沖縄で6月と9月、玉城デニー県政の今後を占う重要選挙があった。
結果は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力がいずれも大敗し、「反基地イデオロギー県政」は終焉(しゅうえん)に向かっていると強く感じたと、八重山日報の前編集長で、現在、同社編集主幹の仲新城誠氏。
6月の県議選で「オール沖縄」勢力は48議席中20議席にとどまった。改選前の24議席から大きく後退し、辺野古移設を容認する自民党中心の野党が多数派となったのは、地方自治体選挙で、立憲民主が自民党候補に連勝する中でその流れを止める稀有な選挙となり、その後の都知事選で蓮舫氏敗退にもつながったことは、ご記憶の諸兄が多いと存じます。
更に遡れば、翁長知事時代、知事選を控え各地市町の首長選で、オール沖縄の候補の敗戦が目立ち始めた時、翁長知事が急逝され、弔い合戦の知事選となり、翁長県政を継いだオール沖縄の玉城氏が知事の椅子を獲得していたのでした。
その、オール沖縄勢衰退が、いま再来傾向の様相なのですね。
辺野古移設をめぐり、県は国と法廷闘争を繰り広げてきたが、県議会の承認がないと新たな裁判は起こせない。移設反対の発信などを目的に、県が米国に設置しているワシントン事務所も、存続が認められなくなる公算が大きくなった。
玉城知事は今後、辺野古移設阻止に向けた方策をほぼ完全に封じられる。事実上、県政は「レームダック(死に体)化」すると、仲新城氏。
「オール沖縄」勢力の主な敗因は、裁判の判決で辺野古移設工事が進展し、選挙で移設の是非を争点化できなくなったことだと。
有権者の関心は米軍基地問題から、物価高や子の貧困といった経済、福祉問題へシフトしたと、仲新城氏。
普天間飛行場を抱える宜野湾市で9月に市長選が行われた。「オール沖縄」勢力の候補者はついに、選挙戦で「辺野古」にほとんど触れず、経済、福祉問題を中心に訴えるという戦略を取ったのだそうです。
皮肉にも「オール沖縄」勢力の方が「辺野古隠し」に走ったと、仲新城氏。
しかし、市長選は、自民党などが推薦する元職の佐喜真淳氏が圧勝。
辺野古移設の是非が争点にならなければ勝てない、という「オール沖縄」の弱点が改めて露呈されたと、仲新城氏。
10月27日に衆院選が投開票される。「オール沖縄」勢力は、辺野古移設反対を掲げれば有権者から絵空事とみなされ、経済や福祉に重点を置けば自民党に後れを取る、というジレンマに直面する。
「オール沖縄」に支えられる玉城知事も、現在の反基地一辺倒の姿勢を転換しない限り、2年後の知事選で当選は困難だろう。イデオロギー優先で政治を進める時代は終わったと、仲新城氏。
台湾有事は沖縄=日本有事とされるなか、訪中後何を命じられたのか、ハワイ、ジュネーブを歴訪し米軍の撤退を説いて回った玉城知事。
沖縄の民意は、変化が進んでいるようですね。
# 冒頭の画像は、玉城知事
この花の名前は、ルドベキア フリギダ・デアミー
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA
月刊Hanada2024年2月号 - 花田紀凱, 月刊Hanada編集部 - Google ブックス
結果は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力がいずれも大敗し、「反基地イデオロギー県政」は終焉(しゅうえん)に向かっていると強く感じたと、八重山日報の前編集長で、現在、同社編集主幹の仲新城誠氏。
【仲新城誠 沖縄が危ない!】「オール沖縄」重要選挙で大敗 県政の「反基地イデオロギー」終焉へ 辺野古移設反対は「絵空事」衆院選でジレンマに - zakzak:夕刊フジ公式サイト 仲新城誠 2024.10/12
沖縄で6月と9月、玉城デニー県政の今後を占う重要選挙があった。知事を支え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力がいずれも大敗し、「反基地イデオロギー県政」は終焉(しゅうえん)に向かっていると強く感じた。
