ジョー・バイデン米大統領が2021年に行った「米国が戻ってきた」という宣言は、トランプ政権との貿易問題を乗り越えて先に進みたいと考えていた欧州連合(EU)当局に歓迎された。
ところがバイデン氏は、ドナルド・トランプ前米大統領の保護主義的な考えに基づく政策を撤回するどころか、その多くを推進してきたと、WSJ・アンドリュー・デュエレン。
欧州では、米共和党の大統領候補に選出されそうなトランプ氏がウクライナや北大西洋条約機構(NATO)を見捨てたり、世界貿易に混乱をもたらしたりするのではないかと懸念する声が多い。一方で、バイデン氏とトランプ氏の再戦が見込まれる米大統領選でどちらが勝とうが、米国の経済政策は欧州に不利な方向に傾いているとの認識も強まっている。あるEU外交官は「蜜月は終わった」と語ると、アンドリューデュエレン氏。
EU各国の外交官や当局者は、EUがルールに基づく貿易システムを支持し続ける上で米国に頼ることができるのか、あるいは、長年にわたり緊密な関係にある米EU間で経済的対立が生じる可能性があるのか、疑問を抱いている。
EUの当局者は全体として、伝統的な自由貿易の理念になお固執している向きが多い。米国の手法は中国が好む戦術をほうふつさせるもので、受け入れがたいとの立場だ。EU当局は米政府に対し、米国が中国に対抗することで欧州が巻き添え被害を被っていると訴えているとも。
バイデン政権の高官らは、同政権の政策がEUとの溝を作ったとの見方を否定し、米国とEUは重要な戦略的問題で歩調を合わせていると述べたのだそうです。
バイデン氏は2021年の就任後すぐに米国を再び北大西洋条約機構(NATO)重視に傾かせ、その1年後にロシアがウクライナに侵攻すると、NATO拡大を強く支持した。また、欧州の安全保障にコミットする考えを示し、各国首脳に米国が方針転換したという希望を抱かせたと、アンドリューデュエレン氏。
だが、バイデン氏の国際経済に関する世界観がトランプ氏のそれと一部共通していることが分かり、各国首脳は失望したのだそうです。
バイデン政権にとって初期の試練の一つは、トランプ政権が導入した対EU鉄鋼・アルミニウム関税にどう対処するかだった。
就任後、この関税を一時停止した。だが、撤廃には踏み切らず、より緩やかな関税を課したため、EUの金属輸出業界は、数億ドルの損失を被った。
EU首脳はバイデン氏に何度も関税撤廃を求めた。昨年10月にはウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長とシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)がワシントンを訪れ、バイデン氏との首脳会談に臨んだのだそうです。 首脳会談の最終声明では、この問題に関して交渉を続けると表明するにとどまった。ドムブロフスキス氏はその後、ジーナ・レモンド米商務長官と協力し、撤廃に至らなかった対EU関税の影響緩和に努めた。昨年12月、同関税の一時停止措置がさらに2年間延長されたと、アンドリューデュエレン氏。
多国籍企業に対する最低課税を実施するため、欧州諸国は米企業に新たな課税を行う可能性がある。米議会共和党は報復として欧州企業への課税をちらつかせている。
米共和党のロン・エステス下院議員(カンザス州)は「そのような道を歩めばパンドラの箱を開けることになる」と述べた。
税制交渉が決裂した場合、EUは米IT企業の域内事業に対して新たなデジタルサービス税を課す構えなのだそうです。
トランプ氏は選挙戦で、全ての輸入品に10%の関税をかけると表明。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、トランプ氏の再選は欧州にとって「明白な脅威」であるとし、前政権時代の関税導入やNATO批判を理由に挙げているのだそうです。 バイデン政権は、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁に関してEUと緊密に協力、エネルギー調達難に直面したEUに液化天然ガス(LNG)を供給する米企業支援をしていますが、トランプ氏が当選した場合に最も懸念されるのは、米国がウクライナを見捨て、ロシア軍がEUの玄関口まで迫ってくる可能性を、欧州では懸念していると、アンドリューデュエレン氏。
米超党派シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のエリック・ブラットバーグ氏は「米EU関係が崩れれば、世界の分断がさらに進み、ロシアや中国がルールに基づく世界秩序への権威主義的な挑戦を強めるだろう」と述べているのだそうです。
