遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

核武装した新朝鮮が誕生する日 日本はどう対処するのか

2018-06-06 23:58:58 | 北朝鮮 全般
 米朝首脳会談が迫ってきました。
 トランプ大統領と、中国の後ろ盾を確認した金正恩とのディールが続いていて、情勢は日替わりに近い揺れを呈しています。
 会談は、初回には合意に達し署名することはない。今回が始まりで今後継続されるとのトランプ大統領の発言。
 会談再開に向け、トランプ大統領側の譲歩が垣間見られます。
 G7に出席する安倍首相は、米朝会談の前に、トランプ大統領と会談し日米の対応を事前確認をするとのことです。

 日本にとって最悪のシナリオを想定し、備えねばならないと指摘するのは、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森氏。
 その最悪のシナリオとは、核武装した南北統一朝鮮の誕生。
 
最悪のシナリオ、核武装した新朝鮮が誕生する日 南北の歩み寄りで激変する朝鮮半島情勢 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2018.6.6(水) 古森 義久

 米朝首脳会談が予定どおりに実現してもしなくても、朝鮮半島情勢の激変は続くだろう。朝鮮半島と米国との関係も大きく変化していくとみられる。北朝鮮はこれからどうなるのか。
 
南北の和解から「統一」へという可能性が生まれるのか。米韓同盟の解消もあるのか。こうした変化の展望のなかで、わが日本の国家安全保障はどうなるのか。米朝会談の開催の展望を機に、真剣に考えるべきである。

 日本の近代の国運は朝鮮半島の情勢と米国の動向に左右されてきた。近代史をみればそれは明らかである。日清、日露の両戦争とも、朝鮮半島の混乱が契機となった。この2つの戦争の結果は明治から昭和への日本の進路を大きく変えることとなった。

 米国との関係も日本の根幹を左右した。日米戦争での敗北と、その後の米国による日本の新憲法作成などの大変革、占領、そして日米安保条約の締結と、戦後の日本のあり方は米国との関わりが最大の決定要因の1つとなってきた。いまの日本の立ち位置も米国との関係抜きには考えにくい。朝鮮半島と米国はそれほどに日本にとっては巨大な存在なのだ。

 その
朝鮮半島と米国の両方が、安全保障の根幹部分で変化の予兆をみせ始めた。日本としても、その地殻的変化の兆しに備えねばならないことは明白である。朝鮮半島と、米国の朝鮮半島への関与にこれからどんな変化が起き得るのか、それぞれのシナリオに日本はどう備えるべきか考える時期であろう。

■米韓同盟も在韓米軍も不要に?
 
日本は米国と同盟関係にある。韓国も米国の同盟国である。だが、日本と韓国との間に同盟はない。安保上の同じ陣営にある国同士なら、当然、協力の絆を築いてよいはずだが、日本と韓国の間には絆が成り立たないことも多い。それでも日韓両国が米国をハブ(車輪の中心)として歩調を合わせてきたのは、北朝鮮という共通の軍事的脅威が存在したからである。

 北朝鮮は長年、韓国を正当な主権国家とは認めず、やがては武力を用いてでも必ず自国の体制や理念の下に屈服させると宣言してきた。北朝鮮は米国をも敵視し、米国の同盟国である日本に対しても「核で海の底に沈める」と脅すなど敵意を剥き出しにしてきた。
 だがこの
長年の敵対の構図が、4月の文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との南北首脳会談で大きく変わり始めた。北朝鮮は韓国敵視を止めて「恒久的な平和」や「統一」を目指すと唱え、少なくとも表面的にはその姿勢をみせている。

 この宣言が北朝鮮の真意ならば、朝鮮半島情勢はまさに激変である。敵対から和平へと逆転するならば、米韓同盟も在韓米軍もやがては不要ということになりかねない。

■朝鮮半島で起きている画期的な変化
 米国の朝鮮半島への関わりの歴史は長く深い。1950年1月、時の国務長官ディーン・アチソンがワシントンで演説し、アジアにおける米国の新たな防衛線を論じた際、朝鮮半島を含めなかった。その演説を知った北朝鮮の当時の最高指導者の金日成は、韓国を攻撃しても米国は韓国を守らないと判断して、その年の6月に朝鮮戦争を始めたとされる。だが、米国は韓国を守るために全面的に戦った。
 以来、米韓同盟の強い絆は揺らぐことはなかったが、1977年に大統領に就任した民主党のジミー・カーター氏は、在韓米軍の地上部隊の撤退方針を打ち出した。米韓同盟の縮小、あるいは解消とも受け取れる宣言だった。
 韓国は国をあげてこれに猛烈に反対した。米側の議会や軍部にも反対意見が多かった。結局、カーター大統領はこの方針を撤回し、逆に米韓同盟の堅固さを印象づけることとなった。だが同時に、どのような同盟関係も永遠ではないことの証明ともなった。

 それから40余年が経ち、
今や韓国が北朝鮮との和平や不可侵を打ち出している。今度は韓国側から米韓同盟を空洞化しかねない動きが出てきたのだ。

 朝鮮半島と米国の関わりの歴史の中でいまの動きをみると、それがいかに画期的な変化であるかが分かる。
 なにしろ北朝鮮の金正恩委員長はもう韓国を敵視しないというのだ。米国も敵視しないという。そうなると韓国側には、在韓米軍を常駐させて北朝鮮の軍事脅威を抑止するという動機がなくなっていく。米韓同盟は必要ないという考え方さえ出てくるだろう。

