G7サミット直前の2021年6月10日、米英首脳が、「新・大西洋憲章」(“the New Atlantic Charter”)に合意。
しかし、今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理があると辛口解説をされているのは、山下英次名誉教授。今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理がある>
今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理があると辛口評価の大阪市立大学名誉教授の山下英次氏
米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相によるもので、「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたもの。
「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたもの。明らかに日独伊3カ国に敵対・対抗して作られたものであると山下名誉教授。
第2次世界大戦に至る過程で作成され、米国のルーズベルト大統領と英国のチャーチル首相により、英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦上で合意された「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたものであると。
明らかに日独伊3カ国に敵対・対抗して作られたもの。第8条は、自分たちを平和を愛好する国、他方、(日独伊を)好戦国として規定。
第2次世界大戦開戦直後の1942年1月1日、米英に加え、ソ連と中華民国の4カ国による「連合国共同宣言」(“Declaration by the United Nations”)として、「大西洋憲章」の8つの条項がワシントンD.C.で合意された。
さらに翌日、22カ国が署名に追加して、これが第2次世界大戦における連合国を構成するの正式な合意文書となった。
しかし、スターリンが率いる共産主義的全体主義国家のソ連も参加したものであり、本来、連合国を民主主義同盟と称すること自体、大きな欺瞞だと山下名誉教授。
このような代物を、今後のわれわれ自由民主主義陣営の憲章とすべきではないのではないだろうかと。
この際、自由主義陣営の中国・ロシアなどの全体主義的強権国家に対抗する理念を示す憲章として、日米豪印4カ国のQUAD(クウォッド)が中心となり、「インド太平洋憲章」(“the Indo-Pacific Charter”)を作成すべきではないだろうかとも。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)構想を発案したわが国が主導して、これを起草すべきだと山下名誉教授。
いまや、対中国・ロシア牽制戦略の基本的な枠組みとして、自由主義世界で広く受け入れられている。
英国、フランス、ドイツ、オランダの海軍が、この地域に艦船を派遣する動きにまでなっている。
諸兄がご承知の様に、いまの世界の構図は、「自由民主主義国家 vs.中露などの全体主義的強権国家」の対立であり、新冷戦とも言える状況。
ただ、第2次世界大戦の構図とは、根本的に異なると山下名誉教授。
米国は、第2次世界大戦終了後、数々の戦争に関与してきた。しかしながら、世界最強の軍事力を持ちながら、実は主要な戦争に敗北し続けている。
米戦略国際問題研究所(CSIS)顧問のハーラン・ウルマンは、第2次世界大戦終了後、米国が明確に勝利したと言える戦争は、1991年、ジョージ・ブッシュ(父)大統領の下に戦われた湾岸戦争だけだと述べている。
戦略家のエドワード・ルトワックは「1945年以降、アメリカは負け続けている」と。
そして、第2次世界大戦後、最大の米兵犠牲者(5万8000人強)を出して敗北したベトナム戦争。
今、それをうわまわる20年間にわたり2兆ドル以上(250兆円)を投じたアフガニスタンへの米軍の駐留は、8月30日、米軍の完全撤退の形で終了。
敗戦の撤退が難しいとは、昔からの兵法の習。バイデン氏の戦術には、国内外から批判が集中している様子。
米ソの東西冷戦は、米国にとって第2次世界大戦後、ほとんど唯一の輝かしい勝利と言える。これは、西ヨーロッパ諸国と日本が全面的に協力したからこそ勝利できたのである。
わが国は、米国、西ヨーロッパ諸国とともに、冷戦の勝者であると山下名誉教授。
この意味でも、日本が中心となり自由民主主義諸国の理念を「インド太平洋憲章」として起草する資格が十分にあるといえようと。
わが国は、直近の世界大戦の勝者として、国際社会に登場したいものであるとも。
新冷戦の自由民主主義陣営は、日米豪印4カ国のQUADを中心として、世界のすべての民主主義国に参加してもらうべきであると。
