中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は、南太平洋諸国を歴訪の上、フィジーでオンライン形式での外相会議を開催しました。
日米豪印のクアッド、米国の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」提唱で、対中包囲網が強化される事への対抗と、台湾有事での、米豪の行動抑止の軍事拠点構築が狙いとは、諸兄がご承知の通りです。
各国への札束外交で、台湾との国交断絶を進めるなど、優勢に展開している報道に接していましたが、王毅氏の歴訪に、太平洋への玄関口を抑えられかねないオーストラリアは、ウォン外相が対抗訪問し、防戦に努めました。
その成果なのでしょう。一部の国から安保協定締結への反対意見が出され。中国の協定締結への野望は失敗に終わったようです。 . . . 本文を読む
中国でのオミクロン株蔓延が止まらず、都市封鎖の長期化が、連日TVのワイドショー番組を賑わせています。
習近平が固執するゼロコロナ政策への評価が問われますが、今年秋に迫った 5年に 1度開催の第20回共産党大会を控え、定年を無視する習近平と、遵守する李克強との対立が顕在化しはじめてきているようですね。
WSJの、Lingling Wei and Brian Spegele 両氏の寄稿記事(以下 WSJと呼称)が、スポットを当てています。
海外企業の投資も減り始めている様子。
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米NPO「共産主義犠牲者記念財団(Victims of Communism Memorial Foundation)」上級研究員のドイツ人ウイグル問題研究者、エイドリアン・ゼンツが5月24日、多くの国際メディアと協力して、中国共産党によるウイグル人迫害の新たな証拠となる公安内部の文書や写真を集めた「新疆公安文書」を公表したと、元産経新聞中国特派記者の福島香織さん。
この新たな資料から、新彊におけるウイグル人ジェノサイドが習近平総書記の肝いりの指示であることも判明したのだそうです。 . . . 本文を読む
秋の共産党大会での専制体制確立に向け、着々と地固めを進めている習近平かの様に見えますが、習氏の強引な政治手法は、党内や国民から不満を高めているとの見方が出てきていて、SNS上にポスト習近平の名が取沙汰されているのだそうです。
夕刊フジが識者の見解を集めています。 . . . 本文を読む
最近の中国への注目点は、バイデン氏が韓国、日本歴訪で出かけてきたこと。日本訪問では、クアッド首脳会談の日本での開催出席もありました。
アフガン撤退での大失政を冒してまでも急いでいる、対中包囲網強化の一環。IPEFをぶち上げたバイデン氏の国内外へのアピールの行脚でもありました。
プーチンのウクライナ侵攻や、習近平の台湾侵攻。世界が、民主主義国と専制国家とへの分断が進む中、アジア回帰の一端をのぞかせたバイデン氏といった印象が残りました。
そんな世界情勢の中、秋の党大会で一段と権力集中を実現したい習近平が、苦しい展開に面していると、アベノミクス創出チームの一員だった、高橋洋一氏が、中国の近況を解説いただいています。 . . . 本文を読む
韓国関連ニュースについては、文在寅政権との断絶への安倍政権の歴史的な外交方針転換に賛同し、取り上げることは極力避けてきました。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)新政権誕生でも、様子見で、韓国関連の話題は無視するように努めていますが、竹島周辺海域の新型海洋調査船就航との話題は、放置するわけにはいかず取り上げさせていただきました。
もちろん伊政権以前の文政権時にスタートした案件で、伊政権の発案ではないのですが、就航運用は、伊政権の意思となります。
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日米首脳会談が実施されました。岸田氏は、首相就任に伴い、恒例の米国大統領との面談を希望しましたが、バイデン氏が提唱した北京冬季五輪への「外交的ボイコット」に対し、中国との二股外交で逡巡したことで、日程回答を保留された挙句、直接の面談ではなく、オンラインでの面談に格下げされていました。
ようやく直接の面談となりました。
