原 題 THE MONUMENTS MEN
制 作 国 アメリカ
上映時間 118分
監 督 ジョージ・クルーニー
出 演 ジョージ・クルーニー、マット・ディモン、ビル・マーレイ、
ケイト・ブランシェット
楽しい映画である。戦争映画でありながら、戦闘場面や殺戮のシーンは主題には似合わない。かといって、前線基地の兵士や武器が行き交うありさまは、本格的な戦争映画と同等以上のリアルさで描かれている。
第二次世界大戦のヨーロッパ戦線が舞台。ナチスに奪われた美術品の奪還をミッションとする連合国チームの活躍がストーリー。観る者には、高尚な文化意識・文明の擁護者意識を自認させ心地が良い。
ドイツ軍に占領された美術館に勤める職業婦人。ドイツ人俳優と思いきや ケイト・ブランシェット。気品と心に秘めた抵抗心、スタイリッシュなノスタルジック・ファッション。地味ながらキー・パーソンを演じる。
何より楽しいのはジョージ・クルーニー率いるチームの個性の豊かさ。こうした集団と個人のスタンスは、アジアの民族には見られないのではないか。欧米の自由と民主の歴史の中で紡ぎだされたものだろう。
閑話休題。第二次世界大戦を描く殆どの映画では、ナチス・ドイツは常に敵であり悪である。これらの映画を観るドイツ国民は、果たしてどう思っているのだろうか。我が国内でみる日本軍を敵にした外国製の映画には複雑な思いがある、納得できない少なからぬ部分がある。彼此を比べて思いをやる。
ユーロのトップ・リーダーとして牽引し続けるドイツという国には、この大戦への償いとはほかに、屈辱というか悔しさ、戦後70年に至っても悪と言われ続けられる悔しさがバネになっているのではなかろうか。
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