全世界が新型コロナウイルス禍に翻弄された令和2(2020)年の幕が下りる。私たちはその経験から何を導き出し、新たな年の扉を開くのかをテーマに、日米欧を代表する「知」の3氏はオンライン鼎談(ていだん)で2021年以降の世界の行方を産経新聞が主催し、世界と日本がとるべき針路が語られています。3氏は、民主主義を守るためにも、加速する変革に積極的に対応していく姿勢が必要だと説いておられます。 . . . 本文を読む
米中による「新冷戦時代」の対立が深まった今年は、世界情勢が大きく変化した都市として、歴史に残る年となるのではないでしょうか。
定年制を廃して独裁体制を構築していた習近平が、軍事力と資金力とで世界中に覇権を拡大するのを阻止しようと立ちはだかった米国。
対中交易の利益が先立ち腰が重かった欧州勢が、新型コロナ感染元となった中国の姿勢、香港の「一国二制度」を期限を待たず破綻させた国際公約無視の「香港国家安全維持法」の強行、ウイグルやチベットでの民族弾圧、「一帯一路」の債務の罠といった暴挙に、さしもの欧州勢も重い腰をあげ、中国と自由主義陣営との「新冷戦時代」の構図が、より鮮明になったのでした。
この間の欧州勢の動きについて、WSJが振り返った記事を掲載していました。
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12月23日、外務省は1989年に中国で起きた天安門事件当時の外交文書を公開しました。
外交文書では、日本政府が事件直後から「人道的見地から容認できない。しかし、中国を孤立化へ追いやるのは、大局的見地から得策ではない」として、西側諸国が一斉に人権侵害による経済制裁へと動く中で、日本のみが中国批判の声を上げなかったことが記録されているのだそうです。
事件後、学生たちの民主化運動の「陰の黒幕」として中国政府から指名手配され、北京のアメリカ大使館へ逃げ込んで1年近く立てこもり、政治交渉の末にアメリカへ出国した天体物理学者の方励之(ほうれいし)という人物がいたのですが、この日本の行為のおかげで、キッシンジャーと鄧小平との会談で約束された、方励之夫妻の米国亡命が実現するということがあったと、譚 璐美(たん・ろみ)さん。 . . . 本文を読む
尖閣諸島の領海を含む近海への中国の「海監」の接近・侵入は、実効支配の実績造りへエスカレートを続けています。
実効支配を目指しているのは、オバマ政権時に、ヒラリー・クリントン国務長官(当時)が、日米安保条約の適用範囲と公言し、その条件として、日本が実効支配しているとしたからで、トランプ政権でも継承されているからとは、諸兄がご承知のことです。
「海警」の実効支配強化の動きは、中国漁船団の襲来が公言され、日本国内で、にわかに注目されましたが、襲来は未遂に終わっている現状ですね。
日本の実効支配実績造りの議論が盛んになりましたが、喉元過ぎればなんとやら、今はとんと見聞しなくなりました。
そんな中で独り、与那国島の漁船が、「今のままだったら中国に盗られる。、そうしたら漁は出来なくなる。」と危惧し、漁を続けているのです。
身元も目的もしっかりしている瑞宝丸をわざわざ「所属不明の漁船」と中国政府がのたまったのは、勇敢にも漁をやめない瑞宝丸のしぶとさに対しての悔しさの表れであるとしか思えない。日本国内に、『右翼のデモンストレーション船』と批判する輩もいたりする。
国がなおざりにしている尖閣諸島の実効支配策を、独り「尖閣で漁をしたい」と、護っているウミンチュの存在を、フリーライターの西牟田靖氏が教えていただいています。 . . . 本文を読む
難航を続けてきたブレクジット(Brexit、英国のEU離脱)交渉でしたが、ギリギリの最終期限とされる12月23日を過ぎた翌24日、ようやく合意に達したのですね。
結果はどちらに有利だったかといえば、その実は圧倒的に英国にとって有利な結果に持ち込めたと、酒井吉廣中部大学教授。
英国がかなり自国に有利な形でEUとFTAを結んだことは、制度疲労をおこしているEUの崩壊が始まるきっかけになる可能性があると考えるべきであろうと。 . . . 本文を読む
米大統領を正式に選出する選挙人による投票が14日に行われ、民主党のジョー・バイデン前副大統領が当選に必要な選挙人の過半数を上回る306人を獲得し、次期大統領に確定しました。
しかしひと山越えたことで、別の問題が浮上してくると、笹川平和財団上席研究員の渡部恒雄氏。
それは、上院が共和党が過半数を維持する見込みで、ネジレが生じる事と、党内の3つの勢力のバランス運営という課題。 . . . 本文を読む
政府は12月18日、「敵基地攻撃能力」の保有について、年内に結論を出すことなく、「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」と結論先送りを発表しました。
安倍前首相は、退陣直前の9月11日に談話を発表し、「迎撃だけで本当に国民の命を守り抜くことができるのか」と問題を提起。「抑止力強化のため、ミサイルを防ぐ安全保障政策の新たな方針を与党と協議して年末までにその姿を示すよう」菅政権に託しました。
しかし、安倍政権の政策を継承すると明言した菅義偉首相ですが、結局は「敵基地攻撃能力」という日本防衛の重要事項に関しては継承しなかったのです。残念でなりませんと、ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー、前・陸上自衛隊東部方面総監の渡部氏。 . . . 本文を読む