それは、トランプ氏が各国に旗色の明示を迫ることですすめていましたが、道半ばで落選のだめしりぞきましたが、バイデン氏はいまのところ同盟国との絆を強める形(元来、民主党の方が厳しく負担強要)で継続していますね。
自由で開かれたインド太平洋戦略を、QUADを中心として民主主義国に参加してもらい、「インド太平洋憲章」に当初参加してもらうのは、「QUAD +α」とするのが適当であろうと山下名誉教授。
実績造りを迫られる習近平。毛沢東の国共内戦以来の悲願の台湾併合への軍事行動は遠くないと言われていますね。
抑止力としての自由主義諸国の団結が求められていますね。
# 冒頭の画像は、クイーンエリザベスを発艦する最新鋭ステルス戦闘機「F35B」
女郎蜘蛛
↓よろしかったら、お願いします。
しかし、今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理があると辛口解説をされているのは、山下英次名誉教授。今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理がある>
今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理があると辛口評価の大阪市立大学名誉教授の山下英次氏
今は戦勝国の日本、敗戦国・中国とロシアへの新戦略を 「インド太平洋憲章」のすゝめ、「新大西洋憲章」は時代錯誤 | JBpress (ジェイビープレス) 2021.9.7(火) 大阪市立大学名誉教授 山下 英次
「新・大西洋憲章」は時代錯誤
G7サミット直前の2021年6月10日、米英首脳が、英国コーンウォールのカービス・ベイで、「新・大西洋憲章」(“the New Atlantic Charter”)に合意した。
こういうものがあっても悪くはないかもしれないが、今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理がある。
米英2カ国が主導するのというのも、やや時代錯誤ではないだろうか?
いずれにせよ、いまの時代の自由主義陣営全体を象徴する憲章とはなり得ない、あるいはすべきではないのではないだろうか。
第2次世界大戦に至る過程で作成された1941年8月の米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相による大西洋に浮かぶ英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦上で合意された「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたものである。
名指しこそしていないが、明らかに日独伊3カ国に敵対・対抗して作られたものである。
「大西洋憲章の」の第8条は、自分たちを平和を愛好する国、他方、(日独伊を)好戦国として規定し、こうした好戦国の非武装化が必要であると謳っている。
その後、第2次世界大戦開戦直後の1942年1月1日、米英に加え、ソ連と中華民国の4カ国による「連合国共同宣言」(“Declaration by the United Nations”)として、「大西洋憲章」の8つの条項がワシントンD.C.で合意された。
さらに翌日、22カ国が署名に追加して、これが第2次世界大戦における連合国を構成するの正式な合意文書となった。
すなわち、スターリンが率いる共産主義的全体主義国家のソ連も参加したものであり、本来、連合国を民主主義同盟と称すること自体、大きな欺瞞と言わねばならない。
このような代物を、今後のわれわれ自由民主主義陣営の憲章とすべきではないのではないだろうか。
全体主義的強権国家に対抗する西側の枠組み
この際、自由主義陣営の中国・ロシアなどの全体主義的強権国家に対抗する理念を示す憲章として、日米豪印4カ国のQUAD(クウォッド)が中心となり、「インド太平洋憲章」(“the Indo-Pacific Charter”)を作成すべきではないだろうか。
それには、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)構想を発案したわが国が主導して、これを起草すべきである。
安倍晋三前首相は、2016年8月、ケニアのナイロビで開催された日本とアフリカ諸国の首脳クラスの会合である「第6回アフリカ開発会議」(TICAD 6)におけるスピーチで、「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱した。
TICADは、現在では3年ごとに開催され、「TICAD 7」は、2019年横浜で開催され、次回の「TICAD 8」は2022年にチュニスで開催予定である。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)は、いまや、対中国・ロシア牽制戦略の基本的な枠組みとして、自由主義世界で広く受け入れられている。
