一般紙のこの映画の広告欄に、あまたの著名人が、競って激賞の辞を寄せている。が、それほどの印象を持つには至らなかった。「イーストウッドなら、こ程度の映画は、普通に造ってしまうだろう。大体が大騒ぎをし過ぎる」というのが正直な感想。というより、所詮、これも宣伝の範囲内か。
頑固じじいが子供や動物によって、頑なな心を次第に溶かしていくのはよくある話。先の無い老人が、若い世代のために心を砕くのもよくある話。我慢に耐えて一気に逆転というのもよくある話。
それらを、今日のアメリカの諸問題をちりばめて、妙に道徳臭くなく、さらっとコンパクトにまとめ、その上、緊張感のある作品に仕上げたところにイーストウッドの手腕の凄さがある。
イーストウッド自身は、今後は監督業のみと宣言したが、親父の映画の音楽を担当して来た息子は、「そうとも限らないのではないか。内容によると思う」と。
『ローハイド』のロディ・イェーツ時代からのファンとしては、もっとヨレヨレのイーストウッドになってもファンです。気骨の老優の姿を見たい。
グラン・トリノ それにしてもスッゲーナー!!
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