前期のトランプ氏は、米軍の力を背景にすることで、戦争を起こしませんでしたが、今は、ウクライナや中東、そして台湾海峡と火種を抱えていますが、どのように治めるのでしょう。 # 冒頭の画像は、ニューハンプシャーでも勝利したトランプ氏 この花の名前は、スキミアヤポニカ ↓よろしかったら、お願いします。
ところがバイデン氏は、ドナルド・トランプ前米大統領の保護主義的な考えに基づく政策を撤回するどころか、その多くを推進してきたと、WSJ・アンドリュー・デュエレン。
保護主義に傾く米国、いら立つ欧州 - WSJ アンドリュー・デュエレン 2024年1月31日
ジョー・バイデン米大統領が2021年に行った「米国が戻ってきた」という宣言は、トランプ政権との貿易問題を乗り越えて先に進みたいと考えていた欧州連合(EU)当局に歓迎された。
ところがバイデン氏は、ドナルド・トランプ前米大統領の保護主義的な考えに基づく政策を撤回するどころか、その多くを推進してきた。貿易障壁を維持したほか、米国の製造業強化に向けた補助金の対象から欧州企業を外した。さらに、中国による米国の技術利用をさらに制限して欧州諸国を驚かせた。
欧州では、米共和党の大統領候補に選出されそうなトランプ氏がウクライナや北大西洋条約機構(NATO)を見捨てたり、世界貿易に混乱をもたらしたりするのではないかと懸念する声が多い。一方で、バイデン氏とトランプ氏の再戦が見込まれる米大統領選でどちらが勝とうが、米国の経済政策は欧州に不利な方向に傾いているとの認識も強まっている。あるEU外交官は「蜜月は終わった」と語る。
EU各国の外交官や当局者は、EUがルールに基づく貿易システムを支持し続ける上で米国に頼ることができるのか、あるいは、長年にわたり緊密な関係にある米EU間で経済的対立が生じる可能性があるのか、疑問を抱いている。
EUは域内産業を支援するために、補助金規則の一部を緩和して域内政府が米国のクリーン技術奨励策に対抗しやすい環境を整えるなどの措置を講じている。しかしEUの当局者は全体として、伝統的な自由貿易の理念になお固執している向きが多い。米国の手法は中国が好む戦術をほうふつさせるもので、受け入れがたいとの立場だ。EU当局は米政府に対し、米国が中国に対抗することで欧州が巻き添え被害を被っていると訴えている。
バイデン政権の高官らは、同政権の政策がEUとの溝を作ったとの見方を否定し、米国とEUは重要な戦略的問題で歩調を合わせていると述べた。トランプ氏の選挙陣営の広報担当者はコメント要請に応じなかった。
EUの執行機関、欧州委員会のバルディス・ドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は、バイデン政権とEU当局は、ホワイトハウスが引き継いだ貿易問題などを巡って効率的に協力してきたが、もっと柔軟に対応できると期待していたと述べた。
「いったいどうなってるんだ」
バイデン氏は2021年の就任後すぐに米国を再び北大西洋条約機構(NATO)重視に傾かせ、その1年後にロシアがウクライナに侵攻すると、NATO拡大を強く支持した。また、欧州の安全保障にコミットする考えを示し、各国首脳に米国が方針転換したという希望を抱かせた。
だが、バイデン氏の国際経済に関する世界観がトランプ氏のそれと一部共通していることが分かり、各国首脳は失望した。バイデン氏とその顧問らは、世界の自由貿易を国家安全保障上の脅威とみなし、それが米国の産業基盤を空洞化させ、米国人労働者に打撃を与え、中国が重要産業を支配することを許していると主張している。
バイデン政権にとって初期の試練の一つは、トランプ政権が導入した対EU鉄鋼・アルミニウム関税にどう対処するかだった。バイデン氏は就任後、この関税を一時停止した。だが、撤廃には踏み切らず、より緩やかな関税を課したため、EUの金属輸出業界は昨年、数億ドルの損失を被った。
EU首脳はバイデン氏に何度も関税撤廃を求めた。昨年10月にはウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長とシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)がワシントンを訪れ、バイデン氏との首脳会談に臨んだ。この問題を収束させる狙いだった。
首脳会談に先立つ協議で、米当局者はEU側に対し、合意の一環として中国産金属に関税を課すよう求めていた。これについてはEU側から世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する恐れがあると懸念する声が上がった。ホワイトハウスでの首脳会談の前夜、EUの外交官らは、米国と欧州委との土壇場の交渉の成果である共同声明案を吟味した。その結果、この声明ではEUが最終的な合意の一環として対中関税を支持する意思があるように読める、との指摘が出た。