今回のバイデン氏の韓国を含む歴訪の第一番の目的は、自ら提唱する対中包囲網の「IPEF(インド太平洋経済"枠組")」の提唱と参画募集と、24日開催のQUAD(クアッド)主席。
日本にとって大きく影響があったのは、岸田氏自らが明かした「私から日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した」こと。
もうひとつは、来年の日本でのG7開催地を、広島とすることで、バイデン氏の支持をとりつけたこと。
後は、バイデン氏のリップサービスなのかどうか、今回のプーチン氏によるウクライナ侵攻に対する国連の無力さで再燃し始めた国連改革で、日本の常任理事国入りへのバイデン氏の支持を得たこと。 . . . 本文を読む
ウクライナ侵攻を巡り、ロシア国内で批判的な論調が広がってきたと、WSJのThomas Grove and Matthew Luxmooreによる投降記事(以下、WSJと表記)
戦況や、世界の対露評価の情報が、ロシア国内にどのように伝えられているのか、そしてロシア国内ではどのように評価されているのかはなかなか知ることが出来ませんでした。
概ね、国営放送での政府のプロパガンダ報道で、偏向情報が流され、プーチン氏への支持誘導がなされているとの憶測が見聞されていました。
ところが、戦場での失態が増えるのに伴い、そのトーンにも変化が生じていると、WSJ。 . . . 本文を読む
ウクライナ兵の退避が続く南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所。
完全にロシア軍が制圧したと思っていてら、未だアゾフ大隊は抗戦を続けていて、副司令官は19日夜、SNSでビデオ声明を配信し、「自身や他の司令官は製鉄所内にいる。作戦は継続中」と述べ、籠城を続ける考えを示したのだそうです。
また、ウクライナ軍参謀本部は19日、東部ハルキウ(ハリコフ)州で、反撃を表明した今月 5日以降に奪還した集落は23か所に上ると説明。
英国防省は19日、ハルキウ州で作戦を指揮していた露軍戦車部隊の司令官が、職務停止処分を受けたとする分析を発表。露海軍黒海艦隊の司令官も、今年 4月の艦隊旗艦「モスクワ」の沈没を受け、同様に処分された可能性があるのだと。
ウクライナ側の反撃戦果がみられる近況となってきていますね。 . . . 本文を読む
秋の共産党大会では、習近平の独裁体制固めがなされるべく万事が進んでいると、万人が注視していますが、ゼロコロナに固執し、ウクライナ侵攻で世界中から袋叩きのプーチンを陰で擁護する習近平に早期引退、李克強への暫定政権移譲をし、環境整備後胡春華らに集団指導体制を託すと言う説が流行っていると、福島香織氏。
上海のロックダウンの様子が連日報道されていますが、習近平の固執が、習近平の無能さの評価に変わろうとしているのでしょうか。 . . . 本文を読む
ロシア軍のウクライナ侵攻は、5月9日の対独戦勝記念日に、戦果を発表できず、プーチン氏の威信は失墜したはずですが、特段の情報は見聞できませんでした。
ウクライナ侵攻の戦果では、東部ではむしろ劣勢で戦線後退もみられる状況でしたが、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所のアゾフ大隊が、実質降伏しました。
プーチン氏が盛んに口にしてきたネオナチからの救出が、なったと言い張ることは出来ますが、東部での戦況は、米国他からのウクライナへの最新兵器や戦車の支援で、ロシア軍は劣勢。
NATOのストルテンベルグ事務総長は「ウクライナは勝利できる」と述べていますね。
そこで、孤立化を隠し結束を示そうと招集した「集団安全保障条約機構(CSTO)」の首脳会合。参加国は、積極姿勢を示さず、むしろ逆効果。
ロシア漫談家としても親しまれている、筑波大名誉教授の中村逸郎氏は、「ロシアの諜報機関はポスト・プーチンをにらみ、自らに都合のいい体制づくりに着手し始め、主導権争いになっている。プーチン氏は諜報機関の離反を把握していても、制止や粛清を実行すれば、離反者が増えるという負の循環に陥っている」との見方を示しておられます。 . . . 本文を読む
沖縄県は、1972年の本土復帰から50年を迎え、15日沖縄と東京の2会場で記念式典が開催されました。
米軍の沖縄上陸戦では、県民の一般市民の方々にも多くの犠牲者が出ました。
太田中将が自決前に、海軍中将あてに打電した、「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」の電文は、今でも多くの日本人に伝承されています。