この地域の諸国だけでなく、英国、フランス、ドイツ、オランダの海軍が、この地域に艦船を派遣する動きにまでなっている。
現在、米国政府の国務省も国防省も、この線に沿って、この地域の主要な外交・安全保障政策を展開している。
また、米軍は2018年5月に従来のアジア太平洋軍(USPACOM)からインド太平洋軍(USINDOPACOM)へと、軍の名称まで変更した。
新冷戦に備える
いまの世界の構図は、「自由民主主義国家 vs.中露などの全体主義的強権国家」の対立であり、新冷戦とも言える状況である。
第2次世界大戦の構図とは、根本的に異なる。
過去に学ぶべき似たような状況があったとしたら、それは、1989年に終了した東西冷戦である。米国を中心とする西側陣営は、この東西冷戦に明確な勝利を得た。
米国は、第2次世界大戦終了後、数々の戦争に関与してきた。しかしながら、世界最強の軍事力を持ちながら、実は主要な戦争に敗北し続けている。
このことは、米戦略国際問題研究所(CSIS)顧問のハーラン・ウルマンが、著書『アメリカはなぜ戦争に負け続けたのか』(中央公論新社、2019年8月)で明かしている。
また、著名な戦略家のエドワード・ルトワックが著書『ルトワックの日本改造論』(飛鳥新社、2019年12月)第3章の中の一節「1945年以降、アメリカは負け続けている」という箇所の中でも明らかにしている。
ハーラン・ウルマンは、第2次世界大戦終了後、米国が明確に勝利したと言える戦争は、1991年、ジョージ・ブッシュ(父)大統領の下に戦われた湾岸戦争だけだと述べている。
エドワード・ルトワックは、朝鮮戦争は、「参戦してきた中国義勇軍兵の攻勢に米韓軍は統制も士気も乱れ、大打撃を受けた。結果として、運よく引き分けに持ち込んだ程度だった」と述べている。
彼らの意見を待つまでもなく、第2次世界大戦後、最大の米兵犠牲者(5万8000人強)を出したベトナム戦争は米国の敗北で終わった。
20年間にわたり2兆ドル以上(250兆円)を投じたアフガニスタンへの米軍の駐留は、再びタリバンが同国支配の奪還に成功する中、さる8月30日、米軍の完全撤退の形で終了した。
また、そもそも外交政策についても、米国は重要な節目節目で大きな間違いをすることが少なくない。
東西冷戦は熱戦ではないが、米国にとって第2次世界大戦後、ほとんど唯一の輝かしい勝利と言える。これは、西ヨーロッパ諸国と日本が全面的に協力したからこそ勝利できたのである。
わが国は、米国、西ヨーロッパ諸国とともに、冷戦の勝者である。
この意味でも、日本が中心となり自由民主主義諸国の理念を「インド太平洋憲章」として起草する資格が十分にあるといえよう。
世界大戦の勝者としての日本
そもそも、一番最近終わった世界大戦は第2次世界大戦ではなく、1989年に終わった東西冷戦である。
ロシア(ソ連)は、東西冷戦の明確な敗者であり、中国もほとんどそれに近い。
わが国は、一番最近終わった世界戦争の勝者の主要な一員という意味でも、新冷戦の理念を掲げる「インド太平洋憲章」を起草する資格を有していると言えよう。
日本は、いつまでも、敗戦国の汚名を着せられたままでいることはできない。
これを機に、わが国は、直近の世界大戦の勝者として、国際社会に登場したいものである。
「インド太平洋憲章」に盛り込むべき内容について少し触れるとしたら、そもそも先の「新・大西洋宣言」の8つの条項には、人権の尊重が明示されていなかいが、東トルキスタン、チベット、モンゴル、香港など酷い人権侵害を続けている中国を牽制する観点からも、こうした条項は「インド太平洋憲章」には不可欠である。
参加国の枠組みについていえば、新冷戦の自由民主主義陣営は、日米豪印4カ国のQUADを中心として、世界のすべての民主主義国に参加してもらうべきである。
ただし、「インド太平洋憲章」に当初参加してもらうのは、「QUAD +α」とするのが適当であろう。
このプラス・アルファの諸国には、すでに軍事的なものを含めて、インド太平洋への関与を表明している英仏独蘭の4カ国に、カナダとニュージーランドの2カ国を加え、計6カ国とするのが適当かと思われる。
したがって、「インド太平洋憲章」は、少なくとも当初は、この「QUAD +α」の計10カ国によって合意されるものとすべきと考える。
是非とも、これらの10カ国を主導して、日本政府が、「インド太平洋憲章」の草案作りをすべきである。
なぜならば、その資格が最もあるのは、わが国だからである。
「新・大西洋憲章」は時代錯誤
G7サミット直前の2021年6月10日、米英首脳が、英国コーンウォールのカービス・ベイで、「新・大西洋憲章」(“the New Atlantic Charter”)に合意した。
こういうものがあっても悪くはないかもしれないが、今の時代、全体主義的強権国家である中国・ロシアに対抗するための自由民主主義陣営の理念を、80年前の「大西洋憲章」(“the Atlantic Charter”)の刷新に求めるのは無理がある。
米英2カ国が主導するのというのも、やや時代錯誤ではないだろうか?