あるEU外交官は「加盟国から『いったいどうなっているんだ』という声が相次いだ」と話す。
首脳会談の最終声明では、この問題に関して交渉を続けると表明するにとどまった。ドムブロフスキス氏はその後、ジーナ・レモンド米商務長官と協力し、撤廃に至らなかった対EU関税の影響緩和に努めた。昨年12月、同関税の一時停止措置がさらに2年間延長された。
パンドラの箱
トランプ、バイデン両政権期における米国と欧州は、EUが承認した脱税防止のための国際ルールを巡って世界の首脳と交渉してきた。多国籍企業に対する最低課税を実施するため、欧州諸国は米企業に新たな課税を行う可能性がある。米議会共和党は報復として欧州企業への課税をちらつかせている。
米共和党のロン・エステス下院議員(カンザス州)は「そのような道を歩めばパンドラの箱を開けることになる」と述べた。
税制交渉が決裂した場合、EUは米IT企業の域内事業に対して新たなデジタルサービス税を課す構えだ。
トランプ氏は選挙戦で、全ての輸入品に10%の関税をかけると表明している。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁はフランスのテレビ局によるインタビューで、トランプ氏の再選は欧州にとって「明白な脅威」であるとし、前政権時代の関税導入やNATO批判を理由に挙げた。
元欧州委員(貿易担当)で、2005~13年にWTO事務局長を務めたパスカル・ラミー氏は、バイデン政権は保護主義的で自由貿易に懐疑的だが、気候変動への対応という点ではEUと関心を共有していると述べた。トランプ氏はバイデン氏の気候変動政策を破棄する構えを見せている。
バイデン政権はまた、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁に関してEUと緊密に協力したほか、ロシアからのエネルギー調達難に直面したEUに液化天然ガス(LNG)を供給する米企業を支援した。
欧州では、トランプ氏が当選した場合に最も懸念されるのは、米国がウクライナを見捨て、ロシア軍がEUの玄関口まで迫ってくる可能性だとの声が多い。
米超党派シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のエリック・ブラットバーグ氏は「米EU関係が崩れれば、世界の分断がさらに進み、ロシアや中国がルールに基づく世界秩序への権威主義的な挑戦を強めるだろう」と述べた。
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アンドリューデュエレンは、ウォールストリートジャーナルのワシントン支局から財務省と経済政策をカバーしています。
ジョー・バイデン米大統領が2021年に行った「米国が戻ってきた」という宣言は、トランプ政権との貿易問題を乗り越えて先に進みたいと考えていた欧州連合(EU)当局に歓迎された。
ところがバイデン氏は、ドナルド・トランプ前米大統領の保護主義的な考えに基づく政策を撤回するどころか、その多くを推進してきた。貿易障壁を維持したほか、米国の製造業強化に向けた補助金の対象から欧州企業を外した。さらに、中国による米国の技術利用をさらに制限して欧州諸国を驚かせた。
欧州では、米共和党の大統領候補に選出されそうなトランプ氏がウクライナや北大西洋条約機構(NATO)を見捨てたり、世界貿易に混乱をもたらしたりするのではないかと懸念する声が多い。一方で、バイデン氏とトランプ氏の再戦が見込まれる米大統領選でどちらが勝とうが、米国の経済政策は欧州に不利な方向に傾いているとの認識も強まっている。あるEU外交官は「蜜月は終わった」と語る。
EU各国の外交官や当局者は、EUがルールに基づく貿易システムを支持し続ける上で米国に頼ることができるのか、あるいは、長年にわたり緊密な関係にある米EU間で経済的対立が生じる可能性があるのか、疑問を抱いている。
EUは域内産業を支援するために、補助金規則の一部を緩和して域内政府が米国のクリーン技術奨励策に対抗しやすい環境を整えるなどの措置を講じている。しかしEUの当局者は全体として、伝統的な自由貿易の理念になお固執している向きが多い。米国の手法は中国が好む戦術をほうふつさせるもので、受け入れがたいとの立場だ。EU当局は米政府に対し、米国が中国に対抗することで欧州が巻き添え被害を被っていると訴えている。
バイデン政権の高官らは、同政権の政策がEUとの溝を作ったとの見方を否定し、米国とEUは重要な戦略的問題で歩調を合わせていると述べた。トランプ氏の選挙陣営の広報担当者はコメント要請に応じなかった。
