正統派西部劇。西部劇らしい西部劇。
広く荒々しく乾いた風景、時代は開拓初期。牛に与える水源をめぐっての二つの牧場一家の争い、その抗争をさせじと土地の権利を守る女先生、東部から結婚のために来た元船長の正義の奮闘、最後は大アメリカらしい大団円。
グレゴリー・ペックは、正義や自由や愛情を真っすぐ体現できる、いわば昔のアメリカの代表俳優といえるか。「アラバマ物語」「ローマの休日」では、知的な紳士の姿は大いにファン層を広げたことだろう。
新しい発見があった。牧童頭をチャールトン・ヘストンが演じていた。彼の雄姿は、『エル・シド』『ベン・ハー』『猿の惑星』で何度も観てきた。恥ずかしい限りだが、それ以外の彼を知らなかった。「ヘーエッ!出てたんだ!」と物珍しさが先に立った。大スペクタクルのヒーローしか観てこなかった。
それがどうでしょ、ここでは脇役。しかし、1m90㎝を越す二人が、倒れるまで殴り合いをするシーン。無口の荒くれがひたすら闘う。主演を泥にまみれさせる。これはもう彼しかいない。配役の妙によって、物語の流れが変わった。大事なキー・マンだった。
もう一つの発見。大昔、日本にテレビが各家庭に出回り始めたころ、アメリカの番組にくぎ付けになっていた時代。『ララミー牧場』「サンセット77』『サーフサイド6』その他沢山。
その中に『ライフルマン』もあり毎週観ていた。主演のチャック・コナーズがここに出ていたのだ。牧場主の出来の悪い息子役、最後に父親に撃たれて死ぬ哀れな長男の役。懐かしかったですね。
TV番組表を丹念に拾っていけば、昔の映画は殆ど見ることが出来る。有難い。時間があるけどカネのない我々OB世代には、BS・CS放送は格好の娯楽といえる。
【1978年アメリカ作品:ウイリアム・ワイラー監督】
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