原題:UNTRACEABLE
『フィクサー』と『ブラックサイト』を立て続きに観たが、面白さは断然『ブラックサイト』
ダイアン・レイン
子持ちのFBIサイバー捜査官を演じるのはダイアン・レイン。タフで美人で家族愛に満ちた中年ヒロイン。こうなるとハンニバル・シリーズのクラリスことジョディ・フォスターと双璧か。
監禁した被害者に死の装置をセットし、その映像をインターネットに接続。コンピューターがヒット数に比例して、死期を早めて行く。捜査陣の会見やニュースによって、サイトを覗く人の数が増えれば増えるほど、殺人は短時間に完結する。1例目は薬品による出血死。2例目はセメント埋めの乾燥死。3例目は硫酸の流出死。4例目は・・。
ヒロインの乗っている車が、サーブ9-7XSUV。ファンとしては嬉しかったね。アメリカ映画に登場するとは。
トム・クルーズの『マイノリティー・リポート』に発売間近のレクサスが走りまくっていたが、こちらは慎ましやか。調べてみたら、北米限定発売車だった。どうりで日本では見かけないわけだ。しかも、落ち目のGMが遮二無二、欧車などのブランドを傘下におさめ、この9-7Xも、実体はGM車なんだと。気に入らねえな。まあ、映画の出来には関係ないからいいか。
それにしても『フィクサー』は酷かった。ジョージ・クルーニーは相変わらずカッコイイのだが、フィクサーのイメージにはちょっと無理。製薬会社の巨悪が伝わってこないし、従って示談の経緯も生きて来ない。600人の弁護士を抱える法律事務所の存在感もいまいち。同様なテーマなら『ナイロビの蜂』の方が数段上。
『ブラックサイト』95点。新宿ミラノ3。
『フィクサー』70点。武蔵野館1。