遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米朝首脳会談 考

2018-06-13 23:58:58 | 北朝鮮 全般
 歴史的な出来事と、日本からも大挙テレビやラジオの各番組のMCさん達も出張した米朝会談。
 評価は諸説分かれていますね。
 トランプ、金正恩の双方で、開催してその様子を、国内と世界に発信するメリットで開催される政治ショーになるだろうとの予想が的中したと、現時点までの報道では感じられます。
 その中での評価をすると、報道の絵面とは異なり、以外にも金正恩は狙い通りの成果を獲得し、トランプは内容としては大幅譲歩で、第一ラウンドは、金正恩の圧勝、ディールが特異とするトランプは内容では敗けと観ましたがいかがでしょう。

 元外交官の宮家邦彦氏、元自衛艦隊司令官・香田洋二氏ともに辛口の評価をされています。
 
【米朝首脳会談】立命館大客員教授・宮家邦彦氏「北非核化の進展望めず」「トランプ氏の外交交渉は稚拙」 - 産経ニュース 2018.6.13

 北朝鮮非核化の焦点である「完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄(CVID)」が共同声明に入らなかったのは、事前交渉で北朝鮮が全く聞く耳を持たなかったからだと思う。しかも「4月27日の板門店宣言を再確認し」として、非核化の定義を南北合意に依存させたことは、米朝間での非核化議論をさらに困難にするだろう。ポンペオ米国務長官と北朝鮮高官との交渉に非核化議論を委ねたことも気になる。声明には北朝鮮の核兵器廃棄に関する言及はなく、事実上、非核化の進展は望めなくなった

 ボクシングに例えれば、
第1ラウンドは北朝鮮の粘り勝ちだ。第2ラウンド以降も逆転の可能性は少ない北朝鮮は非核化に向けた取り組みで時間稼ぎに成功した上、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は国際的評価を上げ、米国から体制保証も得た

 一方、
トランプ米大統領は「歴史的会談のための会談」という見せ物で国際的関心を集めたが、米国が得たものは少ない外交交渉としては驚くほど稚拙で、交渉の達人ではなく、興行の達人だったということだ。トランプ氏は記者会見で「北朝鮮は核兵器を破棄する」と繰り返し、会談の意義を強調したが、実にむなしく響いた。

 朝鮮半島問題は新しい次元に入った。新しい平和のレジーム(体制)はできそうになく、朝鮮半島問題は漂流を始めるだろう。米国は主導権を取る立場にはなくなった。北朝鮮に核兵器放棄の意図はなく、あったとしても切り札にするだろう。
今回の会談は対北経済制裁解除のキックオフになる。韓国や中国、ロシアが制裁緩和に動き始め、これまでのような対北制裁包囲網は構築しにくくなった

 これまでの北朝鮮の対応を踏まえれば、今回の結果はある程度予想できた。日本政府は驚くべきではないし、
日本は「蚊帳の外」でもない。トランプ氏に正論を言えるのは世界中で安倍晋三首相しかいない

 拉致問題の解決には日朝交渉が不可欠だ。安倍首相はトランプ氏と緊密に連携し、北朝鮮に非核化に向けた具体的な行動を求めていく強い姿勢が求められる。


 トランプ大統領は、外交交渉としては驚くほど稚拙で、交渉の達人ではなく、興行の達人だったということだとバッサリ。
 「CVID」が共同声明に入らなかったのは、事前交渉で北朝鮮が全く聞く耳を持たなかったからだろうと。
 しかも、「4月27日の板門店宣言を再確認し」として、非核化の定義を南北合意に依存させてしまい、事実上、非核化の進展は望めなくなったとも。
 第1ラウンドは北朝鮮の粘り勝ちだ。第2ラウンド以降も逆転の可能性は少ないと厳しい評価。遊爺は、習近平に対するトランプ流評価が、短期間にコロコロ逆転することから、金正恩への評価もコロコロ変わると、第2ラウンド以降に注目しているのですが、専門家の宮家氏は、第2ラウンド以降も逆転の可能性は少ないとズバリ!
 