6月の県議選で「オール沖縄」勢力は48議席中20議席にとどまった。改選前の24議席から大きく後退し、辺野古移設を容認する自民党中心の野党が多数派となった。
辺野古移設をめぐり、県は国と法廷闘争を繰り広げてきたが、県議会の承認がないと新たな裁判は起こせない。移設反対の発信などを目的に、県が米国に設置しているワシントン事務所も、存続が認められなくなる公算が大きくなった。
玉城知事は今後、辺野古移設阻止に向けた方策をほぼ完全に封じられる。辺野古に限らず、知事肝いりの重要政策も、自民党など野党の理解がなければ実行できない。事実上、県政は「レームダック(死に体)化」する。
「オール沖縄」勢力の主な敗因は、辺野古移設工事が進展し、選挙で移設の是非を争点化できなくなったことだ。
「オール沖縄」勢力がいくら反対を訴えても、目の前で辺野古沿岸が埋め立てられている中ではリアリティーを欠く。有権者の関心は米軍基地問題から、物価高や子の貧困といった経済、福祉問題へシフトした。
県議選に続き、普天間飛行場を抱える宜野湾市で9月に市長選が行われた。「オール沖縄」勢力の候補者はついに、選挙戦で「辺野古」にほとんど触れず、経済、福祉問題を中心に訴えるという戦略を取った。
「オール沖縄」勢力の全盛期、辺野古移設を容認する自民党の候補は県民の反発を恐れ、選挙で「辺野古」に言及することを避けていた。当時「オール沖縄」勢力や沖縄メディアは自民党の姿勢を「辺野古隠し」と呼んで激しく批判したものだ。
ところが、宜野湾市長選では、皮肉にも「オール沖縄」勢力の方が「辺野古隠し」に走った。だが、ご都合主義の沖縄メディアは、こうした変わり身の早さを疑問視もせずスルーした。
市長選は、自民党などが推薦する元職の佐喜真淳氏が圧勝した。辺野古移設の是非が争点にならなければ勝てない、という「オール沖縄」の弱点が改めて露呈された。
10・27衆院選でジレンマ
10月27日に衆院選が投開票される。「オール沖縄」勢力は、辺野古移設反対を掲げれば有権者から絵空事とみなされ、経済や福祉に重点を置けば自民党に後れを取る、というジレンマに直面する。
「オール沖縄」に支えられる玉城知事も、現在の反基地一辺倒の姿勢を転換しない限り、2年後の知事選で当選は困難だろう。イデオロギー優先で政治を進める時代は終わったのだ。
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■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。
沖縄で6月と9月、玉城デニー県政の今後を占う重要選挙があった。知事を支え、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力がいずれも大敗し、「反基地イデオロギー県政」は終焉(しゅうえん)に向かっていると強く感じた。
6月の県議選で「オール沖縄」勢力は48議席中20議席にとどまった。改選前の24議席から大きく後退し、辺野古移設を容認する自民党中心の野党が多数派となった。
辺野古移設をめぐり、県は国と法廷闘争を繰り広げてきたが、県議会の承認がないと新たな裁判は起こせない。移設反対の発信などを目的に、県が米国に設置しているワシントン事務所も、存続が認められなくなる公算が大きくなった。
玉城知事は今後、辺野古移設阻止に向けた方策をほぼ完全に封じられる。辺野古に限らず、知事肝いりの重要政策も、自民党など野党の理解がなければ実行できない。事実上、県政は「レームダック(死に体)化」する。
「オール沖縄」勢力の主な敗因は、辺野古移設工事が進展し、選挙で移設の是非を争点化できなくなったことだ。
「オール沖縄」勢力がいくら反対を訴えても、目の前で辺野古沿岸が埋め立てられている中ではリアリティーを欠く。有権者の関心は米軍基地問題から、物価高や子の貧困といった経済、福祉問題へシフトした。
県議選に続き、普天間飛行場を抱える宜野湾市で9月に市長選が行われた。「オール沖縄」勢力の候補者はついに、選挙戦で「辺野古」にほとんど触れず、経済、福祉問題を中心に訴えるという戦略を取った。
