原題:集結號
英題:ASSEMBLY
第二次世界大戦後の中国の内戦を描いた大作。国民党と共産党の内戦を描いた作品が、商業ベースで世界に出るのは珍しい。時の経過によるか。
臨場感溢れた戦闘シーンが凄まじい。韓国の『ブラザー・フッド』のカン・ジェギェ監督がアドバイスしたと知って頷く。迫力はハリウッドを凌ぐ。
『地上最大の作戦』『遠い橋』『プラトーン』『プライベート・ライアン』など、有名な戦闘シーンの映画にまた新しいページが加わった。
女性が敬遠する戦争物、殆ど無名の出演者、低予算ということで、ヒットは論外のスタートだったが、蓋を開けたら、国内では、興行収入2億6千万元(37億円)のダントツの1位になったという。製作費はハリウッドの十分の一。
前半の戦闘シーンの’動’から、後半は一転して、一人生き残った連隊長の戦死した部下の名誉回復のための個人の戦いを追った、いわば内面描写の’静’へ。その鮮やかなコントラストが、重厚な人間ドラマに仕立て上げている。チャン・ハンユー演じる連隊長グー・ズーティ圧倒的な存在感が成功の因といえる。
文革を告発した1987年の『芙蓉鎮』の系譜に連なる骨太の中国映画である。
新宿ジョイシネマ