苗に育ちました。
今朝は冷え込み、朝日の中の「吾妻山系」の山々が、薄っすらと白く光っています。
高い山に雪が舞ったのでしょう。目を東側の奥羽山系の山々に転じますと、

             

どんよりとした雲が山に垂れています。今朝の冷え込みは、春先の一過性のものと思いますが、
この雲が6月後半から7月にかけて、毎日のように動かないような気象状況が、
彼の「宮澤賢治」が、『ツメタイナツハ、オロオロアルキ』と詠った『やませ』が吹く状態です。
今年は、よもやそんなことは無いだろうと思いつつ、農業とは気候に左右される産業であると
つくづく考え、化学肥料や農薬も不十分で、農業機械も脆弱な「賢治」の時代は苦労も多く、
天気予報も発達していない時代ですから、ただただ、オロオロするしか無かったのだろうと、
思いを馳せる夢屋であります。
この一週間、体調不良の古老に変わり、朝仕事を続け、結構疲れました。
農家が早朝に朝仕事をし、昼食後、昼休みと称して「昼寝」をするのですが、
これは夏の暑さ対策だけでなく、人の労働時間の限界点の調整かな…などと思い始めました。
趣味の米作り(いくら作っても赤字という意味で…)の朝仕事の報酬は、道端に咲いた

            

「スミレ」の花ということで、心と体の疲れを癒すことにします。
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さつきの空

2009-05-15 22:22:22 | 暮らし

夢屋庭園は、今花盛り。毎日の表題の画像には困りません。エヘン!!
『さつき』は、五月(さつき)の頃に咲く『サツキツツジ』を指しますが、我が在所では、田植えのことを
『さつき』と呼びます。(ちなみに、標題の画像は「つつじ」です。)
「さつきをおわしたら(終わらせたら)支払いさいんから(行くから)…」などと、
「さつきを終えたら、○○します」という表現は、忙しさの言い訳であり、忙しさの代名詞でもあります。

             

5月11日(月)に田起こしをしていただき、用水路を水止めし、灌水します。荒く耕された粘土質の土は、
充分な水を含み、代掻き作業を待ちます。5月13日(水)に、トラクターは耕うん用のロータリーを
代掻きローターに履き替え、

             

土を細かく砕くと同時に水平に均し、鏡のような水を湛えた「水田」に変化します。

             

5月14日(木)、折からの西風にあおられて畦畔の東側に寄せられた稲わらの残渣をレーキですくい取り、
(秋の収穫時にコンバインで切り刻まれた稲わらは、秋に一度焼いています。)
畦畔の上に寄せ集め、気がつけば今日も一日、日が暮れる…。

             

水の灌水は、深過ぎず、また漏れないように微調整をしながら、耕作土の安定化を図りますが、
一発除草(田植え前に除草剤を散布し、水田面を事前処理する。)を実施したり、
水田の高低差から起こる水漏れを防ぐために、畦畔にビニールシートを被覆したりと
田植え前の作業だけでも結構忙しい。
やはり『さつき』は忙しいのだ…と改めて思うのであります。
今度の日曜日か月曜日は、田植え作業になるでしょう。…なるでしょうなどといういい加減さは、
田植え作業(機械作業)も人頼みなものですから、機械所有者の都合によるものなので、
決定権が我が家には無いという意味でのいい加減さです。
全国的に夏日となった先週の日曜日(5月10日)ではありますが、何故か田圃に水が入ると
一旦、急な冷え込みが来る『さつき』の空です…。

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シャクの種

2009-05-14 12:12:12 | 暮らし

我が家の古老が、『山人参』と呼んでいる植物が、私には「山人参」には思えない。(5月12日投稿)
『山人参』と言うくらいですから、「山に生えている人参」だろうとしか考えない。
何か違和感があり、何処に生えていたのかと古老に尋ねると、二井宿峠の或る斜面に生えているという。
『人参』というと、この場合『高麗人参』を思い浮かべるので、薬用植物がそう簡単に採れるものか
といった違和感であることに気付いたのであります。
しかし、ネットで調べてみると『高麗人参』はウコギ科で、我が家の庭園に育つ『山人参』は、
どう見てもセリ科の植物であり、似ても似つかぬ物であることが分かったのですが、
それでは何者なのか? 『トウキ』もセリ科で可能性があります。

             
             (どう見ても、ニンジンはニンジンですが…)

採取場所に程近い二井宿の里に棲む仙人S.K.氏(60才)と久し振りに職場の廊下ですれ違いましたので
尋ねてみました。
「二井宿の○△斜面で『山人参』が採れるというのは本当ですか?」
すると仙人曰く、
「あ~あれねぇ。地元の人は、『山人参』と言っているけれども、あれは『しゃく』ですよ。」
「二井宿の山中、いたる所に咲いているよ…。『シャクの種』って言うくらいだから、どこにでも
あるものなんですよ…。」
 
×「さすが博学者…。」
なるほど、『シャクの種』とは、良く言い当てたものだ…と、その時は感じたのですが、

   http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/shaku.html
    (引用先:群馬大学社会情報学部 青木繁伸さんのHP)

おいおい、『シャクの種』の「シャク」は、「癪」じゃなかったっけ…?
結局、仙人の言葉遊びに巻き込まれてしまったようです。
これはこれで、『シャクに障る』話でありました。

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早乙女…

2009-05-13 20:10:10 | 暮らし
いつもの様に夢屋庭園に咲いた「ぼたん」の花をご披露いたしまして、
本日のお題は、『早乙女』。弱いんだよね…オヤジたちはこの響き。
元来、『早乙女』とは、若い女性、特に田植えをする若い女性を指す言葉ですが、
我が在所の『早乙女』をご紹介いたします。

         
         約50年前の『早乙女』です…^^;

約20年前、私は「今後10年で農村、特に稲作農家は崩壊するだろう。」と予言
しておりましたが、幸か不幸か当時の若衆(50才代)は、そのまま長生きし、
70才代となった現在も米作りに励んでおります。
何せ我が家の古老は、御歳83才と言うのに、未だボケ防止の農作業に励んで
います。
一方、生産農家戸数は確実に減少し、我が集落の生産組織も10年前の戸数が
半減しています。結果的には、農水省が進める担い手農家への土地の集約化
が進んでいると言えるのかもしれません。

         

オヤジの茶髪のような畦畔は、除草剤処理によるものです。
昨日(200.05.12付)の「朝日新聞23面」では、「生きものブランド米」の特集
記事が組まれていました。農薬を半減し、安全性の証として生息する生物の名前
を冠に掲げ、付加価値をつける。山形では『めだかのお米』が紹介されています。
「少々、割高でも安心・安全を購入したい。」という消費者の声…。
70才を越えて、効率性からすれば無駄な補植(田植え機械による欠株を補う作業)
を腰を屈めながら行う50年前の早乙女。
最も機械化が進み、高齢者でも作業が可能となった稲作ではありますが、農家
収入のベースとなる作物であることに変わりはありません。
秋田県大潟村では、渋谷ギャルが米に付加価値をつけるべく『渋谷米』を作付
中とか…。『渋谷米』で付加価値が付くのであれば、真摯な『バーバ舞(米)』
でも付加価値が付くのでは、などと『元気なジジババ』を応援する夢屋であり
ます。
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