あと10日余りでブレグジットがスタート。
期限が迫ってもまだ続いているEU本部との論争など、どうでもいい。1月1日よりも前に通商協定を結ぶことと、協定「なし」でいくこととの違いなど、ブレグジットの崇高な目的に照らせば些細なこと言い捨てていいのか。
中身の乏しい通商協定と何の取り決めもないこととの差は、深刻な混乱とより深刻な混乱との違いでしかないとすませるのか。
Financial Timesが、 1月 1日から見切り発車するブレグジットについて論じていました。
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米大統領選の選挙人による投票が14日にアメリカ各地であり、民主党のジョー・バイデン氏が過半数の票を獲得した。これによって、当選が正式に確定しましたが、バイデン氏は閣僚人事の発表はその前から発表していて、10日には、新政権で貿易、農務、内政を取り仕切る主要メンバーを発表しました。
副大統領候補、国務長官候補と重要ポジションが話題になる都度、オバマ政権後期に国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたスーザン・ライス氏の登用が俎上に上がっていました。
オバマ政権後期が、親中路線に傾斜したのをリードしたが、パンダハガー代表のスーザン・ライス氏とは、衆知のことで、注目されていたのですが、最後に国内政策の要の補佐官に登用。
それは、共和党が上院を多数派を維持すると見込まれ、上院の承認を必要としない補佐官での登用という、姑息な手段を用いたもの。 . . . 本文を読む
政府は18日、新たなミサイル防衛システムの整備に関する閣議決定で、国産の長射程巡航ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」を開発することを正式表明しました。目的は、「島嶼(とうしょ)部を含む我が国への侵攻を試みる艦艇等に対して、脅威圏の外から対処を行うため」。
併せて、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備断念を受けた代替案として「イージス・システム搭載艦」2隻を建造することも明記。
イージス・システム搭載艦は、弾道ミサイル防衛を主任務とするが、巡航ミサイルを迎撃できる「SM6」も搭載する方向だと。 . . . 本文を読む
尖閣諸島付近で操業中であった中国漁船と、これを違法操業として取り締まりを実施した日本の海上保安庁との間で発生した「尖閣諸島中国漁船衝突事件」から10年。
11月に来日した王毅国務委員兼外相が茂木敏充外相との共同記者発表で中国公船の尖閣周辺領海への侵入を正当化したことに対し、茂木氏が直ちに反論しない失政がありましたが、今月14日、岸防衛相と魏鳳和国務委員兼国防相とがテレビ会議方式の会談を行った際、岸大臣は尖閣諸島は日本の領土だと強調し、中国軍や中国公船の活動に自制を求めるとともに、王毅国務委員兼外相が茂木敏充外相との共同記者発表で中国公船の尖閣周辺領海への侵入を正当化した問題を取り上げ、「全く受け入れられない」と反論し、茂木氏が直ちに反論しなかった失策を補ったのだそうです。
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中国の著名学者、翟東昇教授の11月28日の講演が、中国人と在米華人のSNS上で炎上しているのだそうです。
興味深いのは、最近の中国の政権批判は、米国メディアや在米華人らの反応とセットにして、米国内と中国内で同時に世論誘導を起こそうとしていることだと中国ウオッチャーの福島香織さん。 . . . 本文を読む
中国の王毅外相が11月24、25日に来日し、尖閣諸島の領有権を一方的に主張したことは、日本中で怒りの声が高まりました。
対談し共同記者会見に同席した茂木外相が、一言も反論しなかったことも併せて批判されています。
岸信夫防衛相は14日、中国の魏鳳和国務委員兼国防相とテレビ会議形式で会談し、尖閣諸島周辺で中国軍や中国公船が活動を常態化させていることについて、強い懸念を伝えるとともに、王毅外相が11月の来日時に中国側の領海侵入を正当化したことについて「全く受け入れられない」と反論して、改めて尖閣諸島について「歴史的にも国際法上も疑いのない日本の領土で、日本が有効に支配しており、尖閣諸島をめぐる解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」と日本側の立場を強調。中国側に、事態をエスカレートさせるような行動を取らないよう自制を求めたのだそです。
そんななか、尖閣諸島を日本領と記した19世紀後半の英国製とドイツ製の地図が新たに確認され、日本国際問題研究所に寄贈されたのだそうです。 . . . 本文を読む
14日、全米50州と首都ワシントンで行われた。計538人の選挙人による投票で、民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)が過半数を超える306票を獲得し、当選が事実上確定しましたね。
バイデン次期政権に対する批判勢力は、同政権が中国に硬軟両面のシグナルを送っていることをやり玉に挙げて、すでに攻撃を開始していると、WSJ「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ウォルター・ラッセル・ミード氏。 . . . 本文を読む