EUの執行機関、欧州委員会のバルディス・ドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は、バイデン政権とEU当局は、ホワイトハウスが引き継いだ貿易問題などを巡って効率的に協力してきたが、もっと柔軟に対応できると期待していたと述べた。
「いったいどうなってるんだ」
バイデン氏は2021年の就任後すぐに米国を再び北大西洋条約機構(NATO)重視に傾かせ、その1年後にロシアがウクライナに侵攻すると、NATO拡大を強く支持した。また、欧州の安全保障にコミットする考えを示し、各国首脳に米国が方針転換したという希望を抱かせた。
だが、バイデン氏の国際経済に関する世界観がトランプ氏のそれと一部共通していることが分かり、各国首脳は失望した。バイデン氏とその顧問らは、世界の自由貿易を国家安全保障上の脅威とみなし、それが米国の産業基盤を空洞化させ、米国人労働者に打撃を与え、中国が重要産業を支配することを許していると主張している。
バイデン政権にとって初期の試練の一つは、トランプ政権が導入した対EU鉄鋼・アルミニウム関税にどう対処するかだった。バイデン氏は就任後、この関税を一時停止した。だが、撤廃には踏み切らず、より緩やかな関税を課したため、EUの金属輸出業界は昨年、数億ドルの損失を被った。
EU首脳はバイデン氏に何度も関税撤廃を求めた。昨年10月にはウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長とシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)がワシントンを訪れ、バイデン氏との首脳会談に臨んだ。この問題を収束させる狙いだった。
首脳会談に先立つ協議で、米当局者はEU側に対し、合意の一環として中国産金属に関税を課すよう求めていた。これについてはEU側から世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する恐れがあると懸念する声が上がった。ホワイトハウスでの首脳会談の前夜、EUの外交官らは、米国と欧州委との土壇場の交渉の成果である共同声明案を吟味した。その結果、この声明ではEUが最終的な合意の一環として対中関税を支持する意思があるように読める、との指摘が出た。
あるEU外交官は「加盟国から『いったいどうなっているんだ』という声が相次いだ」と話す。
首脳会談の最終声明では、この問題に関して交渉を続けると表明するにとどまった。ドムブロフスキス氏はその後、ジーナ・レモンド米商務長官と協力し、撤廃に至らなかった対EU関税の影響緩和に努めた。昨年12月、同関税の一時停止措置がさらに2年間延長された。
パンドラの箱
トランプ、バイデン両政権期における米国と欧州は、EUが承認した脱税防止のための国際ルールを巡って世界の首脳と交渉してきた。多国籍企業に対する最低課税を実施するため、欧州諸国は米企業に新たな課税を行う可能性がある。米議会共和党は報復として欧州企業への課税をちらつかせている。
米共和党のロン・エステス下院議員(カンザス州)は「そのような道を歩めばパンドラの箱を開けることになる」と述べた。
税制交渉が決裂した場合、EUは米IT企業の域内事業に対して新たなデジタルサービス税を課す構えだ。
トランプ氏は選挙戦で、全ての輸入品に10%の関税をかけると表明している。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁はフランスのテレビ局によるインタビューで、トランプ氏の再選は欧州にとって「明白な脅威」であるとし、前政権時代の関税導入やNATO批判を理由に挙げた。
元欧州委員(貿易担当)で、2005~13年にWTO事務局長を務めたパスカル・ラミー氏は、バイデン政権は保護主義的で自由貿易に懐疑的だが、気候変動への対応という点ではEUと関心を共有していると述べた。トランプ氏はバイデン氏の気候変動政策を破棄する構えを見せている。
バイデン政権はまた、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁に関してEUと緊密に協力したほか、ロシアからのエネルギー調達難に直面したEUに液化天然ガス(LNG)を供給する米企業を支援した。
欧州では、トランプ氏が当選した場合に最も懸念されるのは、米国がウクライナを見捨て、ロシア軍がEUの玄関口まで迫ってくる可能性だとの声が多い。
米超党派シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のエリック・ブラットバーグ氏は「米EU関係が崩れれば、世界の分断がさらに進み、ロシアや中国がルールに基づく世界秩序への権威主義的な挑戦を強めるだろう」と述べた。
