Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

孤狼の血

2018-05-20 | 日本映画(か行)
★★★★☆ 2018年/日本 監督/白石和彌

東映実録路線を見事に現代にバージョンアップ!凶悪や日本でいちばん悪い奴らなどで磨き上げたバイオレンス描写がビッグバジェットで炸裂。蒼々たる役者陣を見事に演出しきった白石監督の手腕も冴える。役所広司の新たな魅力を引き出しているし、やはり松坂桃李がすばらしい。

ビッグ・リトル・ライズ

2018-05-19 | TVドラマ(海外)
★★★★ Amazon Prime

キャストが豪華で演技も申し分なく、モントレーのセレブな家も溜め息が出るほど美しい。が。登場人物がみんな病んでるのがしんどい。また、初回に殺人事件が起きるが、最終回まで犯人はおろか誰が殺されたのかもわからないというひっぱり展開も疲れた。とはいえとにかくニコールが美しい!同性でも惚れ惚れする。

カンバセーション 盗聴

2018-05-12 | 外国映画(か行)
★★★☆ 1973年/アメリカ 監督/フランシス・フォード・コッポラ

ユニオンスクエアの雑踏のロングショットから盗聴ターゲットにクローズアップする冒頭シークエンスは素晴らしいんだけど、その後ノレず。盗聴器のあまりの時代遅れ感に醒めたか、ジーン・ハックマンのやさぐれ具合にエロスを感じられなかったからか。この手のサスペンスって、主人公が罠にはめられるかもとか、殺されるかもってシチュエーションにドキドキできるかが肝だと思うんだけど、ジーン・ハックマンが好みの役者じゃないんだよねえ。フレンチコネクションも全然ダメだったしなあ。

パーソナル・ショッパー

2018-05-09 | 外国映画(は行)
★★★★ 2016年/フランス 監督/オリビエ・アサイヤス

ファンションにまつわるミステリーかと思ってたのに、まさかの黒沢清的なホラー全開で予想の斜め上の展開。SNS時代におけるテキストメッセージの送受信に本来の伝わる、伝える役割は存在するのか。ともかく、シャネルに身を包むクリスティンスチュワート最高だな。

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

2018-05-09 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2017年/アメリカ 監督/クレイグ・ギレスピー

オスカーを獲得したアリソン・ジャネイは貫禄の演技で見応え十分。主演のマーゴット・ロビーもずいぶんスケートを練習したと思われる。えらい。事件の顛末そのものはクズの妄想と暴走が原因で、母娘の確執とは別にあるところが物語のドライブ感を削ぐのが残念ポイント。それでも、アイツのマヌケっぷりと、それが引き起こす事件の重大さのギャップがリアルで刺さる。

あと、あれだけトリプルアクセルに執着したトーニャだが、彼女は本番で失敗し、オリンピックで初めて成功させたのは伊藤みどりということを劇中でも触れて欲しかった

地獄の黙示録

2018-05-07 | 外国映画(さ行)
★★★★★ 1979年/アメリカ 監督/フランシス・フォード・コッポラ

スクリーン初。何もかもが狂気の沙汰ゆえに鑑賞後は茫然自失。一個の村が爆撃で焼き尽くされるのを眺めながら、映画としてこれを楽しむのは許される行為なのかと自分を責めたい気持ちになる一方、ワーグナーに高揚する自分の中に潜む野蛮と対峙させられる。

ヘリの旋回音が頭上をかけめぐる冒頭から、ドルビーサラウンドシステムのすばらしい音響を堪能。これは映画館でないと味わえない。以前、DVDで完全版を見たのだが、私はこちらの短めの方が好きだ。しかし、この狂気の現場はどんなものだったのか。エレノアコッポラの「撮影全記録」を読みたい。

LOGAN/ローガン

2018-05-02 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★☆ 2017年/アメリカ 監督/ジェームズ・マンゴールド

公開時やたらと評判良かったので見たけど、やはりアメコミは馴染まないことを痛感。娘役のダフネ・キーンは「ストレンジャーシングス」のイレブンのように孤高感のある少女。アメコミ映画はこうした個性派の若手を思いきって採用しフックアップできるのがいいところ。

君の名前で僕を呼んで

2018-05-01 | 外国映画(か行)
★★★★★ 2017年/イタリア・フランス・ブラジル・アメリカ 監督/ルカ・グァダニーノ

いつまでも余韻に浸っていたい美しく切ない傑作。大好きなエリックロメールの世界観も垣間見える、イタリア北部の避暑地の初恋物語。
ジェームズ・アイヴォリーの脚本もすばらしい。同性愛を超えた、恋愛を超えた、人生の物語。
そして、ティモシーシャラメ!とんでもない逸材。その美しさはまるで「風と木の詩」のジルベール。ラストカットがすばらしすぎる。