いずれにせよ、いまの時代の自由主義陣営全体を象徴する憲章とはなり得ない、あるいはすべきではないのではないだろうか。
第2次世界大戦に至る過程で作成された1941年8月の米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相による大西洋に浮かぶ英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦上で合意された「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたものである。
名指しこそしていないが、明らかに日独伊3カ国に敵対・対抗して作られたものである。
「大西洋憲章の」の第8条は、自分たちを平和を愛好する国、他方、(日独伊を)好戦国として規定し、こうした好戦国の非武装化が必要であると謳っている。
その後、第2次世界大戦開戦直後の1942年1月1日、米英に加え、ソ連と中華民国の4カ国による「連合国共同宣言」(“Declaration by the United Nations”)として、「大西洋憲章」の8つの条項がワシントンD.C.で合意された。
さらに翌日、22カ国が署名に追加して、これが第2次世界大戦における連合国を構成するの正式な合意文書となった。
すなわち、スターリンが率いる共産主義的全体主義国家のソ連も参加したものであり、本来、連合国を民主主義同盟と称すること自体、大きな欺瞞と言わねばならない。
このような代物を、今後のわれわれ自由民主主義陣営の憲章とすべきではないのではないだろうか。
全体主義的強権国家に対抗する西側の枠組み
この際、自由主義陣営の中国・ロシアなどの全体主義的強権国家に対抗する理念を示す憲章として、日米豪印4カ国のQUAD(クウォッド)が中心となり、「インド太平洋憲章」(“the Indo-Pacific Charter”)を作成すべきではないだろうか。
それには、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)構想を発案したわが国が主導して、これを起草すべきである。
安倍晋三前首相は、2016年8月、ケニアのナイロビで開催された日本とアフリカ諸国の首脳クラスの会合である「第6回アフリカ開発会議」(TICAD 6)におけるスピーチで、「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱した。
TICADは、現在では3年ごとに開催され、「TICAD 7」は、2019年横浜で開催され、次回の「TICAD 8」は2022年にチュニスで開催予定である。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)は、いまや、対中国・ロシア牽制戦略の基本的な枠組みとして、自由主義世界で広く受け入れられている。
この地域の諸国だけでなく、英国、フランス、ドイツ、オランダの海軍が、この地域に艦船を派遣する動きにまでなっている。
現在、米国政府の国務省も国防省も、この線に沿って、この地域の主要な外交・安全保障政策を展開している。
また、米軍は2018年5月に従来のアジア太平洋軍(USPACOM)からインド太平洋軍(USINDOPACOM)へと、軍の名称まで変更した。
新冷戦に備える
いまの世界の構図は、「自由民主主義国家 vs.中露などの全体主義的強権国家」の対立であり、新冷戦とも言える状況である。
第2次世界大戦の構図とは、根本的に異なる。
過去に学ぶべき似たような状況があったとしたら、それは、1989年に終了した東西冷戦である。米国を中心とする西側陣営は、この東西冷戦に明確な勝利を得た。
米国は、第2次世界大戦終了後、数々の戦争に関与してきた。しかしながら、世界最強の軍事力を持ちながら、実は主要な戦争に敗北し続けている。
このことは、米戦略国際問題研究所(CSIS)顧問のハーラン・ウルマンが、著書『アメリカはなぜ戦争に負け続けたのか』(中央公論新社、2019年8月)で明かしている。
