緊急事態が延長される前に観た。劇場内の観客は熟年夫婦が20組位だったろうか。
吉永小百合は、私的にはサユリスト世代に属するが、彼女には優等生過ぎていまひとつ距離を置 いて来た。が、テーマと配役陣、それにコロナ禍という特異状況もあり、観ることにしたのだった。
結果、今どきは数少ない大人の映画として落ち着いて観ることが出来た。85点の及第点。
やはり、脇役に芸達者が揃う映画はいい。いや、吉永小百合が良くないという謂いでは勿論ない。初めての医者役だからか、ぎこちない印象ではあった。もともと不器用な俳優さんなのかも知れない。であれば、ここまで来たのは努力の賜物となる。
舞台が金沢というのが気に入った。というよりは、好きな街金沢が舞台だから観る気になったのかも知れない。観た日の夜、この古都に住む友人に電話をした。この映画を薦めたら、いち早く観たという。きっと製作段階から地元で持ちきりの話題だったことだろう。映画の中の金沢、彼は違和感ありという。そういうもの、得てして。
小百合の父親役は田中泯。二人は同じ1945年生まれの同年齢。とてもそうは見えない。役者というのは凄い。
広瀬すず。輝いていた。テレビのバラエティ番組やスタジオ番組での印象とは大分違った。活発で言うべきことを言い、メリハリがあってワイルド。これからが楽しみな女優だ。
出色は、みなみらんぼう。シンガーソングライター。彼を知ったのは1980年頃。今は亡き畏友から教えてもらったLP『途上にて』だった。曲も詞もサウンドも強烈な印象。暫く追っかけもした。彼は成島監督から出演のオファーがあったとコメントしている。
医院の仲間が集まる酒場=バーのマスターの役。シーンに合わせて急ぎ作った「ステイション」なる曲をギターの弾き語りで歌う場面が一瞬出てくる。ファンには堪らない。そうそう、彼は吉永・田中より一つ年上だった。
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