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アンドリューデュエレンは、ウォールストリートジャーナルのワシントン支局から財務省と経済政策をカバーしています。
欧州では、米共和党の大統領候補に選出されそうなトランプ氏がウクライナや北大西洋条約機構(NATO)を見捨てたり、世界貿易に混乱をもたらしたりするのではないかと懸念する声が多い。一方で、バイデン氏とトランプ氏の再戦が見込まれる米大統領選でどちらが勝とうが、米国の経済政策は欧州に不利な方向に傾いているとの認識も強まっている。あるEU外交官は「蜜月は終わった」と語ると、アンドリューデュエレン氏。
EU各国の外交官や当局者は、EUがルールに基づく貿易システムを支持し続ける上で米国に頼ることができるのか、あるいは、長年にわたり緊密な関係にある米EU間で経済的対立が生じる可能性があるのか、疑問を抱いている。
EUの当局者は全体として、伝統的な自由貿易の理念になお固執している向きが多い。米国の手法は中国が好む戦術をほうふつさせるもので、受け入れがたいとの立場だ。EU当局は米政府に対し、米国が中国に対抗することで欧州が巻き添え被害を被っていると訴えているとも。
バイデン政権の高官らは、同政権の政策がEUとの溝を作ったとの見方を否定し、米国とEUは重要な戦略的問題で歩調を合わせていると述べたのだそうです。
バイデン氏は2021年の就任後すぐに米国を再び北大西洋条約機構(NATO)重視に傾かせ、その1年後にロシアがウクライナに侵攻すると、NATO拡大を強く支持した。また、欧州の安全保障にコミットする考えを示し、各国首脳に米国が方針転換したという希望を抱かせたと、アンドリューデュエレン氏。
だが、バイデン氏の国際経済に関する世界観がトランプ氏のそれと一部共通していることが分かり、各国首脳は失望したのだそうです。
バイデン政権にとって初期の試練の一つは、トランプ政権が導入した対EU鉄鋼・アルミニウム関税にどう対処するかだった。
就任後、この関税を一時停止した。だが、撤廃には踏み切らず、より緩やかな関税を課したため、EUの金属輸出業界は、数億ドルの損失を被った。
EU首脳はバイデン氏に何度も関税撤廃を求めた。昨年10月にはウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長とシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)がワシントンを訪れ、バイデン氏との首脳会談に臨んだのだそうです。 首脳会談の最終声明では、この問題に関して交渉を続けると表明するにとどまった。ドムブロフスキス氏はその後、ジーナ・レモンド米商務長官と協力し、撤廃に至らなかった対EU関税の影響緩和に努めた。昨年12月、同関税の一時停止措置がさらに2年間延長されたと、アンドリューデュエレン氏。
多国籍企業に対する最低課税を実施するため、欧州諸国は米企業に新たな課税を行う可能性がある。米議会共和党は報復として欧州企業への課税をちらつかせている。
米共和党のロン・エステス下院議員(カンザス州)は「そのような道を歩めばパンドラの箱を開けることになる」と述べた。
税制交渉が決裂した場合、EUは米IT企業の域内事業に対して新たなデジタルサービス税を課す構えなのだそうです。
トランプ氏は選挙戦で、全ての輸入品に10%の関税をかけると表明。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、トランプ氏の再選は欧州にとって「明白な脅威」であるとし、前政権時代の関税導入やNATO批判を理由に挙げているのだそうです。 バイデン政権は、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁に関してEUと緊密に協力、エネルギー調達難に直面したEUに液化天然ガス(LNG)を供給する米企業支援をしていますが、トランプ氏が当選した場合に最も懸念されるのは、米国がウクライナを見捨て、ロシア軍がEUの玄関口まで迫ってくる可能性を、欧州では懸念していると、アンドリューデュエレン氏。
米超党派シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のエリック・ブラットバーグ氏は「米EU関係が崩れれば、世界の分断がさらに進み、ロシアや中国がルールに基づく世界秩序への権威主義的な挑戦を強めるだろう」と述べているのだそうです。
前期のトランプ氏は、米軍の力を背景にすることで、戦争を起こしませんでしたが、今は、ウクライナや中東、そして台湾海峡と火種を抱えていますが、どのように治めるのでしょう。 # 冒頭の画像は、ニューハンプシャーでも勝利したトランプ氏 この花の名前は、スキミアヤポニカ ↓よろしかったら、お願いします。