 北朝鮮は非核化に向けた取り組みで時間稼ぎに成功した上、金正恩朝鮮労働党委員長は国際的評価を上げ、米国から体制保証も得たと内容分析。
 今回の会談は対北経済制裁解除のキックオフになる。これまでのような対北制裁包囲網は構築しにくくなったとの見通しも。

 香田氏は、壮大な無駄遣いの政治ショーだ。共同声明は肝心なところに重しも押さえもないと、こちらもバッサリ。
 5月に訪米した際、多くの安全保障関係者が「大統領の功名心が危険だ」と指摘していた。まさにそうなった印象だとも。
 
【米朝首脳会談】元自衛艦隊司令官・香田洋二氏「壮大な無駄遣いの政治ショー」 - 産経ニュース 2018.6.13

壮大な無駄遣いの政治ショーだ。共同声明は肝心なところに重しも押さえもない。トランプ米大統領の記者会見も全く得心できる内容ではなかった。トランプ氏は「過去の失敗を繰り返さない」と言ってきたが、同じ線路の上を走っているように見える。5月に訪米した際、多くの安全保障関係者が「大統領の功名心が危険だ」と指摘していた。まさにそうなった印象だ。

 非核化には実施の担保が全くない。拉致問題や人権問題も具体的なものが何もない。一方で
北朝鮮は文書で体制保証を取り付け、義務を課せられないまま、米国からの軍事攻撃を相当な期間にわたり回避できることになった。何も失わないで時間稼ぎに成功した。

 北朝鮮はミサイルのエンジン試験場の解体を表明したというが、大陸間弾道ミサイル「火星15」など、配備済みのミサイルはそのままだ。火星15のエンジンテストは終わっており、実験場の解体に意味はない。あれを成果だというのは、正確に現状を理解していないのではないか。核実験場の廃棄も掘っ立て小屋をつぶしただけの子供だましだった。その延長にすぎない。

 
トランプ氏は記者会見で将来的な在韓米軍の撤退にも言及した。わが耳と目を疑った。最大の失敗であり、大統領が決して言ってはいけないことだ。東アジアで今後、対中国の戦略を考えないといけないときに、自ら飛車・角を捨てるようなもの。日本にとっても在韓米軍の撤退は絶対に避けなければならない。もう一度、日米でしっかり戦略を整合する必要がある。

 今回の会談で、米国が北朝鮮に軍事力を行使する可能性は遠のいたとはいえる。ただ、北朝鮮の対応がトランプ氏の期待を裏切った場合、また軍事オプションが浮上する可能性はある。トランプ氏は軍事力を使う大統領だ。北朝鮮も高をくくったような対応はできないかもしれない。

 あえて言えば、両首脳に個人的パイプができたのは成果かもしれない。
北朝鮮の今後の行動を見極め、必要なら直ちに厳しい態度に出ることが必要だ。事ここに至っては、そう言うしかない。

 北朝鮮は、何も失わないで時間稼ぎに成功したとの評価は宮家氏と同じ。
 更に、トランプ氏は記者会見で将来的な在韓米軍の撤退にも言及した。わが耳と目を疑った。最大の失敗であり、大統領が決して言ってはいけないことだと、安全保障からの外交視点で、重い指摘。。
 ただ、北朝鮮の対応がトランプ氏の期待を裏切った場合、また軍事オプションが浮上する可能性はある。トランプ氏は軍事力を使う大統領だと、コロコロ言うことが変わるトランブ大統領の実績は認識。というか、そこに期待?

 今後日本はどうすれば良いのか。
 宮家氏は、今回の結果はある程度予想できた。驚くべきではないし、日本は「蚊帳の外」でもない。トランプ氏に正論を言えるのは世界中で安倍晋三首相しかいないと、安倍首相とトランプ大統領との連携に期待。
 G7で孤立したトランプ大統領は、安倍首相に「晋三はどう思う?」と助けを求めました。
 大統領当選直後、就任前という早期に面談した両者。以来、相談役となっているとされる安倍首相に、ここは外交の正道を指導していただけることを期待ですね。

 北への経済支援にも触れたトランプ大統領。米国は経済支援はしない。日韓が行うと公言しています。事前合意があったのかは不明です。

 香田氏は、あえて言えば、両首脳に個人的パイプができたのは成果かもしれない。北朝鮮の今後の行動を見極め、必要なら直ちに厳しい態度に出ることが必要だ。事ここに至っては、そう言うしかないと結んでおられます。

 第1ラウンドを勝利した金正恩は今後どのような態度をとるのか、第1ラウンドが自分の負けとトランプが自覚した時、どう変身するのか。
 二国間貿易の課題を抱える日米関係の状況で、安倍、トランプの関係はどうなるのか。
 刻々と変化する世界情勢。目が離せませんね。



 # 冒頭の画像は、共同声明に署名した金正恩とトランプ大統領。
  (会談当初に比べ、金正恩が堂々とした態度に変わってみえるのは、気のせい?)



 ハバネロ


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