あいにくこの日は米長乾物店はお休みでした。
何度か通りかかったときにも客の姿は見たことがありません。
米長乾物店に敬意を表している私も実はこの店で
買い物をしたことがありません。
私が子供の頃、暮れになると乾物屋の店先には、
干し数の子が山積みになって居たものです。
今は何処を探しても干し数の子は見られません。
暮れになると母親達が干し数の子を水で戻していた光景が
懐かしく思い出されます。
私の記憶では干し数の子は10日以上水を替えながら面倒を見ないと
柔らかくなってくれませんでした。
それを更に出汁醤油に幾日も漬け置いて
やっとお正月の食膳を飾る運びになるのです。
今の塩数の子には昔の風味がないように思えます。
*お店の袖看板が歪んで見えるのは絵を撮影したときに
画用紙がまだ濡れていて紙がカールしていたためです。
看板が曲がっているのではありません。