原題:FAUBOURG 36
英題:PARIS 36
愛すべきB級映画、と言ったら失礼になる。
封切りが都内3館なので、そんなイメージだが、製作されたフランスでは、’08年に130万人が観ているというから、堂々たる一級映画である。
閉館になった下町のミュージック・ホールを、スタッフが力を合わせて再建する人情物語。
原タイトルに‘36‘とある通り、時代は、ナチスの影が迫りくる1936年。舞台は、パリ郊外のフォーブルという架空の町。登場するのは、シャンソニア劇場の古くからのスタッフと当たり始めた新進歌手。
ハゲでチンチクリンで女房を寝取られた劇場裏方ピゴワル役のジェラール・ジュノのキャラクターが抜群。もう一人、オーディションから次第に人気の花形歌手に変貌を遂げてゆくノラ・アルネデゼールが素晴らしい。
それにしても、アコーディオンとは、なんとパリに、そしてシャンソンに似合う楽器だろうか。かつてタンゴの衰退とともに消えていったバンドネオンのように、やがて消え行く郷愁なのか、派手で寂しい曲々ではあった。
終了後、映画館の出口で屯していた数人の紅い腕章の若者に出っくわす。感想のインタビューだった。それへの回答は次のごとく。
点数100点満点。ストーリー(5段階評価。以下も同じ)5。演出5。シナリオ5。音楽5。私にとってはそれほどいい映画だったというわけです。なお、このアンケート結果は9月24日発売の『シネマぴあ』誌上で発表だって。
銀座シネスイッチ
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