また、同時に、沖縄の海上戦でも、対空戦力が劣勢と判っていながら防衛に出撃し撃沈された戦艦大和にも、日本国中の出身の将兵が参戦、戦死しました。
そして敗戦後米軍の統治下におかれた沖縄が、1972年5月15日に日本に返還されたのでした。
記念式典での、天皇陛下、岸田首相、玉城知事等の式辞を始め、メディアや解説者などの多くのコメントが発せられました。
戦禍の悲惨さに続く、占領下(外国扱いで往来にパスポートが必要)、復帰後も続いた基地の町の事故や事件の話。
歴史を忘れないためと、現状の再認識の為の多くの議論がなされることには、全く意義はありません。
しかし、それらの解説や、議論には、今現在の変化しつつある重大な状況について語られるのは聞かれません。
こうした記念日が、記念日として終わってしまうのは、現状と未来についての議論がなおざりだからではないでしょうか。
特に、尖閣諸島≒沖縄≒日本に侵入を繰り返す中国についての議論が、すっぽり抜け落ちて、米軍基地を排除する話が姦しい。
今回、産経新聞が、中国の動きも併せて記事にしていただいていて、ウクライナへの国連常任理事国のロシアの侵攻が行われ、世界中がそれぞれの国の対応が問われるなか、中国に依る台湾侵攻=尖閣諸島同時侵攻の危機をかかえる沖縄の防衛にかかわる記事がみつかりましたので、取り上げさせていただきました。 . . . 本文を読む
中国政府が香港の次期行政長官に元治安当局トップの李家超(ジョン・リー)氏を据えてから1週間もたたないうちに、宗教の自由を標的にし、90歳のカトリック高位聖職者・陳日君(ジョセフ・ゼン)枢機卿等、4人を逮捕しました。
4人は、2019年の民主化運動に参加した香港市民に法的支援・医療費その他の支援を行うために寄付を受け付けた「612人道支援基金」の信託人だった。
今回の逮捕は、香港の政治犯を弁護する者はすべて阻止するという中国の考えを浮き彫りにする。中国でそうであるように、次は被告側の弁護士が標的になるかもしれないと、WSJ。 . . . 本文を読む
中国の共産党政権は、毛沢東の独裁政治の破綻の反省から、鄧小平が、集団指導体制と定年制を導入。日本の戦後の急成長を松下幸之助氏に学び、経済急成長を遂げたことは諸兄がご承知
の通りです。
以後、党主席又は総書記は、胡耀邦、趙紫陽、江沢民、胡錦涛、習近平と引き継がれてきました。
その集団指導体制を、毛沢東時代の独裁体制に戻そうとしているのが、習近平とは、衆知のことですね。しかも、習近平の定年も撤廃。
また、経済については代々首相が担っていたものを、習近平が担い、国営企業優先とし、鄧小平が日本の戦後復興から学んで産み出した、中国流社会主義経済で、いまやGDPでは日本を遥かに抜き去り、世界2位に上り詰め、更に米国をも抜き去ろうかという勢い。
しかし、急成長する民間企業経営者を弾圧したり、安価な労働力での世界の工場モデルに人件費の高騰、不動産価格の高騰等で陰りが見え始め、コロナ禍もあり、経済は失速。近年まれに見る経済不振に陥っています。
経済は首相担当と切り離していた時代は、主席に責任は問われませんでしたが、経済にも手を広げた習近平。責任を問われる立場になっています。
中国はこのほど民間テクノロジー企業に対する規制を緩和し、不動産開発業者や住宅購入者への貸出規定を緩めるとともに、習氏の「ゼロコロナ」戦略により中国の大部分がロックダウン(都市封鎖)を余儀なくされている中で製造業の生産を一部再開した。こうした動向は李氏の影響力によるものだというと、WSJ・中国特派員のリンリンウェイさん。
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日本最西端の与那国島は、台湾から111キロ・メートルで、人口約1700人の国境離島。
台湾有事が危惧される今、中国と実効支配争いをしている尖閣諸島と共に、沖縄=日本の護りに地政学上脚光をあびていますね。
エマニュエル駐日米大使は、着任3か月で沖縄を訪問、玉城知事と会談、日米同盟を深化させる意義を強調したのだそうです。
米軍は、新たな作戦「遠征前方基地作戦(EABO)」を公表。米海軍の制海権確保を支援するのだそうです。
日米同盟の強化で、中国の台湾&尖閣侵攻抑止に役立てたい。
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