★★★★★ 1967年/日本 監督/小林正樹
(WOWOW録画)
大傑作。冒頭、城の外壁を切り取る映像がスタイリッシュで驚く。その後も全カットがきりりとコントラストの効いたモノクローム映像で構図もバチバチに決まっている。物語にもハラハラしてさすが橋本忍。カメラ、美術、脚本、チャンバラ。全部最高で非の打ち所なし。
殿様の意向で人生を左右される悲哀は現代社会にも十分通じるし、特筆すべきは女性映画としても申し分ないこと。男社会の勝手でモノ扱いされるいち(司葉子)の存在は大きな比重を占め、かつ彼女がしっかり自分の主張を通す女としてキャラ付けされていることに驚く。1967年製作とはとても思えない。
それに三船敏郎&加藤剛の「うちの嫁最高!」な言動がたまらん。2人のフェミニストっぷりは泣く。全ての男たちにこうあって欲しいわ!と大興奮。三船&仲代の関係はBL視点でも十分楽しめるし、決闘シーンの殺陣はさすがのひと言。どこからどう見ても完璧。「切腹」より断然ハマった。