「オール沖縄」勢力の全盛期、辺野古移設を容認する自民党の候補は県民の反発を恐れ、選挙で「辺野古」に言及することを避けていた。当時「オール沖縄」勢力や沖縄メディアは自民党の姿勢を「辺野古隠し」と呼んで激しく批判したものだ。
ところが、宜野湾市長選では、皮肉にも「オール沖縄」勢力の方が「辺野古隠し」に走った。だが、ご都合主義の沖縄メディアは、こうした変わり身の早さを疑問視もせずスルーした。
市長選は、自民党などが推薦する元職の佐喜真淳氏が圧勝した。辺野古移設の是非が争点にならなければ勝てない、という「オール沖縄」の弱点が改めて露呈された。
10・27衆院選でジレンマ
10月27日に衆院選が投開票される。「オール沖縄」勢力は、辺野古移設反対を掲げれば有権者から絵空事とみなされ、経済や福祉に重点を置けば自民党に後れを取る、というジレンマに直面する。
「オール沖縄」に支えられる玉城知事も、現在の反基地一辺倒の姿勢を転換しない限り、2年後の知事選で当選は困難だろう。イデオロギー優先で政治を進める時代は終わったのだ。
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■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。
6月の県議選で「オール沖縄」勢力は48議席中20議席にとどまった。改選前の24議席から大きく後退し、辺野古移設を容認する自民党中心の野党が多数派となったのは、地方自治体選挙で、立憲民主が自民党候補に連勝する中でその流れを止める稀有な選挙となり、その後の都知事選で蓮舫氏敗退にもつながったことは、ご記憶の諸兄が多いと存じます。
更に遡れば、翁長知事時代、知事選を控え各地市町の首長選で、オール沖縄の候補の敗戦が目立ち始めた時、翁長知事が急逝され、弔い合戦の知事選となり、翁長県政を継いだオール沖縄の玉城氏が知事の椅子を獲得していたのでした。
その、オール沖縄勢衰退が、いま再来傾向の様相なのですね。
辺野古移設をめぐり、県は国と法廷闘争を繰り広げてきたが、県議会の承認がないと新たな裁判は起こせない。移設反対の発信などを目的に、県が米国に設置しているワシントン事務所も、存続が認められなくなる公算が大きくなった。
玉城知事は今後、辺野古移設阻止に向けた方策をほぼ完全に封じられる。事実上、県政は「レームダック(死に体)化」すると、仲新城氏。
「オール沖縄」勢力の主な敗因は、裁判の判決で辺野古移設工事が進展し、選挙で移設の是非を争点化できなくなったことだと。
有権者の関心は米軍基地問題から、物価高や子の貧困といった経済、福祉問題へシフトしたと、仲新城氏。
普天間飛行場を抱える宜野湾市で9月に市長選が行われた。「オール沖縄」勢力の候補者はついに、選挙戦で「辺野古」にほとんど触れず、経済、福祉問題を中心に訴えるという戦略を取ったのだそうです。
皮肉にも「オール沖縄」勢力の方が「辺野古隠し」に走ったと、仲新城氏。
しかし、市長選は、自民党などが推薦する元職の佐喜真淳氏が圧勝。
辺野古移設の是非が争点にならなければ勝てない、という「オール沖縄」の弱点が改めて露呈されたと、仲新城氏。
10月27日に衆院選が投開票される。「オール沖縄」勢力は、辺野古移設反対を掲げれば有権者から絵空事とみなされ、経済や福祉に重点を置けば自民党に後れを取る、というジレンマに直面する。
「オール沖縄」に支えられる玉城知事も、現在の反基地一辺倒の姿勢を転換しない限り、2年後の知事選で当選は困難だろう。イデオロギー優先で政治を進める時代は終わったと、仲新城氏。
台湾有事は沖縄=日本有事とされるなか、訪中後何を命じられたのか、ハワイ、ジュネーブを歴訪し米軍の撤退を説いて回った玉城知事。
沖縄の民意は、変化が進んでいるようですね。
# 冒頭の画像は、玉城知事
この花の名前は、ルドベキア フリギダ・デアミー
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
月刊Hanada2024年2月号 - 花田紀凱, 月刊Hanada編集部 - Google ブックス