■日本にとって最悪シナリオとは
 最近の朝鮮半島での南北接近は、
最悪の場合、北朝鮮が核武装したまま拡大することを意味する。核武装した南北統一朝鮮が登場し、米国には友好的な姿勢をとることもあっても、日本を敵視したままという可能性もある。
 日本にとっての
最悪シナリオは日本を軍事的に敵視する統一・新朝鮮の登場だといえよう。朝鮮半島全体が日本を敵視するようになるのだ。

 こうみてくると、
日本側としては、当面は日米同盟への信頼や貢献を高めることが、朝鮮半島の激変への最も現実的な対応だろう。その選択肢に替わりうる政策の針路は、残念ながら考えられない。日本には自国を自力で防衛する能力も制度もないからだ。

 今のところ日米同盟は一貫して安定している。いや、ここに来て一段と強化されたともいってもよい。北朝鮮や中国の軍事脅威に対して、米国が安保面で日本への依存を高めてきたことも主要な理由である。

 
仮に統一された新朝鮮が誕生しても、米国は日米同盟の堅持という基本政策は変えないだろう。朝鮮半島の不安定は絶えず、中国との対立はなお激しく続くからだ。その対立の最前線が日本となる。その場合、米国は日米同盟をより強化して、東アジアでの抑止を強めることとなろう。

 ただし、
日本は日米同盟への依存を続けていくにしても、米国との共同防衛努力への軍事的な寄与の増大が求められるだろう。朝鮮半島情勢の最大の不安定要因は安全保障、つまり軍事がらみの動向である。南北統一した朝鮮が米国と日本に対して敵対的な態度をとるように変われば、当然ながら軍事的脅威が高まることになる。日本と米国がその脅威を抑止して自陣営を守ろうとすれば、軍事的抑止力の強固な保持が求められる。

 だが日本は今もなお、専守防衛の最小限の自衛以外の軍事行動をとることを基本的に禁じている。米国には、東アジアの安全保障に関して、日本が憲法の防衛面での自縄自縛を解消して日米同盟の双務性を増し、米国の軍事努力への寄与を拡大することを期待する超党派の考え方がすでに存在する。
朝鮮半島での激変は日本が防衛面での「普通の国」となるべき将来の方向をも明示しているのである。

 文在寅大統領は、米朝首脳会談実現に向け、いまや金正恩の使い走り役となっています。しかもその役割を演じることで国民の支持率も急上昇。韓国の国民の皆さんは、金正恩主導の南北統一を支持されているのでしょうか。
 古森氏は、カーター大統領が米軍の韓国からの撤退を表明した時に、韓国は国をあげてこれに猛烈に反対したが、今や韓国が北朝鮮との和平や不可侵を打ち出していて、米韓同盟を空洞化しかねない動きが出てきたと指摘されています。
 
 余談ですが、韓国では反米機運が潜在し、親米政権が誕生した時や、米国大統領が訪韓する時などにローソクデモが行われるシーンはしばしば見聞されますね。それは、北朝鮮の諜報活動の扇動によるものなのか、韓国国民の方々の自発的な物かは、遊爺には解りませんが。。
 韓国、「政権支持派」重大時期に「反トランプ・デモ」の意図? | 勝又壽良の経済時評

 日本にとっての最悪シナリオは日本を軍事的に敵視する統一・新朝鮮の登場。最近の朝鮮半島での南北接近は、最悪の場合、北朝鮮が核武装したまま拡大することを意味する。核武装した南北統一朝鮮が登場し、米国には友好的な姿勢をとることもあっても、日本を敵視したままという可能性。
 
 想定外という事態を招かない為に、最悪のシナリオへの備えが必要なのは常識ですが、このシナリオへの当面可能な備えは、日米同盟への信頼や貢献を高めることで、その選択肢に替わりうる政策の針路は、残念ながら考えられないと、古森氏。何故なら、日本には自国を自力で防衛する能力も制度もないからだと。ご説ごもっとも。
 その時、米国側も日米同盟の堅持という基本政策は変えないだろうと。何故なら、統一された新朝鮮が誕生しても、朝鮮半島の不安定は絶えず、中国との対立はなお激しく続くき、その対立の最前線が日本となるから。。

 ここで重要なのは、中長期の展望として、日本が普通の国に脱皮して、米国の核の傘におんぶにだっこではなく、自立した自国防衛体制を構築することです、先ず、自分の国は自分で護る。そのうえで、足りない所を他国との連携で抑止力を高めることです。
 このことは、繰り返しますが、普通の国がやっている事です。
 日本の外交力は、安倍政権が誕生し、しかもG7ではメルケル首相に次ぐ古参となって発言力も増したことから、かつてない国際舞台での活動が見られます。しかし、今一つ影響力を発揮できないのは、軍事力での国際貢献が出来ないからです。

 金正恩が、米国には接近し、日本には列島を沈没させると豪語するのは、日本を武力で攻撃しても、憲法の制限で反撃してこないと安心しているからですね。

 古森氏が、朝鮮半島での激変は日本が防衛面での「普通の国」となるべき将来の方向をも明示していると指摘される通りですね。



 # 冒頭の画像は、南北閣僚級会談で、握手を交わす趙明均(チョ・ミョンギュン)韓国統一相(右)と北朝鮮・祖国平和統一委員会(CPRK)の李善権(リ・ソングォン)委員長




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