また、著名な戦略家のエドワード・ルトワックが著書『ルトワックの日本改造論』(飛鳥新社、2019年12月)第3章の中の一節「1945年以降、アメリカは負け続けている」という箇所の中でも明らかにしている。
ハーラン・ウルマンは、第2次世界大戦終了後、米国が明確に勝利したと言える戦争は、1991年、ジョージ・ブッシュ(父)大統領の下に戦われた湾岸戦争だけだと述べている。
エドワード・ルトワックは、朝鮮戦争は、「参戦してきた中国義勇軍兵の攻勢に米韓軍は統制も士気も乱れ、大打撃を受けた。結果として、運よく引き分けに持ち込んだ程度だった」と述べている。
彼らの意見を待つまでもなく、第2次世界大戦後、最大の米兵犠牲者(5万8000人強)を出したベトナム戦争は米国の敗北で終わった。
20年間にわたり2兆ドル以上(250兆円)を投じたアフガニスタンへの米軍の駐留は、再びタリバンが同国支配の奪還に成功する中、さる8月30日、米軍の完全撤退の形で終了した。
また、そもそも外交政策についても、米国は重要な節目節目で大きな間違いをすることが少なくない。
東西冷戦は熱戦ではないが、米国にとって第2次世界大戦後、ほとんど唯一の輝かしい勝利と言える。これは、西ヨーロッパ諸国と日本が全面的に協力したからこそ勝利できたのである。
わが国は、米国、西ヨーロッパ諸国とともに、冷戦の勝者である。
この意味でも、日本が中心となり自由民主主義諸国の理念を「インド太平洋憲章」として起草する資格が十分にあるといえよう。
世界大戦の勝者としての日本
そもそも、一番最近終わった世界大戦は第2次世界大戦ではなく、1989年に終わった東西冷戦である。
ロシア(ソ連)は、東西冷戦の明確な敗者であり、中国もほとんどそれに近い。
わが国は、一番最近終わった世界戦争の勝者の主要な一員という意味でも、新冷戦の理念を掲げる「インド太平洋憲章」を起草する資格を有していると言えよう。
日本は、いつまでも、敗戦国の汚名を着せられたままでいることはできない。
これを機に、わが国は、直近の世界大戦の勝者として、国際社会に登場したいものである。
「インド太平洋憲章」に盛り込むべき内容について少し触れるとしたら、そもそも先の「新・大西洋宣言」の8つの条項には、人権の尊重が明示されていなかいが、東トルキスタン、チベット、モンゴル、香港など酷い人権侵害を続けている中国を牽制する観点からも、こうした条項は「インド太平洋憲章」には不可欠である。
参加国の枠組みについていえば、新冷戦の自由民主主義陣営は、日米豪印4カ国のQUADを中心として、世界のすべての民主主義国に参加してもらうべきである。
ただし、「インド太平洋憲章」に当初参加してもらうのは、「QUAD +α」とするのが適当であろう。
このプラス・アルファの諸国には、すでに軍事的なものを含めて、インド太平洋への関与を表明している英仏独蘭の4カ国に、カナダとニュージーランドの2カ国を加え、計6カ国とするのが適当かと思われる。
したがって、「インド太平洋憲章」は、少なくとも当初は、この「QUAD +α」の計10カ国によって合意されるものとすべきと考える。
是非とも、これらの10カ国を主導して、日本政府が、「インド太平洋憲章」の草案作りをすべきである。
なぜならば、その資格が最もあるのは、わが国だからである。
米国のフランクリン・ルーズベルト大統領と英国のウィンストン・チャーチル首相によるもので、「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたもの。
「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたもの。明らかに日独伊3カ国に敵対・対抗して作られたものであると山下名誉教授。
第2次世界大戦に至る過程で作成され、米国のルーズベルト大統領と英国のチャーチル首相により、英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦上で合意された「大西洋憲章」は、「連合国 vs. 枢軸国」の対立の構図から生まれたものであると。
明らかに日独伊3カ国に敵対・対抗して作られたもの。第8条は、自分たちを平和を愛好する国、他方、(日独伊を)好戦国として規定。
第2次世界大戦開戦直後の1942年1月1日、米英に加え、ソ連と中華民国の4カ国による「連合国共同宣言」(“Declaration by the United Nations”)として、「大西洋憲章」の8つの条項がワシントンD.C.で合意された。
さらに翌日、22カ国が署名に追加して、これが第2次世界大戦における連合国を構成するの正式な合意文書となった。
しかし、スターリンが率いる共産主義的全体主義国家のソ連も参加したものであり、本来、連合国を民主主義同盟と称すること自体、大きな欺瞞だと山下名誉教授。
このような代物を、今後のわれわれ自由民主主義陣営の憲章とすべきではないのではないだろうかと。
この際、自由主義陣営の中国・ロシアなどの全体主義的強権国家に対抗する理念を示す憲章として、日米豪印4カ国のQUAD(クウォッド)が中心となり、「インド太平洋憲章」(“the Indo-Pacific Charter”)を作成すべきではないだろうかとも。
「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)構想を発案したわが国が主導して、これを起草すべきだと山下名誉教授。
いまや、対中国・ロシア牽制戦略の基本的な枠組みとして、自由主義世界で広く受け入れられている。
英国、フランス、ドイツ、オランダの海軍が、この地域に艦船を派遣する動きにまでなっている。
諸兄がご承知の様に、いまの世界の構図は、「自由民主主義国家 vs.中露などの全体主義的強権国家」の対立であり、新冷戦とも言える状況。
ただ、第2次世界大戦の構図とは、根本的に異なると山下名誉教授。
米国は、第2次世界大戦終了後、数々の戦争に関与してきた。しかしながら、世界最強の軍事力を持ちながら、実は主要な戦争に敗北し続けている。
米戦略国際問題研究所(CSIS)顧問のハーラン・ウルマンは、第2次世界大戦終了後、米国が明確に勝利したと言える戦争は、1991年、ジョージ・ブッシュ(父)大統領の下に戦われた湾岸戦争だけだと述べている。
戦略家のエドワード・ルトワックは「1945年以降、アメリカは負け続けている」と。
そして、第2次世界大戦後、最大の米兵犠牲者(5万8000人強)を出して敗北したベトナム戦争。
今、それをうわまわる20年間にわたり2兆ドル以上(250兆円)を投じたアフガニスタンへの米軍の駐留は、8月30日、米軍の完全撤退の形で終了。
敗戦の撤退が難しいとは、昔からの兵法の習。バイデン氏の戦術には、国内外から批判が集中している様子。
米ソの東西冷戦は、米国にとって第2次世界大戦後、ほとんど唯一の輝かしい勝利と言える。これは、西ヨーロッパ諸国と日本が全面的に協力したからこそ勝利できたのである。
わが国は、米国、西ヨーロッパ諸国とともに、冷戦の勝者であると山下名誉教授。
この意味でも、日本が中心となり自由民主主義諸国の理念を「インド太平洋憲章」として起草する資格が十分にあるといえようと。
わが国は、直近の世界大戦の勝者として、国際社会に登場したいものであるとも。
新冷戦の自由民主主義陣営は、日米豪印4カ国のQUADを中心として、世界のすべての民主主義国に参加してもらうべきであると。
それは、トランプ氏が各国に旗色の明示を迫ることですすめていましたが、道半ばで落選のだめしりぞきましたが、バイデン氏はいまのところ同盟国との絆を強める形(元来、民主党の方が厳しく負担強要)で継続していますね。
自由で開かれたインド太平洋戦略を、QUADを中心として民主主義国に参加してもらい、「インド太平洋憲章」に当初参加してもらうのは、「QUAD +α」とするのが適当であろうと山下名誉教授。
実績造りを迫られる習近平。毛沢東の国共内戦以来の悲願の台湾併合への軍事行動は遠くないと言われていますね。
抑止力としての自由主義諸国の団結が求められていますね。
# 冒頭の画像は、クイーンエリザベスを発艦する最新鋭ステルス戦闘機「F35B」
女郎蜘蛛
↓よろしかったら、お願いします。